6月21日(水) 兵庫県立芸術文化センター小ホールでフェリックス・クリーザー ホルン・リサイタル
曲目は―
シューマン◆アダージョとアレグロ
リヒャルト・シュトラウス◆アンダンテ ハ長調 遺作
シューベルト(K.マハラ編) 「鱒」、「菩提樹」
ベートーヴェン◆ホルン・ソナタ
グリエール◆11の小品集 作品35より「ホルンとピアノのための小品」
第6曲〈ロマンス〉、第7曲〈悲しきワルツ〉、第10曲〈夜想曲〉、第11曲〈間奏曲〉
ラインベルガー◆ホルン・ソナタ
アンコールでー
サン=サーンス◆ロマンス
ピアノ:津田裕也さん
プロのオーケストラだったら、そんなことはないのだけれど、アマチュア、特に学生オーケストラでホルンが残念なレベルって時々あります。
ホルンがうまいと、演奏全体が引き立つって思ってしまうほど、私はホルンの音が好きです。
ホルン奏者のフェリックス・クリーザーさんは1991年ドイツ生まれ、4歳の時「ホルンを吹きたい」と宣言したホルンの申し子のような青年です。
17歳でハノーファー芸術大学に入学。2013年に初CDをリリース。様々なメディアで激賞されたそうです。
その技量はプロのオーケストラのホルン奏者も絶賛するほど。
私が演奏会に出向いた21日、アクシデントがありました。
前日東京での公演を終え、この日兵庫に移動する新幹線が大雨のため、静岡でストップしてしまったのです。在来線で熱海までもどりタクシーで羽田へ。
新幹線の不通で飛行機も混乱していたようですが、なんとか伊丹まで飛び、またタクシーでホールまで移動です。タクシーの運転手さんの報告では渋滞がないので、安全運転で急いで^^向かいますとのこと。
「30分ほど遅れますが開演できます。あと少しお待ちください」と、
ホールの方がユーモアを交えてアナウンスしてくれました。
サポートの方がいるとは思うのですが、生まれつき両腕が肩からないクリーザーさんは、楽器や衣装などを抱え、どれだけ大変な思いをしたことでしょう。
そう、クリーザーさんは「足でホルンを吹く男」なのです。
左足の指でバルブを押さえ、楽譜をめくります。
ホルンは右手をラッパの中に入れ、微妙に音に変化を加えるのですが、クリーザーさんの右足は身体を支えなければなりません。
右手の役割は息の仕方、空気の吹き込み方、歯の位置、口腔のふくらませ方などで調整しているのだそうです。
リサイタルは休憩も含め、少しも端折ることなく見事な演奏で終わりました。
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