皇国ノ興廃此ノ一戦ニ在リ各員一層奮励努力セヨ

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陸幕長の方が大臣の首より重い

2017年07月27日 | 日本・国士

平成29年7月27日(木)

岡部俊哉陸上幕僚長が、
日報の電子データーが部内に残存していた責任をとって辞任するという。
まことに残念である。

そこで、言っておく。

この度の事態に関して、
国家にとって、
陸幕長の首と防衛大臣の首とどちらが大切か。
 陸幕長が大切である。

この度の事態に関して、
辞任すべきは、防衛大臣である。
陸幕長は三十年以上の軍事的訓練と研鑽によって生み出されてくる。
いま、我が国に一番必要な人材は、このような軍事専門家である。
しかも、陸幕長は、
十数万の陸上自衛隊の士気を背負う重い存在である。
これに対して、今の大臣は、
安倍さんの思いつきで生み出されただけだ。
よって、鴻毛より軽い。
詳しくは書かないが、
この大臣に関する今までのことを総合して出すべき結論は、
安倍さん、もはや私情を排せよ、
今の大臣は辞めさせた方がいい、
ということだ。
以上、
安倍内閣総理大臣を、
支持するがゆえに言う。

また、この際、
防衛省、自衛隊の情報・インテリジェンスの管理に関して言っておく。
世界のどの国の軍事組織において、
部内の文書・情報をすべて公開するのが原則だとしている組織があろうか。
そんなことをすれば、戦う前に負ける。
負けるということは国家が崩壊するということだ。
それ故、
部内情報をすべて公開するのがいいとか、
公開を要求されればそれを拒否できないとか、
そのような配慮をする防衛を担う国家組織は、世界の何処にもない。
従って、
我が自衛隊にも、
情報に関して「使用後廃棄」の内規があり、
この度、日報の電子データーが、
その内規に反して残っておれば、
その内規に従って廃棄することは当たり前ではないか。

さらに、度々、田母神元空幕長が
自身の経験に照らして指摘する憂うべき状況をいえば、
新人を採用する時に、
その者の両親や兄弟姉妹や叔父や叔母のことを履歴書に記載させることは
「個人情報保護」のためできないこと、
また、その者の素行や行状や評判を聞き取り調査することもできないこと、である。
その結果、現在、防衛省や自衛隊の中に
かなり高い割合で共産党員やそのシンパの子弟が入っている。
これが、自衛隊内の情報が、
共産党や野党に流れる要因であり、
さらに憂うべきは、
中共やロシアさらに北朝鮮に流出する要因である。
よって、自衛隊内に、一定の情報に関して、
「使用後廃棄」の内規があることは当然であり、
その内規に従って残存していた情報を廃棄することが当然である。
防衛大臣は、
このことを理解した上で、自分のことばかりを気にせず、
断固として、自衛隊を守るべきであった。これが防衛大臣の職務であった。
時あたかも、九州中部の集中豪雨で、
自衛隊は、数日間不眠不休で救援活動を行っていたのだ。
彼らにとっては、
このような防衛大臣が、
化粧をして、その現場に視察に来ることが迷惑だったのではないか。

そこで、我が国政治が今なすべきことは何か、
その原稿を「泉州日々新聞」に送ったので、次に記しておきたい。
この「泉州日々新聞」は、
私の生まれ育った堺・泉州で購読されている新聞である。
従って、この原稿の最後に、
堺出身で福岡の豪雨対策本部で三日三晩不眠不休で救援活動に当たっていた
若い女性自衛官のことを記した。
彼女の家と私の家は近所で、私は、彼女を子供の時から知っている。
その彼女の姿を、
豪雨の中の災害対策本部を映す深夜のTVで見た。
さらに翌日の朝のTVでも彼女はそこにいた。
眠らずに夜を明かしたのだ。
その時、彼女の大尉(一等陸尉)の階級章も見えた。
二等兵から自衛隊に入隊した彼女が、幹部課程に入ったとは聞いていたが、
もう大尉になっているとは、と驚き嬉しかった。
あとで、彼女の母親に聞いたが、
彼女は第九施設群連絡幹部として三日間不眠不休で、風呂に入れたのは一週間後だったという。
「施設」とは昔の「工兵」のことだ。
つまり、彼女は、
橋を流されたところに橋を架け、
道路上に堆積した岩石を取り除き、
連絡の途絶えた村に進入し、
壊れた家に覆い被さった木材を取り除いて中の人を助け出す、
災害救援救命活動の中枢を担っていたのである。

・・・    ・・・・    ・・・・    ・・・・   ・・・

国際の秩序など眼中になく傍若無人に核実験とミサイル発射を続ける北朝鮮と、
その朝鮮半島の北と南の核大国のロシアと中共、
そして東のアメリカのトランプ政権の誕生、
これが 、我が国を取り巻く現在の国際状況である。
つまり、東アジアにおいて、政治的、軍事的バランスが地殻変動期に突入し、
我が国にとってまことに厳しさを増している。
 
