goo blog サービス終了のお知らせ 

ネイチャーゲーム&自然・趣味

ネイチャーゲームで知った自然。テニスやハーモニカ、ウォーキングなど遊びの世界。

話題の映画 「顔のないヒトラーたち」を見ましたか? あなたも、私もヒトラーに?

2016年02月25日 | 日記・思い出
ドイツの歴史認識を変えたという、映画「顔のないヒトラーたち」を見ましたか?
2016年2月公開中:厚木市 アミュー厚木にて上映中。
2015年は戦後70年でした。戦後70年ということで、映画『顔のないヒトラーたち』が公開されました。この映画は、1963年に行われた裁判「アウシュビッツ裁判」が行われるまでの苦難の実話を元に作られています。アウシュビッツ裁判とはホロコーストに関わった人間をドイツ人自身が裁いたものです。(1963年~1965年)

今、戦争経験者も高齢者となり、戦争を実体験として知らない年代が多くなってきています。そのような中、日本では安倍政権が戦争法の閣議決定や、強行採決をしました。日本では戦争犯罪者の告発も処罰も、国民自身が行うということはありませんでした。そのために、戦争責任はあいまいにされ、一部が東京裁判で処刑にされて、多くは公職に復帰し、首相になる者までいました。

それと対照的に言われるのがドイツです。
しかし,そのドイツでも、戦争犯罪者を自ら裁くということは簡単にできたことではありませんでした。
この映画を見て、自らの戦争責任を裁くことができないだけではなく、加害国への謝罪なども何とか軽く済ませようとか、加害などなかったなどと主張する人々、戦争法などが強行採決されるのを許す日本人について考えさせられました。
戦争責任をめぐってドイツのとった道を考え、日本として考えるためにも必見の映画です。

概略は次のようなものです。
 時は1958年フランクフルト、ドイツの若者もアウシュビッツは知らないという人も出始めていました。知っている人々も自分たちが犯した罪を過去のものとして忘れ去ろうとしていました。

 『顔のないヒトラーたち』の中で主人公となる、戦後10年以上が過ぎて新しい時代に生きる新米検事のヨハンは、そのような実情を知ります。一人のジャーナリストが元ナチスの親衛隊の一人が教師をしていることを突き止め、ヨハンは強制収容所を生き延びたユダヤ人のシモンたちとともに、アウシュビッツの強制収容所での罪を明らかにしようと立ち上がります。

 しかし父親世代の人間からは、いまさらなんだと非難され、いろいろな圧力をかけられます。ヨハンは自国の罪を見つめ、それを明らかにすることが自分の使命であると考え、親衛隊8000人にものぼる膨大な資料に圧倒されながら調査を進めていくのでした。
 
 アウシュビッツ収容所とは?
 アウシュビッツ強制収容所は第二次世界大戦の際、ドイツが国家をあげて推進した人種差別の末、多くの人々が入れられ大量虐殺が行われた場所です。
ヒトラーを護衛するという目的で作られた親衛隊は様々な役割を与えられました。その中の1つとして、ユダヤ人を捕らえ強制収容所に送り、更にはユダヤ人を含む反体制分子を虐殺しました。ニュンベルク裁判では親衛隊という組織は犯罪組織であるという認定を受けました。
『顔のないヒトラーたち』はその親衛隊の罪が暴かれていきます。その数はなんと8,000人という膨大な人数でした。
今でもドイツでは殺人罪について時効がないため、2015年7月には93歳の元親衛隊員が殺人幇助の罪に問われ禁固刑の判決が出ています。


 2015年1月 ナチス虐殺の被害者の追悼式典でドイツのメルケル首相は次のように発言しました。
「ナチスはユダヤ人への虐殺によって人間の文明を否定し、その象徴がアウシュビッツです。私たちドイツ人は恥の気持ちでいっぱいです。何百万人もの人々を殺害した犯罪を見て見ぬふりしたのはドイツ人自身だったからです。私たちドイツ人は過去を忘れてはならない。数百万人の犠牲者のために、過去を記憶していく責任があります。」


 ひるがえって日本ではどうでしょうか。日本の場合には日本人自身によっては戦犯処罰や追及は行われていません。
東京裁判において、戦犯たちは無罪を主張し、その多くは「自分個人は戦争に反対であった」また「命令に従っただけ」という趣旨の発言をしました。

 戦争を始めたのは天皇の言葉で、終結も国民には天皇の言葉でしたが・・・。軍隊が勝手の行動をしたようなことも言われたり、誰も責任をとろうとしないし、とらせようとする運動もない中、一億総懺悔みたいなことを言ってみたりと、今に至るまで戦争の主体が明らかにされません。ドイツにおけるヒトラーやナチスにあたる、戦争責任を明確に引き受ける存在がいません。

 このような、曖昧な「戦後処理」をしてきている日本の安倍政権が、憲法を無視して、またぞろ他国の戦争に加わるような法律を作っているのが現在です。
 このような現状をそのまま放置すれば、今71年続いている戦後は終わり、戦前になってしまうことは間違いないでしょう。その時になってからでは遅く、そうなればあなたも私も、映画「顔のないヒトラー」が告発しているように、殺戮をしたり、それを見て見ぬふりをするような戦争犯罪者になる可能性も・・・・。

 この映画は、戦争責任に向き合うドイツの真摯な人々と、今日に至るまでの格闘に感動すること間違いなしです。お勧めします。
目下、厚木市のアミュー厚木「映画。Comシネマ」で上映中です。アカデミー賞外国語映画賞他多数の賞獲得作品。
監督:ジュリオ・リッチャレッリ
主演は『ゲーテの恋 君に捧ぐ”若きウェルテルの悩み”』のアレクサンダー・フェーリング、共演は『ハンナ・アーレント』のフリーデリーケ・ベヒトです。


最新の画像もっと見る

コメントを投稿

サービス終了に伴い、10月1日にコメント投稿機能を終了させていただく予定です。