テアトル十瑠

1920年代のサイレント映画から21世紀の最新映像まで、僕の映画備忘録。そして日々の雑感も。

「さよなら子供たち」に関するツイート集

2014-09-18 | つぶやきメモ
(↓Twitter on 十瑠 から(一部修正あり))

ルイ・マルの「さよなら子供たち」を観る。トリュフォーと違って裕福な家の子に生まれたマル。殆ど共感が出来ない、というか心情が分かりにくかったアントワーヌと違って、このジュリアンはよ~く分かったな。やさしい母親とも愛情豊かに繋がっていたのが印象的。兄貴もイイやつだったし。
 [ 9月 17日 以下同じ]

ところで、マルとトリュフォーは同年生まれなんだけど、自伝的な映画にしては同年代の子供のはずなのに、時代背景のズレは何なんだろう?ジュリアンの話が戦中なのは計算が合うが、アントワーヌが戦後すぐの話にしてはそんな風に見えなかったんだけど。

「さよなら子供たち」のお勧め度は★四つ。“友達にも薦めて”。子供の頃の思い出をスケッチ風に描きながら、だんだんと戦争の影を被せ、ラストシーンの別れを唐突に、かつ主人公の目線で細部まで描く。やっぱマルは巧いなぁ。ドイツ兵と義勇軍との関係、フランス人の中の温度差なども印象的だ。

今日で2回目なんだけど、多分見直す度に記憶に残るものが増えていく、そんな映画の一つだと思う。後半で先生と生徒が一緒に観たチャップリン映画「チャップリンの移民」。自由の女神が映った時のボネの表情が印象的だった。自由の天地アメリカ。

マルには「ルシアンの青春」という傑作があるが、あの主人公が「さよなら子供たち」で寄宿学校の料理番だった少年をモデルにしていることは間違いない。14年も前に作った「ルシアン」。ルシアンを実際の思い出に近い恰好で紹介するのに14年かかったという事だ。これはマルだけの秘密だったのだろうか。

「さよなら子供たち」のデータを見ていて気づいたんだが、主人公のジュリアンの母親役をやっていたフランシーヌ・ラセットというカナダ生まれの女優は、ドナルド・サザーランドの奥さんだったらしい。いや、だったではなく74年からずっと夫婦らしい。知らんかった。

*

(1987/ルイ・マル 監督・脚本・製作/ガスパール・マネス、ラファエル・フェジト、フランシーヌ・ラセット、イレーヌ・ジャコブ/103分)



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2 コメント

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こんにちは (宵乃)
2015-09-10 11:26:12
「アントワーヌ」も自伝的な作品でしたっけ。
ホント、アントワーヌと比べたら、ジュリアンがいかに普通のどこにでもいる生身の少年だったか…。
自画像は難しいと言うし、戦時中のある出来事として描いたマルより、恋の思い出を描いたトリュフォーの方が客観視するのが難しかったんでしょう。

自由の女神を見つめるボネのシーンは本当に印象的でしたね。
ルイ・マルにとっても思い入れがあったりしないのかな?と軽く調べてみたら、遺作「42丁目のワーニャ」の舞台がニューヨーク。他にもあるかもしれないけど、ちょっと観てみたいです。

あと「ルシアン」が先だったというのも盲点でした。
14年の重みを考えると、戦争の残した傷の深さがうかがえます。
こんな想いを、戦争を経験した多くの人が抱えているんでしょうね…。
素晴らしい作品でした。
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宵乃さん、こんにちは (十瑠)
2015-09-10 19:02:46
アントワーヌが初めて登場したのがトリュフォーの自伝的作品と言われている「大人は判ってくれない」で、年齢的にはジュリアンとほぼ同じなんですが、全然戦争の影がないんですよね。
確かに作品のテーマとしては戦時中でなくてもいいから、作られた時代に合わせたという事なんでしょう。

「ルシアン」の3年後にアメリカに渡り「プリティ・ベビー」とか「アトランティック・シティ」を作って、87年にフランスに戻りすぐに作ったのがこの「さよなら子供たち」。
こうして年代を追ってみると、ルイ・マルの心境の変化がなんとなく分かるような気がしますね。
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