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★薬でがんに放射線届ける 副作用軽く、治療受けやすい

2011年08月01日 | 健康情報
放射性物質を組み込んだ薬剤を飲んだり注射したりするがんの治療法

(RI内用療法)が広がっている。体のなかで散らばったがんに薬が集まり、

放射線を浴びせる。副作用も軽い。放射性物質を扱うため生活上の注意は

必要だが、基準が整ったことも普及の追い風になった。

◆リンパ腫に効果

RI(ラジオアイソトープ=放射性同位元素)内用療法の薬剤
「イブリツモマブチウキセタン」(商品名ゼヴァリン)

悪性リンパ腫の原因となる細胞の表面には特定のたんぱく質(抗原)がある。

それを標的にくっつくたんぱく質(抗体)にRI「イットリウム90」を結合

させた薬。これで原因の細胞にだけRIを運び、放射線を浴びせて破壊する。

よく使われる抗体医薬の「リツキシマブ」(商品名リツキサン)も同じような

仕組みだが、抗がん剤と併用するのが標準的な治療。

ゼヴァリンは抗がん剤を使わないため副作用が少なく、リツキサンでは効かない

がんにも効果がある。ゼヴァリンの投与は静脈に注射するだけ。

バイエル薬品によると、ゼヴァリンは1月20日現在、国内77施設で594人に

使われている。辰巳陽一近畿大准教授(血液内科)は「脱毛や吐き気などの

副作用がなく、1回の治療で済む。いま対象となっている病気以外にも使える

のではないか」と期待する。

治療で白血球や血小板が減ることがあるため、定期的な血液検査が必要。

ほかに「塩化ストロンチウム」(商品名メタストロン注)もある。

前立腺がんや乳がんなどが骨に転移したときに起きる痛みの緩和に効果が

ある。放射線を出すストロンチウム89を使う。骨の成分のカルシウムに似て

いるため、骨に運ばれて転移したがんの部位に長くとどまって放射線を

あてる。

◆新薬の出現期待

RI内用療法が有効なのは、病巣が散らばっていたり、画像診断で見つけにくい

小さな転移があったりして、手術や放射線の外部照射では治療しきれない

ケース。「外から薬を入れれば自然に病巣にだけ集まって治療してくれる」と

近畿大の細野眞教授(放射線医学)。病巣がなくなっても、がん細胞を根絶する

ための「地固め療法」や、抗がん剤治療や手術と組み合わせる方法も有望。

ゼヴァリンやメタストロン注の放射線は透過力が弱いので患者の体の外には

ほとんど出ない。とはいえ、血液や尿中には放射性物質が含まれている。

周囲の不必要な被曝を避ける必要がある。このため、患者は

▽乳幼児や妊婦との接触はできるだけ避ける
▽衣類は別に洗濯する
▽トイレは2回流す

など投与後3日間は生活上の注意を守る必要がある。


(2011年7月21日 朝日新聞)


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