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アフガニスタンから 「米兵数千人引き上げる」 トランプ氏表明
2018年12月21日
アメリカの複数メディアは20日、トランプ米政権がアフガニスタンから米兵数千人の引き上げを計画していると報じた。
報道によると、米兵約7000人が数カ月以内に帰国する可能性があると、複数の匿名政府筋が話した。約7000人は駐アフガニスタン米兵のおよそ半数。
前日の19日には、トランプ大統領が米軍のシリア撤退を発表している。
駐アフガン米兵の削減計画が報道される前には、ジム・マティス米国防長官が20日、辞意を明らかにした。
マティス将軍は辞表で、トランプ大統領と意見の相違があったと書いた。しかし、一連の米軍撤退やその計画には直接言及しなかった。
トランプ氏は大統領就任前、米軍のアフガニスタン撤退支持を繰り返し公言していた。しかしトランプ氏は昨年、反政府勢力タリバンの復活によるアフガン崩壊を防ぐため、米軍駐留を無期限で続けると表明した。
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アフガニスタンへの米軍駐留の経緯
2001年9月11日のアメリカ同時多発テロの後、米軍は同年のうちにアフガニスタン駐留を開始した。以来、アメリカ史上最長の戦争が続き、アメリカ人2300人以上が死亡している。
同時多発テロでは、過激派組織「アルカイダ」の指導者だったオサマ・ビンラディン容疑者が首謀者とされた。ビンラディン容疑者はテロ当時アフガニスタンを拠点としていたが、アフガニスタンを支配していたタリバンは引渡しを拒否。当時のジョージ・W・ブッシュ米大統領は、ビンラディン容疑者発見とタリバン政権打倒を目的に、軍事作戦を開始した。
米特殊部隊は最終的に2011年、ビンラディン容疑者をパキスタンで発見・殺害した。またアフガニスタン国内の反政府勢力に対するアメリカ主導の掃討作戦は2014年に終わった。
しかしそれから数年がたち、タリバンは大きく勢いを回復し、勢力範囲も急拡大している。アフガニスタン情勢を安定させるため、米軍は駐留を続け、対策に取り組んでいた。
トランプ氏は2017年9月、アフガニスタンに追加米兵3000人を送ると発表。それまでの主張を明確に変化させた。
反応は
米紙ワシントン・ポストは、アフガニスタン撤退計画にトランプ政権内の一部高官が反対していると報じている。反対する高官には、退任が決まっているジョン・ケリー首席大統領補佐官や、ジョン・ボルトン大統領補佐官(国家安全保障問題担当)が含まれるという。
共和党のリンジー・グレアム上院議員は、米軍撤退はどんな形であっても「危険性の高い戦略」で、地域におけるアメリカの成果を覆し、「第2の9月11日」への筋道をつけるものだとツイートした。
グレアム議員はこれに先立ち、シリアからの米軍撤退にも反対を表明。シリアからの撤退を「オバマ的な大失敗」と呼んだ。
トランプ大統領はグレアム議員に反論するツイートを投稿。「兵士の生命と数十億ドルの金を守るのにリンジー・グレアムが反対するなんて本当に信じ難い。なぜ我々は敵国シリアのために戦っているんだ? シリアに駐留し、シリアやロシア、イラン、地域の他の人々のために、ISIS(過激派組織『イスラム国』の別称)を殺す理由は? 自分たちの国に注力し、この国の若者が本来いるべき母国に戻す時だ!」と書いた。
19日に発表された米軍のシリア撤退も、同盟国や対反政府勢力の有志連合参加国から批判されている。
撤退がシリアに支配勢力の空白を生み、勢いが衰えている「イスラム国」のような組織を復活させる可能性があると警告する声も上がった。
米シンクタンク、ウッドロー・ウィルソン研究所のアジア専門家、マイケル・クーゲルマン氏は、アフガニスタンにおける暴力や戦闘は「きわめて心配なレベル」にまで悪化しており、それは「タリバンによる暴力行為の激化と、アフガニスタン政府軍の弱体化」が原因だと話す。
その状況で米軍が撤退すれば、影響は「壊滅的」なものになり、「タリバンにとって戦況は極めて有利」なものになると同氏は言う。
「タリバンにとってまたとないプロパガンダ勝利になり得る。平和協定も交わさないまま、米軍を追い出したとタリバンは吹聴するかもしれない。さらにアフガン軍にとっては、心理的に大打撃となり得る。これまで非常に苦労してきたアフガン軍の士気が、一気に下がるかもしれない」
(英語記事 President Trump 'to pull thousands of troops' from Afghanistan)
https://www.bbc.com/japanese/46644120
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■ 2009年7月9日
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