蔚山級フリゲート (うるさんきゅうフリゲート、울산급 프리키트)
大韓民国のフリゲート
韓国型護衛艦(FFK)とも呼ばれる。9隻が建造された。
設計
沿岸海軍としての韓国海軍の中核をなす国産のフリゲート艦である。当初は本級の大量建造により沿海域哨戒の主力を担わせる予定であったが、当時の韓国にとっては本級の大量建造は高価であったため、東海級コルベットとその後継の浦項級コルベットの大量建造をすることになり、結局、本級は浦項級コルベットとほぼ同時期に9隻が建造されるに留まった。
北朝鮮の小型艦艇及び潜水艇を主目標とするため、艦体規模に対して充実した砲・対艦ミサイルと大型の上構、高速艇に追随できる快速、浅い海域に潜伏する潜水艇に対抗できる爆雷を装備している点が特徴となっているが、対空火器は機関砲を装備するのみであり、前期型に至っては有人砲塔である。
反面、小型の船体に対空・対水上・対潜と多種多様な兵装を搭載した結果、上部構造物が大きいトップヘビーの艦形となっており、軽量の為に上構はアルミ合金製で、また艤装に木を用いるなど、火災時の強度に問題がある。また、外洋への進出には艦体強度に不安があり、波高4.1m以上で港湾に避難する設計であったが、主に黄海方面での緊張により波高5m以上で避難する運用とされていた。しかし環太平洋合同演習に派遣するなど無理な運用を続けた結果、一部の艦は艦体に亀裂が生じ補強工事を余儀なくされており、練習艦として運用されているという。NBC防護装備は有していない。
前期型と後期型では、対空機関砲と一部の電子機器が変更され、排水量が増大している。
輸出
台湾への輸出が構想されたがこれは実現せず、代わって採用されたのがフランス海軍のラファイエット級フリゲートをベースに独自兵装を施した康定級フリゲートである。
その後、バングラデシュにウルサン級を原形としたDW 2000H型(バンガバンドゥ)を1隻輸出することに成功した。しかし、運用すると数多くの欠陥が見つかった上に、当時経営危機下にあった大宇財閥にあえて発注しリベートを受け取ったとして、バングラデシュ国内では発注時の首相までまきこむ汚職事件となった。