あべちゃんの写楽生活

撮ることが楽しいのか、楽しいから撮るのか

行ってきましたパリ撮影旅行 11

2015年02月13日 00時54分51秒 | 写真

 

「やっぱり、そこに、いた・・・・・の巻」

  

レンブラントの自画像や「人民を率いる自由の女神」などの、

美術の教科書でおなじみの絵がたくさんあった。

日本の美術館からすれば、それぞれ「とんでもないこと」だが、

あまりにも「とんでもないこと」が多すぎるので、ここでは単に「あった」

とだけ書いておく。きりがないためだ。

  

アングルの「ナポレオンの戴冠式」の絵があった。

たたみ12畳くらいの大作だ。

ベルサイユにも同じ絵があったが、こちら(美術館)の方が本物と考える

のが普通だろう。

ちなみに、極めてめずらしい例だが、本物が複数ある場合がある。

「ロダン美術館の考える人」も東京の「国立西洋美術館の考える人」も両方、本物である。

ロダンが複数、製作したのだ。

  

私は、中世絵画の部屋をまわっていた。

ルーブルは美術館であるが、宮殿であるため全てが大きい。

部屋も広ければ、廊下も広い。

天井も高くて、すばらしい建物だ。

しかし美術館として見て回るには、広すぎる。

どれだけの部屋をまわり、どれだけの彫刻、絵画をみたかわからない。

  

しかし、ある部屋に入ったとたん、まったく今までとは違う空気を感じた。

「何かがある・・・」

照明が少し暗くなっていた。

四隅に絵が飾ってあるのだが、あるコーナーだけ警備員と人だかり。

「もしかして、アレか?・・・・」

気持ちを静めて、端のほうの絵から見ていった。

「いきなり、ラファエロか・・・」

「これはダ・ビンチの聖母子と聖アンナ」

どちらも、今なら100億円くらいの絵だ。

これらの絵が主役になれないくらいの絵が「あそこ」にある。

私はゆっくり近づいていった。

  

防弾ガラスの部屋と警備員に守られて、彼女は、いた。

「モナ・リザ」だ。

ガラス越しに見る姿は、なんとも小さいこと。

ガラス越しというよりは「個室」だ、すっぽり覆われている。

そのガラスから絵までは2メートルくらいある。

しかし、肝心のそのガラスが反射が多くて、よく見えない。

偏光ガラスという手もあるのに、非常に残念だ。

  

「よし、撮るぞ!」

ストロボが光るたびに発せられる警備員のどなり声の中、後ろから

の押される力に耐えての撮影だ。

1枚撮るのがやっとだった。

これ以上粘ると、後ろの人に悪い。

私はしかたなく、その場を譲った。

  

モナ・リザを見たあと、また絵画を見たはずなのだが、何を見たのか

明確に思い出せない。

本日というか、今回の旅のメインイベントが終わって、ほっとしたのかもしれない。

本来なら、ピカソやゴッホやルノアールなどが私を待っていたはず

なのだが、そこそこに切り上げてしまった。

もっとも、これ以上見ても気力とフィルムがもたなかっただろう。

  

ホテルに帰って考えた。

「予定はすべてクリアーした・・・でもまだ少し時間がある」

さて、どうするか。

「地球の歩き方」で作戦をねることにした。

「ん?サン・ドニ門界隈はパリで一番の繁華街」

これは、会社の男性陣のネタになるな、と思った。

まだ、日も高いし、危ないこともないだろう、ということで私はサン・ドニ門

に向かうことにした。

タクシーに乗り、「サン・ドニ門」と告げた。

  

サン・ドニ門に着いた。

なんのへんてつもない通りだ。

ただ、ひとつの通りは違っていた。5メートル間隔で女性がくわえタバコで

立っている。まだ夕方だ。

その中の一人が私をチラッと見て、ふっと目をそらした。

日本人は言葉が通じないから、相手にしないというのか。

とても、その前を歩く気にはなれなかった。

「やばい、これはシャレにならん」

私は早々と帰る決心をした。

  

帰りもタクシーに乗ることを考えたが、大通りを歩くのなら大丈夫だろう、

ということで少し歩くことにした。

「ハロー・ジェントルマン」

私に話しかける声がした。

見ると、小学生くらいの白人と黒人の2人の子供だった。

「ハロー」

私は答えた。

「なんだ?外国人と会話しようという授業でもあるのか」

そう思った。

すると白人の少年は「ウィジュ・ハブ・サム・マニ?(お金、もってる?)」と

言って、お札を数えるしぐさをした。

  

「何だよ、両替かよ。バスにでも乗るのか・・・」

そう思い、ポケットに手を入れて、10フラン硬貨を取り出し、彼らにみせた。

少年らは「サンキュー」と言って、私の手から硬貨をとって、走り去った。

「・・・・・・・・?」

「なんなんだ今のは・・・もしかして・・・・カツアゲ?」

日本人はお金をもってるんだ、というのを子供も知っているのか・・・

とりあえず、社会勉強のための授業料と思うしかないな。

  

ホテルに戻る時、まだ行ってないところを思い出した。

「あっ、モンマルトルに行ってない」

さてどうするか、撮影には時間ぎりぎりである。

ピカソ、ロートレックなどは始めからむりだ。

行かないで後悔するよりは、行ったほうかいいと思い、タクシーに乗った。

  

* 2015年 追記

 

   ツタンカーメンの黄金のマスクの価値が金額に換算すると300兆円と言われていますから、

   モナ・リザはどれくらいの金額になるんでしょうかね。

 

コメント (2)
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