岩淸水

心を潤す

方等滝

2010年09月06日 03時00分00秒 | 言葉の説明

 

方等滝【岩淸水・言葉の説明】 方等滝 

 

方等滝

ネットで調べてみた。高さが、50メートルと書いてある。

この滝は、四段になって落ちている。ところが、最上段の「滝」は、自然の滝ではない。砂防ダムである。ただし、景観を考慮して、なるべく自然に見えるよう。様々に工夫して有るそうな。そして、 で拡大して視れば、弐段目も。なんか人工の気配がする。地質・火山学には、「開析」という言葉がある。山腹を雨水が這って、沢となり。渓流となって、谷を穿つ。これが、何万年も継続すると、谷はより深くなる。そして、ついには山容を変えるほどになる。

男体山は、出来てから 1万年ほどの、新しい火山なのだそうな。そして、お隣の女峰山は、古女房どころか。もう、30万年以上も経っている、トンデモな。おばあちゃんの山なのだ。下の絵でも判る。山体は開析作用で、深い谷ばかり。もう、元の火山が出来た。その頃の、面影は。何処にもない。だが、此の峨々とした姿が、大いに魅力でもある。

女峰山【岩淸水・言葉の説明】 女峰山

この方等滝も、自然に任せたままでは、どんどんその姿を変えてゆく。

押し流された土石は、ある場所ではダム状になる。それが、大雨などで増水すれば、決壊することとなる。これで、谷から出た平場には、扇状に土砂がたまり。農耕だとか住居に適した土地になる。しかし、50年とか、100年に一度は、またしても自然のダムが壊れて、農地とか家を押し流してしまう。それで、男体山では、山体の崩壊を防ぐ。そうした工事を進めてきた。それから、大谷川は大きな氾濫を起こしていないようだ。

 

日本全国で治山が進み、氾濫災害は少なくなった。

でも、良くない影響も出てきている。上流から押し流される。滓や砂泥には、多くのミネラルを含んでいる。それが、ダム底などに沈殿して、海まで届かなくなる。これが、海が枯れる。磯焼けの原因のひとつだと謂われている。

 

砂防ダムと云うか、大岩小岩がゴロゴロと、転がり落ちる。自然のままに任せれば、渓流は土砂などで埋まり、あちこち好き勝手に、流路を変えてしまう。田畑は埋まり、住宅地にも大水が押し寄せる。こうなるのを防ぐのが、砂防堰堤なのだろう。

ところが、方等の滝は景勝の地。いろは坂の中程にある。明智平からも良く見える。ならば、無骨なままの。コンクリートの打ちっぱなしでは、拙かろう。

それで、下の写真のように、亀の子模様の、配慮を施した。

 

国登録有形文化財 方等上流砂防堰堤

 大薙(男体山中腹の崩壊地)
「方等上流砂防堰堤」  (堤長53m、堤高 30m)は昭和27年(1952)に就航した重力式コンクリート造堰堤です。堰堤の上流には大薙と呼ばれる男体山の大崩壊地があり、洪水時に多量の土石を流出し下流域に多大な被害を与えていたため大薙最下端である「方等の滝」の上流に造られました。
平成15年1月31日、国土の歴史的景観に寄与していることから国の国登録有形文化財に登録されました。

<登録理由>
男体山を水源とする大谷川左支深澤筋(だいやがわ さし みさわすじ)に築かれた重力式練積堰堤。
男体山山腹に放射状に発達した蝕渓(しょくけい)から供給される土砂を高さ 30mに及ぶ堰堤で防ぐ。精緻な石積の外観と、周囲に回復された緑の中に映える水流が、いろは坂からの景観に彩りを添えている。

国土交通省 関東地方整備局 日光砂防事務所
〒321-1414 栃木県日光市萩垣面2390 TEL(0288)54-1191(代)
http:www.ktr.mlit.go.jp/nikko/index.htm

Ministry of Land,Infrastructure and Tourism Kanto Regional Department Burear
Nikko Sabo Office  2390 Hangakimen,Nikko City
Tochigi Prefecture 321-1414 Japan Tel(0288)54-1191

 

説明板には、上の様に記してある。

日本城郭建築の石垣の粋。

まるっきり、自然石の様に見せるのでは無いが。

なんとなく自然に馴染む。

あまり気にしなければ、自然の滝のようにも見えてしまう。

 

 

← クリックすれば、大画面になります。 2020 10 30 方等滝、上流部の大薙

 

 

 

 

 

 

 

   2019 12 12 下りイロハ坂、剣が峰・展望台付近の、方等滝。

明智平より撮影。枯れ葉が落ちたので、滝の全容が見えている。

 

 

国土地理院地図・男体山【方等滝】付近

 

 

2021 10 11 甲子茶房の大滝【わが郷】

阿武隈川の最上部に、大黒屋さんという 一軒宿がある。それから更に、奥まった源流部に、上の砂防ダムがあった。宿の人に、そのダムの名前を聞いたが。『名前は付いていない。』 ならばと、わが郷・左近尉が、勝手に名前を付けた。『茶房の大滝』 である。
茶房の大滝 - 我が郷は足日木の垂水のほとり (goo.ne.jp)

 

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