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舌の衰えで肺炎

2012年02月29日 | 健康情報
◆年をとると舌が不器用になり死を招くこともある!

食べ物や飲み物が気管に入り、むせたり咳き込んでしまう「誤嚥(ごえん)」という
 
現象。実は、この誤嚥こそ、年をとって舌が不器用になった証です。

加齢により舌の機能は低下。舌が上あごを押し上げる力「舌圧」を年齢別平均値で
 
見てみると80代では20代の半分以下です。

こうなると、物を飲み込む時にうまく気管にふたができず、気管に入れてしまう

「誤嚥」が頻発。それが積もり積もると死に至る病を発症する可能性もあります。
 
その病こそ… 誤嚥性肺炎です。

●誤嚥性肺炎とは…

飲み込む機能が衰え、食べ物や飲み物が雑菌と共に気管に流れ込んだ結果、

肺が炎症を起こし、最悪の場合、死に至る病。
 
日本人の死亡原因第4位の肺炎のほとんどが誤嚥性肺炎によるものといわれ、
 
年間10万人以上の人がこの病で亡くなっているといわれています。

知らず知らずのうちに落ちているという舌の機能。
 
その衰えが最初に現れやすいのが…滑らかに喋る動作「滑舌」です。
 
舌の機能が衰え、不器用になると正確な動きが難しくなり、滑舌が悪くなってくる
 
のです。

舌は筋肉でできており、使わないと衰えてしまいます。
 
そのため、やわらかい食べ物ばかり食べていると、舌は衰えやすくなります。

かたい食べ物は、何度も噛む必要があるため、舌の運動量も多くなります。
 
同じ肉でもハンバーグはやわらかく、ステーキは噛みごたえのある食品です。
 
食べにくいせいであまり食べなくなることや、あまり喋らないことも舌が衰える
 
原因になります。

●舌の衰えを防ぐには?

舌も筋肉ですので、使えば機能は回復します。普通に食べられる人は、かたい物を
 
食べることで舌の機能が上がります。ただ、病気等で食べる機能が低下している人
 
が、かたい物を無理に食べるのは危険。まずは安全な方法で舌のトレーニングを
 
行うのが良いでしょう。
 
 
(2012年2月28日 みんなの家庭の医学)
 
 

慢性腎臓病「腎臓健康度チェック」

2012年02月28日 | 健康情報
●腎臓の働きと慢性腎臓病

腎臓は体の背中側の腰の上部に左右1つずつある臓器です。
 
血液中の老廃物や余分な水分を尿として排出する働きをしています。
 
また、血液中の水分とミネラルのバランスを保ったり、血圧を調節したり
 
ホルモンを分泌したりする働きなどもあります。
 
腎臓が慢性的に障害されていたり、腎機能が慢性的に低下していたりする
 
状態を総称して慢性腎臓病と言います。慢性腎炎などの病気が原因のことも
 
ありますが、最近は生活習慣病が原因になることが増えています。

慢性腎臓病を放置すると、最終的に腎不全に至る場合があります。
 
これを防ぐためにはなるべく早い段階で発見し、治療を始めることが大切です。

●早期発見のために

慢性腎臓病は、重度になるまで自覚症状はほとんどありません。そのため、
 
早期発見のためには、尿たんぱく検査と血清クレアチニン検査を定期的に受ける
 
ことが大切です。慢性腎臓病が起こると血液中のたんぱくが尿中に漏れ出し、
 
たんぱく尿が出るようになります。また、腎機能が低下すると血液中の老廃物の
 
ひとつであるクレアチニンの血中濃度が高くなります。
 
この値などから、腎機能の指標となる糸球体ろ過量を算出することができます。
 
これらの異常のどちらか、あるいは両方があり、3か月以上続く場合には
 
慢性腎臓病と診断されます。

慢性腎臓病の有無、またその重症度の判定には、両方の検査を受けることが
 
必要です。一方の異常が軽度でも、重症度が高いと診断されることもあります。

●特に注意が必要な人

慢性腎臓病が起こりやすいのは、高血圧・糖尿病・メタボリックシンドローム・
 
脂質異常症などの生活習慣病や肥満などがある人、喫煙習慣のある人、
 
慢性腎臓病を発症した家族がいる人などです。
 
これらのどれか1つでも当てはまればリスクが高いと考えられます。
 
予防のためには、適切な治療で血圧や血糖値をコントロールしたり、生活習慣を
 
改善したりすることが大切です。

慢性腎臓病を放置すると、進行して腎不全に至るだけでなく、心筋梗塞や脳卒中
 
などの心臓や血管の病気が起こりやすくなります。
 
現状、腎臓に異常がない場合でも、年に1回は検査を受けるようにしましょう。

 
(2012年2月27日 NHKきょうの健康)
 
