帯とけの古典文芸

和歌を中心とした日本の古典文芸の清よげな姿と心におかしきところを紐解く。深い心があれば自ずからとける。

帯とけの枕草子(拾遺十五)墨は

2012-02-24 01:01:43 | 古典

  



                               帯とけの枕草子(拾遺十五)墨は



 言の戯れを知らず「言の心」を心得ないで、この時代の人々と全く異なった言語感で読んでいたのは、枕草子の文の「清げな姿」のみ。「心におかしきところ」を紐解きましょう。帯はおのずから解ける。



 清少納言枕草子(拾遺十五)すみは


 文の清げな姿

 墨は、丸(円柱形)である。


 原文

 すみは、まろなる。


 心におかしきところ

 す身は、間漏成る。


 言の戯れと言の心

 「す…洲…女…おんな」「まろなる…(練り墨は)円柱形である…ふっくら成る…緩やかに成る…ま漏成る…ま露成る」「ま…間…おんな」「ろ…露…雨露…おとこ雨に濡れて…漏…自らの煩悩に濡れて」「なる…なり…である…成る…情態が変化する…感の極みに成る」。



 おとこは、疾く(早く)成り果てる。


 
伝授 清原のおうな

 聞書 かき人知らず (2015・10月、改定しました)


 原文は、岩波書店 新 日本古典文学大系 枕草子による。