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ようやく普通に、松江市でも『はだしのゲン』読める!

2013年09月03日 | 自然・自然活動
 子どもにとって残酷なところがあると言って閉架式にして見せないようにしていた松江市教委が、全国からの批判を受けて、見解を修正し、いつでも閲覧できるようにしました。これは本来の姿で当然な措置ですね。
 しかし、市教委や学校の対応を知ると、よかったよかったとは一概に喜べないこともわかりました。
 
 市教委は次のように述べています。「教育委員会の教育長など数人で決めて、教育委員には知らせなかった、という手続き上に問題があったので改めて教育委員会で話し合って閲覧に戻した。」と。
 この過程で分かったことは次のようなことでしょうか。
①問題のすり替えで本質を隠す
『はだしのゲン』を見せないようにという一人の市民からの声を受けて教育長などが判断した際、教育委員には諮らなかったという手続き上のミスとしています。
 実際のところ、任命制の教委の形骸化で、教育長などの事務方が実権を握っている所が多く、この点は教育委員の責任も問われることです。 
 この教育長たちは、言論の自由などの意識はないうえに、子どもに戦争の恐ろしさを知らせるより、うるさい一市民の声を聞いておいた方が無難と考えたのでしょうか。
 また、肝心の『はだしのゲン』の残酷な描写とか言って閲覧制限したのに、その内容と平和について教えることなどには触れていません。問題をすり替えて自己保身に走ってしまっています。残念です。

②「右ならえ」をしてしまう教育界の恐ろしさ
 教師たちはどう行動したのでしょうか。新聞によると、おかしいと思ったなどと言っていましたが、やはり命、平和の尊さなどを教えていない教師が多いのだなあと感じました。
一校をのぞいて、市内小中学校40数校が、「右ならえ」をしてしまう教育の土壌が、戦前から今に至るまで続いているのですね。戦前あれだけ「国のために死ね」と教えた反省のうえに今があるはずなのに・・・。
 ただ、一校のみとはいえ、自由に閲覧させていたということは、いま話題の「半沢直樹」ほどではなくても、気骨のある校長や教師もいたと思われるのは救いでしょうか。

③憲法を無視する感覚の広がり
 松江市や鳥取の教育委員会の判断を誤らせたのは、間違った規則を憲法よりも重視する国の雰囲気にもあると思います。
 安倍首相になってから特に、異論を許さずに、個人の幸せや自由よりも国家を第一に考える風潮がつくられているように感じます。
 昨日の新聞によると、アメリカとの集団自衛権行使に向けて、国家秘密を守ることを理由に情報公開を制限し、公務員や国民を懲罰する法案も用意されているようです。
 このように権力の都合の良いように「国民の知る権利」を制限するような国の雰囲気が、いつの間にか戦争を是とするような雰囲気にならないことを!!

④漫画『はだしのゲン』の売れ行きが数倍に
 これを機に、実物を手にした人がふえたのは幸いでした。きっと各地の図書館の貸し出しも増えているのでしょう。権力から騙されないためには、とにかく知ることと思います。

 憲法(第12条)にあるように、言論の自由も権利も、国民の不断の努力によって守られなければならないという思いを強くする事件でした。


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