従って、ここで自問しなければならない。
それは、我が国は、核弾頭ミサイルの脅威、具体的には、
ロシアと中共と新規参入の北朝鮮の核ミサイルからの脅威から守られているのか、
ということだ。
多くの国民の命がかかる、この切実な問題に対して、
従来からの政府答弁は、「アメリカの核の傘」があるので我が国は核の脅威から守られているというものである。
この理屈は、我が国に対して中共、ロシアそして北朝鮮が、核攻撃をすれば、
アメリから核による反撃を受けるので我が国に核攻撃はなしえない、
つまり、我が国は、「アメリカの核の傘」でおおわれているので安全だというものである。ところが、
この我が国に対する「アメリカの核の傘」が機能する状況は、
アメリカのナショナル・デーである七月四日の
北朝鮮による大陸間弾道ミサイル(ICBM)発射実験で完全に消滅したのだ。
即ちこれが、東アジアにおける政治的、軍事的バランスの「地殻変動」である。
 
しかし、我が国の政界もマスコミ界も、
このたびの北朝鮮が発射したICBMが、アメリカのアラスカやロサンジェルスに届くのかどうかだけに関心を示し、
肝心の我が国への脅威に関しては目を閉ざしている。
それどころか、この国家の重大事に目を閉ざしながら、
加計学園問題について衆議院で閉会中審査をしている。
これは文部科学省のセクショナリズムが
「国家の重大問題」と思い込んだ痴呆達が騒いでいる病的現象に過ぎない。
 
今、国会が閉会中に集中審査をすべき課題は、
緊急を要する我が国の核ミサイル防衛体制の確立と
尖閣防衛を含むシーレーン防衛に関してである。
 
そこで、現在の我が国の状況と同様のソビエトの核ミサイルの脅威にさらされたフランスのドゴール大統領と西ドイツのシュミット首相の決断を知る必要がある。
フランスのドゴール大統領は、核保有の決定をした。
アメリカのケネディー大統領は、「アメリカの核の傘」がフランスの安全を確保するのでフランスの核保有はいらないとドゴールを説得しようとした。
その時、ドゴールは、自分の息子のように若いケネディー大統領に迫った。
「ワシントンとニューヨークが核攻撃を受けても、アメリカはフランスに核の傘をかけ続けることができるのか」と。
ケネディーは顔面蒼白になって絶句したと言われている。
ここで明らかになったことは、当然のことであるが、
アメリカ大統領は自国の都市が核攻撃を受けることを承知で他国を守ることはできないということである。
ましてをや、アメリカファーストのトランプ大統領は、ということだ。
 
その十数年後の一九七七年、ソビエトはNATO(主に西ドイツ)に対して中距離核弾頭ミサイルSS20を実戦配備した。
これに対して、西ドイツのシュミット首相は、
ドゴールと同様に、「アメリカの核の傘」を前提にせずに自らを守る決断をして、
ソビエトに対して中距離核弾頭ミサイルパーシングⅡを導入して実戦配備し、
ソビエトと相互確証破壊の体制を構築し、
ソビエトにSS20を撤去させた。

以上が、かつて現在の我が国と同じ状況に直面した欧州の二人の指導者の実践である。
そして、現在の安倍総理が、
ドゴールのように、シュミットのしょうに、国家と民族のために決断すべき実践である。
 しかるに、
我が国のマスコミと、そのマスコミに踊る国会は、
馬鹿馬鹿しい加計学園の集中審理に熱中している。もはや中共の喜ぶ痴呆の発症である。
 
しかし、まことに嘆かわしいこの政治状況とは別に、
七月の九州の熊本と福岡における集中豪雨による災害のなかで、
被災地で人命救助と復旧に黙々と励む、自衛隊、警察そして消防の隊員たちと住民の姿は、我が強靱な国民精神の素晴らしさを示すものだった。
その救出活動のなかで
堺出身の若い女性自衛官の姿を認めたので本稿の最後に紹介したい。
彼女は、高校生の時に、
私が企画した信太山の陸上自衛隊第三七連隊の体験入隊に参加してきた。
私より身長が高く、しっかりした体格だったので自衛隊も受け入れてくれた。
高校を卒業した彼女は、
初志を貫徹して陸上自衛隊に入隊し、訓練と勉学に励んで将校への道に進み、
その課程でスーダンPKO部隊にも参加した。
そして、自衛隊員と結婚し一児の母となった。
赤子を連れて堺に帰った母になった彼女と会った。
それから一年、
この度の九州豪雨の深夜の災害対策本部を放映するTV画面の中に、野戦服の彼女がいた。その襟の階級章は一本の線に星三つ、すなわち大尉(一等陸尉)だった。
すごい、連隊の中核、中隊長クラスではないか。
三日三晩不眠不休だったと聞いている、
頑張ってくれ、ありがとう。嬉しかった。



西村眞悟の時事通信より。













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