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「図書館の自由」を無視する先にあるものー国民に知らせないで自由を侵し始める政権ー 

2022年11月16日 | 本・文芸

「図書館の自由」をゆるがす「依頼」が政府から出されたとして東京新聞や朝日新聞で報道された。

それは、文科省が全国の公立図書館と学校図書館に「拉致問題の関連本」の充実を依頼する通知を出したことである。「依頼」という名の圧力である。

「拉致問題」の重要性と、権力が図書館にその関連本を充実させるということは全く別なことである。

 戦前の国家主義のもとでは、図書館も政府の思い通り選本をさせられ、不都合な本は閲覧させなかった。国民が目にする本は、政府の都合のよい本や資料だったことになる。このように国策に沿った図書館活動を強いられて、事実上の戦争協力を余儀なくされてきたという歴史がある。

 このような歴史の教訓から図書館は、戦後国家権力から独立した組織とするべく全国図書館協議会を設立し、「図書館の自由に関する宣言」を発表して、権力の介入を阻止してきている。司書などの図書館人が自立的に必要な本の選定を行ってきたのである。これは学校図書館も同じである。

 しかし、岸田政権はこのような民主主義社会の基本である、図書館活動に乱暴に介入してきたのである。

 図書館の自由な活動に圧力をかけ、政権の都合のよい本をそろえ、利用者である国民に政府の都合のよい情報を与えるということであり、まさに戦前の国家主義に考えである。

 これを許せば、次々に政治的に争点のある内容などについて、忖度や圧力によって偏った図書や資料が選定されて、戦前と同じく図書館は政権の僕に堕してしまうだろう。

 学術会議に介入した菅政権を引き継ぎ、今また図書館への介入までするなど、「学問・思想の自由」に鈍感で国家主義的な岸田政権の姿がみられる。

 図書館関係者には圧力に屈しないで頑張っていただきたいし、利用者もいろいろな場で声を上げていかなければ取り返しができないことになる。

 たかが本されど本であり、秦の始皇帝の焚書坑儒、ナチスの焚書、戦前の日本の思想統制など、まず権力に不都合な本や資料を国民に見せないことが国家主義や独裁の始まりである。

 



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