Activated Sludge ブログ ~日々読学~

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●『靖国/上映中止をめぐる大議論』読了(1/3)

2009年04月06日 07時55分17秒 | Weblog

『靖国/上映中止をめぐる大議論』、1月に読了。森達也・鈴木邦男・宮台真司・他著。創出版。20086月刊。

 綿井健陽・野中章弘・是枝裕和・李纓・筑紫哲也・原壽雄・広川隆一・若松孝二・原一男・佐野史郎・上野千鶴子さんらが参画。篠田博之さんも当然。

 李纓監督の『靖国』上映中止事件。「自粛の連鎖」(pp.8-9) の発端は「週刊新潮」記事。篠田さんは、「同誌の動きが気になったのは前例があるからだ」。

 是枝監督は、文科省の補助のあった同映画に対して「・・・税金の使われ方に対して政治家がチェックするのは当然だと書かれていましたが、そのチェックの権利があるとすれば、それは間違いなく私たちであって、権力ではない・・・」。
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●『靖国/上映中止をめぐる大議論』読了(2/3)

2009年04月06日 07時54分16秒 | Weblog
【『靖国/上映中止をめぐる大議論』、森達也・鈴木邦男・宮台真司・他著
 森達也さんは本問題の本質をズバリ (p.54)。「答えは単純です。監督が中国人だからです」。
 
危機管理を煽る世相についても、2007年の「・・・犯罪統計について・・・殺意事件の認知件数は・・・戦後最低の数字です。・・・平成13年・・・が最低だったのですが、昨年はそれを更新しました。・・・戦後の最高は・・・1954年・・・です。つまり、「ALWAYS 三丁目の夕日」の時代。安倍元総理が「みなが貧しく、でも暖かく、しっかり繋がっていた」と讃えたあの時代に、一番人が殺されていたんですね」(p.55)
 さらに、ドキュメンタリーについても。「事前に被写体に見せて了解をとる。これが前提なら映画を潰すのなんて簡単ですね。・・・/・・・もう街中でカメラを回せません。・・・/それがドキュメンタリーというものです。とても悪辣なジャンルです。人権や規範を最優先にしていては何も撮れなくなる。人を傷つける仕事です。鬼畜の所業です。テレビに代表される映像メディア全般は、自らの加害性や悪辣さに目を向けず、公正中立や不偏不党などの虚妄のドグマに没入し続けていた。そういった悪辣さがあるからこそ、人の心に強く訴えることができるという現実から目をそらしてきた。そのツケが回ってきたという感じです」(pp.58-59)
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●『靖国/上映中止をめぐる大議論』読了(3/3)

2009年04月06日 07時50分30秒 | Weblog
【『靖国/上映中止をめぐる大議論』、森達也・鈴木邦男・宮台真司・他著
 鈴木邦男・綿井健陽さんとの対談「ドキュメンタリー映画をめぐる状況」においても、鈴木さんが「・・・集会で上演された風刺劇が右翼の人たちの抗議で上演中止になった事件でも、最初に煽ったのは『週刊新潮』でした。・・・」、それに対して綿井さんは「以前イラクで3人の邦人が武装勢力に拘束されたときも、初期の段階で自己責任論をぶちあげたのは『週刊新潮』でした」(p.93)
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