 

身近に起きる一酸化炭素中毒

2012年02月27日 | 健康情報
一酸化炭素中毒になる患者は推計で年間6万人といわれています。

一酸化炭素中毒の初期症状はインフルエンザ・風邪・酒酔いに似ていますが、
 
放置すると強い眠気に襲われ、知らぬ間に意識を失って、死に至ることもある
 
といいます。

一酸化炭素中毒は、「炭や練炭、あるいは故障した暖房器具などを使用した時
 
だけに限らず、屋内で火を使ったらどんな状況でも発生しうる」ということを
 
念頭に、その対策としての換気が重要になります。

一酸化炭素を40~50分間吸い続けると失神・けいれんの症状が起きると
 
いわれますが、換気を十分にすれば不完全燃焼は起きません。

なお、一酸化炭素中毒になると「手の震え」「失禁」などの後遺症が、早ければ

数日で、遅ければ1~2か月経ってから出る場合があり、特に妊婦は赤ちゃん
 
への影響が懸念され、ガス機器は夏場でも使いますので注意が必要です。

杏林大学高度救命救急センター教授の山口芳裕さんは
 
「閉鎖空間での火気のある屋内の頭痛やめまいは一酸化中毒の兆候なので
 
危険、市販されているガス機器は換気が前提になっており、30分~1時間程度
 
の窓の開け閉めは必要なので、換気を行い、新鮮な空気を15分吸っても
 
症状が改善しない場合には病院に行ったほうが良い」と話しています。
 
*放送では暖房をつけた状態で、夕食の用意で台所の火を使っていて
 40分後に気分が悪くなりそのまま眠ってしまうという設定でした。
 その間、換気をしていません。
 
(2012年2月27日 NHKあさイチ)
 
 

認知症患者に朗報 漢方薬(抑肝散)で改善

2012年02月24日 | 健康情報
【認知症の症状】
・中核症状:記憶障害、思考や判断力の低下など
・周辺症状:妄想、寝ぼけ、幻覚、徘徊、興奮など

周辺症状の徘徊や暴力は脳内のグルタミン酸が増加することで起こりますが、
 
「抑肝散(よくかんさん)」がグルタミン酸を正常化します。

アルツハイマー型認知症患者は、中核症状用の薬と周辺症状用の抗精神病薬を
 
使用しますが、漢方薬を加えることで、周辺症状が改善したり、副作用の軽減・
 
消失が望めるといいます。

「抑肝散」は認知症以外にも、神経症・不眠症・統合失調症・むずむず脚症候群
 
などの疾患に、全国の病院で使われ始めており、高知県宿毛市にある
 
聖ケ丘病院で治療にあたる島根大学医学部の堀口淳教授は「抑肝散」は
 
衝動性に効き、認知症の周辺症状である異常にこう進している症状を鎮めて
 
くれると話しています。
 
*抑肝散は、子どもの夜泣きなどにも使われている漢方薬です。
 
 
(2012年2月24日 NHKあさイチ)
 
 
 

仕事や勉強には朝ご飯が大事

2012年02月23日 | 健康情報
朝ご飯を毎日食べる人は仕事や勉強ができる-。
 
東北大学加齢医学研究所が行った調査で、朝ご飯は仕事や勉強をするうえで
 
好ましい効果があることが分かった。

調査は昨年11月18~20日、インターネットを通じて実施。

全国の15~69歳の男女1100人から回答を得た。

それによると、最終学歴となる学校が第1志望かどうかを聞くと、54.2%が

第1志望としており、その80.0%が「平日は毎日、朝ご飯を食べる」と回答。

ビジネスマンの現在の役職と朝食の習慣を調べたところ、「経営者・役員クラス」

の75.5%が朝ご飯を食べていた。

日々の生活についてどう感じているか聞いたところ、毎日朝ご飯を食べる人は、

幸福度=67.5%▽ゆとり度=59.0%▽生活満足度=65.9%-で、

食べない人より、幸福度=7.7ポイント▽ゆとり度=6.6ポイント▽生活満足度=

7.1ポイント-それぞれ高かった。

毎日食べる人は、「家族で過ごす時間を大切にする」が65.6%(非毎日は

49.1%)、「できるだけ話をする時間や機会を持つ」は60.9%(同50.5%)、

「一緒に旅行などに出掛ける」は55.2%(同41.9%)と回答。

朝食は家族の絆を強める効果もあるようだ。

担当した川島隆太教授は「朝ご飯の習慣を持つことは生活の質をより良く保つ

ため、幸せに暮らすために必須」と強調している。

 

