狐の日記帳

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『ガールズ空手 セブンティーン』/蓮見恭子

2020年06月17日 21時54分48秒 | 小説・本に関する日記
 昨日の夜は、蓮見恭子の小説 『ガールズ空手 セブンティーン』を読んでいました。

 此友学園の空手道部は高校の空手部では名門。
 主将の結城はインターハイで優勝している。

 ある日、空手道部の選抜出場を応援する校内のポスターが何者かによって破られた。
 結城は気にしなかったが、犯行を目撃した生徒は犯人は結城だと言う。
 犯行の時間にその場にいなかった結城は身に覚えがない。
 濡れ衣を着せられた彼女はあることに気が付く……。

 空手部に所属する高校生達を描いた連作短編青春ミステリです。





 仕掛けがあるのです。
 最初の章の仕掛けはミステリファンは反則とみなすかもしれません。でも物語全体に仕掛けがあるので最初の章で読むのを止めるのはもったいないです。
 仕掛けを成立させる為にあざといと思えるようなことをしている部分もあるのですが、上手くミスリードを誘っています。
 そして仕掛けだけが目玉のお話ではないのです。

 上手い負け方が出来れば後に引きずらずに他の道が模索できたりさらに闘志を燃やしたりすることができるのだけれども、悔いを残す負け方をすればそこで引っかかって停滞してしまう……ことが多いです。
 永遠に勝ち続けることなどできないのだから負け方こそが重要なのだけれども、負けたくて勝負するわけではないので上手い負け方をするのは難しいです。17歳というお年頃ならば、なおのこと難しいです。

 他人を陥れて沈めてその人の場所を奪い取るという勝ち方は最悪の勝ち方でレベルを下げてしまう近視眼的な勝ち方なので意味がありません。大人になってもそんな手を使っている人がいるけどね。駄目。

 面白かったですよ。
 楽しめました。
 


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