安倍元首相の事件は、大変不幸なことで、暴力により人を殺めるのは許せないことです。選挙前には、元首相への哀悼の意を込めるのは当然としても、その背景については触れずに同氏の功績のみが終日報道されていました。事件が選挙に大きな影響を与えたと自民党か関係者も指摘しています。
投票行動に影響を与えたとされるマスメデイアの異常さが選挙後になって、ますます明らかになっているように思います。まさに選挙後に事件の背景を報道！ー選挙前から分かっていたのに！なぜ？ということです。
ネットでは事件直後から旧統一教会の名前が出ていました。そして、岸元首相の時からの因縁と、それが延々と安倍元首相に至るまで関係が続いていたと伝えています。韓国に本拠を置く同団体が日本国内で霊感商法などにより金を集めて、多くの被害者が出ており裁判でも違法とされていることなど、つとに明らかでした。その被害者を救済する弁護士の連絡会ができるほど被害が全国にわたって長いあいだ続いてきたことも。
しかし事件後には、安倍元首相礼賛の記事のみがテレビを占拠し、その政治姿勢や功績と言われるもののマイナスと考える立場はほとんど報道されませんでした。不幸な事件の後だから、やむを得ないというのでしょうか。明日明後日に投票日を控えている選挙中です。政権党へのマスメディアの度を越した忖度、あるいは公正な報道と言う使命を投げ捨てたのか、としか思えませんでした。その結果、選挙にも当然影響を与えたと指摘されているのです。
日刊ゲンダイによると、統一教会が霊感商法で社会問題になり悪名が広まると、名称変更を文化庁に申請しました。1997年からだそうですが、長年許可されずにいました。それが許可されたのは2015年、安倍政権の時だと言います。おりしもこの時は、安倍政権が集団的自衛権行使の閣議決定をし、10万人もの人々が国会を包囲した年です。
安倍元首相が同会の関連団体にビデオメッセージを送ったりしたことが、山上容疑者からも言われているようですが、同紙によると今度の参議院選挙では安倍元首相の秘書だった井上氏が旧統一教会の支持者に支えられて当選したことが報じられています。
安倍元首相や政治家と同会についての関係が海外メデイアではすぐ報道されているのに、日本では報道され始めたのは選挙後。日本のメデイアは誰のための報道をしているのでしょうか。なんと言う欺瞞でしょうか。
多数の被害者やその家族の問題がまだ明らかでないうえ、強権的な政治や「桜を見る会問題」「森友問題」「加計学園問題」など、いまだ解明されていないなど政治的な評価も大きく分かれている中、一方的な元首相礼賛の報道を続けるのはいかがなものでしょうか。選挙後、新聞はようやく、その功罪にふれ始めましたが。