(2012年2月22日 サンケイ新聞)

 

コレステロール「重病まねく動脈硬化」

2012年02月22日 | 健康情報
●動脈硬化をほうっておくと...

日本人の死亡原因の多くを占める心筋梗塞や脳梗塞は、動脈硬化から起こる
 
病気です。たとえば心臓では、心臓の筋肉(心筋)に血液を供給する冠動脈に
 
動脈硬化が起こると、血流が悪くなります。そのために心筋が一時的に血流不足
 
に陥るのが狭心症で、激しく動いたときなどに胸痛などの症状が現われます。
 
さらに動脈硬化が進行して冠動脈が血栓によって完全に詰まり、血流が止まって
 
しまうと、心筋が壊死して命に関わることがあります。これが心筋梗塞です。
 
同様のことが脳の血管で生じると脳梗塞が起こります。

●動脈硬化の危険因子

脂質異常症は、動脈硬化を進行させる主要な危険因子の1つです。
 
そのほかにも高血圧、糖尿病、喫煙、男性では45歳以上、女性では55歳以上
 
であることも危険因子で、これらが重なれば重なるほど動脈硬化が進行しやすく
 
なります。高血圧では、血流が血管壁に与える圧力が高い状態が続くため、
 
血管壁が傷つき、動脈硬化が進行します。糖尿病では、血液中の糖が多い
 
状態が続くため、小さなLDLコレステロールが増えたり、血管壁が傷ついたり
 
して動脈硬化が進行します。また、たばこの煙に含まれるニコチンが血管壁を
 
傷つけたり、LDLを酸化しやすくするため、喫煙者は非喫煙者に比べ、心筋梗塞
 
を発症する危険性が2~4倍になるといわれています。

●危険因子を減らすことが大切

前述した危険因子をすべてもっている60代男性(収縮期血圧150mmHg・
 
総コレステロール値250mg/dl・糖尿病あり・喫煙習慣あり)の場合、
 
10年の間に心筋梗塞などで死亡する確率は10%以上にもなります。
 
反対に、危険因子の数が減れば、それにつれて死亡率が下がります。
 
例えば、まず禁煙をすることで、それまで10%以上だった確率が5~10%に
 
下がります。さらに、高血圧を改善し、120mmHg未満にコントロールすると、
 
2~5%に低下します。加えて総コレステロール値を200mg/dl未満に下げれば
 
1~2%に、さらにもし糖尿病がなければ0.5~1%にまで下がります。
 
このように、動脈硬化の危険因子を減らせば減らすほど、狭心症や心筋梗塞を
 
発症するリスクが低下します。
 
1つでも多く危険因子を減らす努力を怠らないことが大切です。

 
(2012年2月21日 NHKきょうの健康)
 
 
 

