世相を斬る あいば達也

民主主義や資本主義及びグローバル経済や金融資本主義の異様さについて
定常で質実な国家像を考える

“参院選、自民圧勝の勢い” おそらく、有権者は自民党の公約すら読んでいない

2013年07月06日 | 日記
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●“参院選、自民圧勝の勢い” おそらく、有権者は自民党の公約すら読んでいない

 マスメディア各社の参院選情勢が出揃ったようだが、軒並み自民党の圧勝を予測している。常任委員長総取り(安定多数)の70議席獲得も夢ではなさそうな勢いだ。昨年12月の、野田佳彦による“自爆解散”の自民圧勝の流れが、更に磨きが掛かって戻ってきた。株価が11000円台にでも急落しない限り、この流れのまま投票日を迎えることになるだろう。自民の大圧勝の報道は日に日に勢いを増すに違いないから、選択肢がなくなった、と思う有権者は危険を選択するだろうから、前哨戦であった都議選と同様の、低投票率と自民、公明、共産の躍進が目立つ選挙結果になるようだ。

 意に沿わぬ報道をした報道機関への出演取りやめなど、報道機関への恫喝も辞さないようなファッショな安倍政権であるにもかかわらず、それが何を意味しているかさえ、報道機関は問題にしない。日本政治の本来の争点である“中韓外交問題、オバマ政権との温度差、消費増税、原発問題、TPP交渉、改憲、再分配”等々は隅に追いやられ、“アベノミクスの是非を問う”と“ねじれ国会の解消と決められる政治”をマスメディア自体が、安倍の意に沿うかたちで報道するのだから、自分や家族以外に興味の持てない人々には、他国の選挙のようなものだろう。

 各党の選挙公約などを読んだ上で判断してくれば、多少はマスメディアの報道と異なる部分も見出すだろうが、読む気はさらさらないようである。まぁ、小泉時代から、公約破りなど“たいしたものじゃない”という空気は、政党政治家だけでなく、有権者にも浸透してしまったようである。それに拍車をかけたのが、民主党であり、民主党が公約云々で自民党を責める立場には到底いない。真っ向から非難できる政党は、一度たりとも政権の座に就いた事のない共産党くらいのものである。そのポジションの優位さは、間違いなく選挙結果に表れている。

 反自民の識者や一部メディアが、自民党に圧勝させたら“日本は地獄だ!”と口を酸っぱく警鐘を鳴らしているが、これさえもポジショントークの一種で、選挙情勢に影響を及ぼすことはない。つまり、「馬を水際まで連れて行くことは出来るが、水を飲ませることは出来ない」と云う英語の諺があるが、日本人の政治的無関心度は筋金入りであり、チョッとやそっとのアクシデントにひるむことはない。原発の再稼働も心配だ、TPP参入したらどうなるのだろう、消費増税したらどうなるのだろう、物価は上がるだろうけど給料は上がるのだろうか等々と思う程度の知識があっても、不安の種が思い浮かぶ程度の関心事であり、それを類推し、推測する力は、日本人にはない。

 人によっては、だからこそ自民党に勝たせてはイケないのだと主張する。まさに正論だ。しかし、ほんの目の前にある将来の不安よりも、今の空気に抗えないのが日本人なのである。そして、日本人は政治家には何も出来ない、政治を動かしているのは官僚だと云う、強い現状認識が空気のように蔓延している。この状況の打破は容易になモノではないだろう。広島・長崎・ビキニ・福島と放射能被曝と云う被害を受けた国民は日本人だけである。原発放射能に対する意識はあっても、それに勝る経済優先意識は、その不安さえも覆い隠す心理状態になっている。小沢が理想とする議会制民主主義の姿は、遠ざかることはあっても、近づく気配をみせない。

 筆者の場合、安倍自民党が“アホノミクス”の信認を得たとして、経済成長戦略の第何発目かを打ち上げ、調子に乗って、大企業優先のトリクルダウンで突っ走り、徹底して国民を痛めつける政策に邁進する事を望んでいる。敢えて毒薬を飲み干す覚悟だ。自民党政治が、日本人にとって毒であることは明白だ。しかし、様々な理由から、それも仕方ないと思っている間、有権者の意識は変わらない。アホノミクスの行き先がどんな国家になっているか、単純な三段論法で判るにも関わらず、考えたくもない、見たくもない、聞きたくもない、そうい国民が多い以上、それこそ手の打ちようはない。

 こう云う場合、或る程度の被害が出るだろうが、過激なショック療法が必要になる。革命と云う行為が選択できない国で行える手段は、過激な経済的ショックを与えることである。経済指標だけが絶好調になり、行政官僚機構や大企業群が多いに潤い、そのオコボレすら国民に行き渡らない現実を作ることが、良薬になるのである。どこで有権者が、断末魔の叫びを挙げるか、その為には、“ゆで蛙”的な手法では生ぬるいのである。アホノミクスの激烈な毒物による作用が、国民生活を直撃させる方が、救いの道が残されると考える。

 日本の疲弊した国家統治を破壊しない限り、日本が平和に生き残る道はないだろう。その処方箋は行政改革等と云う生易しい言葉ではなく、行政革命が必要なのだろう。そして、名誉白人の地位を自らアングロサクソンらに返還する勇気だろう。筆者などは、個人的にアホノミクスの終着駅は“デノミ”ではないかと危惧している。冗談ではなく、仮にデノミが起きた場合はどうなるの?その程度の事は考えておいた方が良い。そのような事態が想定できる時は、個人的には外債と金地金に資産を移動させた方が良さそうだと思っている。

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