中性脂肪抑制・血糖値上昇抑制・紫外線から肌を守る作用など、昆布に含まれる
成分の健康効果が最新研究で明らかになってきています。
薬膳の考え方では、昆布には「利水」といって、体の水分バランスを調えてくれる
働きがあります。たとえば足がむくんでいるのに顔の肌がカサカサ、などの水分
バランスが崩れた状態を、昆布を食べていくことによって改善し、足もスッキリ、
肌も保水効果が望めるといいます。
昆布と脂肪を一緒に食べると腸の中で昆布ののねばねば成分、アルギン酸が
脂肪分とくっつきます。そして一緒に便になって出て行きます。
結果、体に吸収される脂肪分が少なくなり、ダイエットにつながります。
●超簡単!レシピ無限大
◎万能昆布水
なるべく細く刻んだ昆布10グラムに、水1リットルを注いで、冷蔵庫で3時間以上
おいたもの。通常のだしをとるための昆布の半分程度の量ですみ、昆布水を使い
切っても同じ昆布でもう一度水を替えて使える、冷蔵庫で2週間ほどもち、雑味や
粘りが少なくうまみがよく出るという方法です。
昆布が硬い場合は霧吹きをしてしばらく置くと切り易くなります。
この昆布水を、水を使ういろんな料理で水代わりに使うことで、料理の味がワン
ランクアップします。お勧めは、蒸し野菜の蒸し水、冷凍の魚介類の解凍に使う、
カレーやシチュー、ビシソワーズなどのスープ類など。
向かない物としては、うまみがもともと濃いもの。
コンソメを使う物は、コンソメ代わりに使ってみてもOK。
◎昆布水に使う昆布
使うのはだし用の昆布。産地では利尻昆布・羅臼昆布・真昆布・日高昆布など。
長昆布や竿前昆布などの食べる昆布は向きません。
だし用昆布を、1~2ミリ程度の幅に細く刻んで、水だしにします。
あらかじめ2グラム程度(約4~5センチ四方)に切って保存しておき、昆布水を
作る時に使う分だけ細く切れば楽です。
刻み昆布として売っているものもありますが、食用昆布を刻んだものや、酢を
使った昆布を刻んだものがあり、それらは昆布水には使えませんのでご注意を。
◎すぐ使いたい!3時間待てない!そんな時のウラ技
日持ちはしませんが、ちょっとした工夫をしたお湯出し法で昆布水と同じものが
できます。90度以上のお湯を、刻み昆布に注いで5分。
200ミリリットルのお湯に昆布2グラムが目安。この方法だと雑味や粘りは出ま
せん。ただし、お湯で出すと日持ちはしないので2日以内に使い切って下さい。
◎昆布のオリーブだれ
昆布水を使って残った出し殻の昆布にも、うまみは残っています。
これに、オリーブオイルをひたるぐらい加えてよく混ぜ、冷蔵庫で一晩おけば、
昆布のオリーブだれに。好みで、出し殻の昆布をざっくり刻んでもOK。
冷蔵庫で3週間程度もち、つぎ足しても大丈夫です。これは油を使うさまざまな
料理の油の代わりに使えます。例えば、チャーハンやカレーの具などを炒める
のに使う、卵料理に加える(お好みの量で:目安としては卵2コに大さじ1程度)、
サラダにかける、パスタにからめるなど。
◎昆布酢
酢にだし昆布をつけただけですが、酢がツンとせずまろやかになって、何にでも
使える万能調味料に変身。酢の物に普通の酢の代わりに使うと味わい深くなり、
ゆで卵にかける、肉料理・魚料理にかけると臭みが取れて食べやすくなります。
うずらの卵やきゅうりなどを漬けてピクルスに、さらにくずきりの黒蜜などにも
よく合います。カレーの仕上げに好みの量を加えることで、味がまろやかになり
食が進みます。
【昆布酢】
・酢(米酢などお好みで)・・・約400ミリリットル
・昆布・・・10グラム
◎飛脚玉
携帯用みそ汁。みそに、刻んだねぎやしそを加えてまぜ、直径3センチほどの玉
にします。それをとろろ昆布で包んだもの。カップに入れてお湯を注いでかき混ぜ
ればおみそ汁に。同様に、梅干しの果肉をとろろ昆布でくるんだ物は、お湯で
溶かすとお吸い物になります。行楽やお出かけのお供に、時間が無い時にお勧め
です。
【昆布の成分】
・EPA
・アルギン酸
・ミネラル(マグネシウム、鉄、ヨウ素、セレン・・・)
・フコイダン
・フコキサンチン
注意:甲状腺に疾患がある方などは、昆布にヨウ素が多く含まれているため、
昆布の摂取が制限、もしくは禁止されていることがあります。そういった方は、
昆布の摂取について医師とご相談ください。
また、健康な方も、いくら昆布が体によいからと言って、極端に多くの昆布を
食べ続けることはお勧めできません。バランスよく食事に取り入れてください。
(2012年7月23日 あさイチ)
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