パーキンソン病の症状改善に太極拳が有効、米研究

2012年02月21日 | 健康情報
パーキンソン病の症状改善に太極拳が効果的だという研究論文が8日、
 
米医学誌「ニューイングランド医学ジャーナル」に発表された。

オレゴン研究所のチームは、米オレゴン州の4都市でパーキンソン病患者
 
195人を対象とした無作為研究を行った。
 
被験者は太極拳、筋トレ、ストレッチを行う3つのグループに分けられ、
 
それぞれ該当する運動を週2回60分、6か月間行った。

その結果、バランステストと歩行時の歩幅において、太極拳のグループは
 
他の運動グループを上回った。転倒の回数についても、太極拳グループは
 
ストレッチのグループより少なかった。筋トレのグループと太極拳グループの
 
転倒回数は、ほぼ同じだった。

「この結果は臨床的に極めて重要だ。現在の理学療法に太極拳を加える
 
ことで、パーキンソン病の主要な症状のいくつかに対処できる可能性が
 
示されたからだ」と、論文主筆者の李甫中氏は指摘する。
 
特にバランスや歩幅で向上がみられたことは、こうした身体機能の衰えを伴う
 
患者のリハビリに、太極拳を基本とした動作を取り入れることの有効性を
 
示していると、李氏は言う。

太極拳は、緩やかで柔らかな動作を連続して行う中国武術を基とした健康法
 
で、深い呼吸とリラックスを伴う。儒教や仏教に由来する陰陽思想を根底
 
とし、人間の健康も陰陽の調和によってもたらされると考える。陰陽の均衡が
 
崩れると体調を崩すが、太極拳でこの不均衡を整えることで健康を保てると
 
いう。

パーキンソン病は、運動機能に関連した脳内物質が減少する進行性の病気
 
で、手足のふるえや筋肉のこわばり、バランス感覚の欠如などの症状を伴う。
 
50歳以上で発症することが多いが、若いときに発症する例もある。
 
(2012年2月16日 AFP)
 
 

皮脂欠乏症 潤う環境 入浴・食生活で作ろう

2012年02月20日 | 健康情報
寒くなると、「皮膚のカサカサが気になる」「乾燥して手足がかゆい」と訴える人は
 
多い。これは中高年によく見られる「皮脂欠乏症(乾皮症)」で、皮膚の脂が減少
 
し、角質がはがれ落ちたり、ひび割れたりしてかゆみを伴う。
 
放っておくとかゆみが強くなり、かき壊して湿疹化しかねない。皮膚に白い粉が
 
噴いたり、魚のうろこ状に角質がはがれたりしたら、早めの対策が必要だ。

皮膚は通常、角質細胞と角質細胞のすき間を埋めている「角質細胞間脂質」、

水分をつかまえて離さない「天然保湿因子」、皮膚の表面を覆っている「皮脂膜」

の三つの物質で、潤いが保たれている。

症状が出るのは50代からが多く、男性より女性のほうが早くに生じやすい。

「大気が乾燥している冬場は、発汗量が少ないお年寄りほど身体の内側から

十分な水分補給がなされず、皮脂欠乏症になりやすくなります」と東京女子

医科大皮膚科の川島眞教授。

入浴は皮膚の代謝を上げる効果があるが、せっけんやナイロンタオルで身体を

ゴシゴシ洗ったり、熱いお湯に長時間つかったりすることは避ける

暖房の利いた部屋では加湿器などを使って湿度を十分に保つ

寒いからといって電気毛布で全身を覆って寝ないようにする

ことなどがポイントだ。

偏った食生活も皮膚に乾燥をもたらす。症状に合わせて漢方医療を採り入れ

ている和(なごむ)皮ふ科クリニック(東京都武蔵野市)の間山真美子院長は

「皮膚の栄養となる血が不足した状態です。カキ(貝)やゴマなどビタミン、

ミネラル、たんぱく質を多く含む食材を意識的に取るようにし、無理なダイエット

や朝食抜きの生活は改めましょう」とアドバイスする。

(2012年2月16日 朝日新聞)

 
 

糖化予防カモミール 食べる順番

2012年02月17日 | 健康情報
●あらゆる病気を引き起こす「糖化」とは

肌のシミやしわ、白内障、骨粗しょう症、更には命に関わる心筋梗塞や、
 
アルツハイマー病など、様々な病気の原因として注目されている「糖化」。
 
食べ物に含まれる「糖」が体内に多い状況が続くと、この糖が体中のたんぱく質
 
と結びついてしまい、たんぱく質が硬くもろくなります。それにより、様々な
 
病気が引き起こされるのです。糖化研究の第一人者 久留米大学医学部の
 
山岸昌一教授によると、「糖化は人間が生きていく上で避けることのできない
 
現象」と言えるため、誰もが糖化による病気の危険性を抱えているといいます。

●糖化予防対策 食べる順番を変える!

