老いの備忘録です。

老いの日々を適当に綴っていきます。

見えないものが見える

2023年12月03日 | ペットたち



人は肉体的に
あるいは
精神的に、苦しんで死んでゆくという

このことは避けられない事実です

でもその時を
静かに穏やかに
苦しまずに逝きたいと誰でも願っている

別れが来ることを自覚した人は
黄泉の国に旅立つ備えとして

この世から
少しずつ自分を切り離し
孤独になる
一気にすべてを失うのは辛すぎるからです

仕事を忘れ、友人を忘れ
ついには
家族までも忘れてしまうのです


その昔のことです
息をするのも辛そうな母に
苦しいのと?
妹が訊ねたことがあった

母は遠くを見つめながら

おかあちゃんが見えるからと
静かに目を閉じた

もちろん母の母親の、おかあちゃんは
遠い昔に亡くなっている
いにしえの人です

見えないものが見える不思議さが
いま起きていたのです

すでに亡くなっている大事な人が
母に見え
手を添えているのです


友人や家族に見守られながら
三途の川を渡る幸せと
昔から言われていたが

本当は違うと
私たち兄弟は実際に体験した母との別れです

それは 『 幸福な死 』 という

命の花を散らす旅立ちだったのです (-_-;)






 ” なすべき仕事 まだ一つあり
     そは安らえ
       死ぬことと のたまいし母 ”