那須岳は記録に残っているだけでも、何度も噴火をつづけている。
天気の良い冬の日などは、遠くからでも此の白い噴気が見えたりする。茶臼岳の南西斜面、牛ヶ首の手前にも噴気口はある。だが、やはり茶臼岳の北側にある無間地獄には、多くの噴気口があって、絶え間なく白い噴気を吹き上げている。この白い煙は、毒なのだと思われる。だが登山者は事も無げに、この噴気の近くを歩いている。「殺生石」(せっしょうせき)の名勝観光地では、とにかく飛ぶ鳥さえ落す猛毒。とか謂われてきた。なのにこの無間地獄では、人が悠々と歩いている。殺生石は山に囲まれた窪地にある。つまり、ガスが澱みやすい。ところが那須岳は強風の名所だ。「毒ガス」(かな)は、たちまちにして吹き散らされる。そして登山道は、上の映像のように、噴気口の下側にある。
尚、火山ガスに関する記録では、「火山学者に聞いてみよう 」 ←に詳細な報告があります。
この辺りから、北側を見れば、裏那須岳の山々、流石山、大倉山そして三倉山などが見える。その手前の広い谷は、紅葉の名所のひとつだ。10月上旬が見頃。