「糖化」は、一度進むと改善させることは非常に難しいと言われています。
 
対策は、なにより糖化を進める「高血糖の状況を長引かせない」ように予防する
 
こと。糖化の予防方法を研究する同志社大学では、グレープフルーツに注目し、
 
実験を行いました。グレープフルーツと食パンを食べる順番を入れ替えて、
 
食後の血糖値の変化を比較すると、グレープフルーツを先に食べた場合は、
 
食後血糖値がおよそ半分しか上がりませんでした。グレープフルーツに含まれる
 
食物繊維が、糖の吸収をゆるやかにし、血糖値の上昇を抑えてくれたと考えられ
 
ています。こうしたグレープフルーツやかんきつ類、葉物野菜などの比較的
 
血糖値が上がりにくい食材を、食事の際、先に食べると血糖値の上昇を抑えて
 
くれます。

●糖化予防に期待大!カモミール

お茶や入浴剤として使われるハーブのひとつ「カモミール」。
 
同志社大学の研究で、カモミールに含まれる「カマメロサイド」という物質に、
 
糖化の一部を予防する効果があることが分かりました。
 
日本有数のカモミール産地、長野県池田町を訪ねると、生産者の男性は
 
60代にして健康そのもの!健康診断では、ほぼ全ての項目が正常の範囲内
 
で、周りを驚かせたといいます。

カモミールに似た効果は、緑茶に含まれるカテキンや、ドクダミでも発見されて
 
います。これらを組み合わせて摂取することで、糖化を予防できるのではないか
 
と期待されています。

 
(2012年2月15日放送 NHKゆうどきネットワーク)
 
 
 

つらい疲れが続く 慢性疲労症候群

2012年02月16日 | 健康情報
もしかして!?慢性疲労症候群

●慢性疲労症候群とは?

慢性疲労症候群の疲労は、休息をとって頑張れば何とかなるものではなく、
 
全身が鉛のように重く、座っているだけでも強烈な疲労を感じたりするなど、
 
日常生活に破たんをきたすほどの激しい疲労を感じる病気です。
 
1980年代にアメリカで報告された病気で、20~50歳代の働き盛りの世代に
 
多く、約2対1の割合で女性に多いとされています。

疲労のほかにも微熱や頭痛、のどの痛み、筋力低下、筋肉痛、関節痛、
 
睡眠障害、思考・集中力低下、首のリンパ節の腫れなどさまざまな症状が
 
現れます。

疲労感や思考・集中力の低下などはうつ病にもみられる症状のため、
 
診断が難しい病気です。

●感染症やストレスが関係

日本では慢性疲労症候群の約3割が、インフルエンザウイルスやヘルペスウイ
 
ルスなどのウイルス感染をきっかけに発症しています。
 
感染後に発症した患者さんについては、海外では筋痛性脳脊髄炎(ME)と
 
診断して治療が行われていますが、日本では感染後慢性疲労症候群と診断
 
されています。

また、過重労働、人間関係、建材や騒音などの生活環境ストレスが発症に関係
 
していることもあります。こうしたストレスが続くと免疫の働きが低下し、体内に
 
潜んでふだんは活動が抑えられているウイルスの再活性化が起こります。
 
そのため、体内では免疫物質が異常に作り出され、これが脳に悪影響を与え
 
たり、神経・内分泌・免疫の働きのバランスを崩したりします。
 
その結果として脳の機能に異変が起こり、激しい疲労やさまざまな症状が引き
 
起こされます。

●診断と治療

内科や心療内科、精神科を受診しても疲労の原因になる病気が見つから
 
なかった場合は、慢性疲労症候群の可能性があります。
 
一般的な血液検査や尿検査などでは判定できないため、総合診療科や慢性
 
疲労症候群の専門外来を受診するとよいでしょう。
 
確定診断のために、まず問診で疲労感・微熱などの10項目の症状と期間を
 
チェックします。5項目以上が6か月以上続いているときは、自律神経の機能、
 
睡眠リズム、血液中の活性酸素などを調べる検査が行われます。

慢性疲労症候群の治療では、免疫の働きや抗酸化力を上げ、脳の機能の
 
改善を目指します。漢方薬の補中益気湯(ほちゅうえっきとう)を服用し、
 
ビタミンCを多く摂ります。SSRI(選択的セロトニン再取り込み阻害薬)が使わ
 
れることもあります。規則正しい生活や十分な睡眠も大切です。

慢性疲労症候群は、専門医の医師が少なく診断が難しい病気です。
 
医療関係者の間でもこの病気があまり理解されていないのが現状です。
 
患者さんのなかにはいくつもの病院を回って、ようやく「慢性疲労症候群」の
 
診断を受ける場合があります。

現在のところ、慢性疲労症候群は一度かかると治すのが難しい病気であり、
 
なかには"怠けているだけ"と思われて孤立し、病状が悪化している場合も
 
ありますので、家族や周囲の人の理解が非常に大切です。
 
1年中寝たきりの状態で介護が必要な方もおられる程です。
 
この病気の社会的な理解が求められています。

(2012年2月15日放送 NHKきょうの健康)