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『真田丸』31話「終焉」 恍惚の人、露と消える

2016-08-09 17:27:18 | 大河


2016年大河『真田丸』31話「終焉」のネタバレ感想のようなものまとめ。

 

気が付けば、秀吉ロス。



※今回はあんまり清盛清盛って言いません。




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■恍惚の人




何かあったら鳴らして呼んでくれという源次郎。



秀吉はすぐに鳴らして、源次郎に笑顔を見せます。


ああ、あるある。
ナースコールを「何かあったら呼んでください」で渡したわりに、「何もないのに呼ばれる率」の多さ。

でも何もないのは本人以外であって、本人からしてみれば「淋しい」「誰かと話したい」「そばにいてほしい」っていう気持ちがあるんだろうなって。
それに答えようとする源次郎の表情が秀逸でした。




■温和なリアリスト


秀吉の心身が残念ながらこの状況であるため、三成は秀吉の遺言をとりまとめます。
秀吉の跡を継ぐことになった『老衆』と『奉行衆』。

その奉行衆から自分は外してほしい、と大谷吉継。


「やつれたこの姿、人目にさらしとうはないのじゃ。あいすまぬ」

治部殿のやることだからぬかりはないだろう、と確認も辞退する大谷吉継。
病に侵されている姿を見せたくないというのももちろん、足を引っ張るわけにもいかないと。

温和だけど厳しいリアリストとして描かれた大谷吉継が奉行を辞退する流れ、とってもスムーズ。



■言いたいことだけ言いに来た


秀吉の遺言が定まり、老衆から花押の印をもらうべく家康に伝える三成。


「殿下の遺言にございます。徳川内府様をはじめとする5人の老衆を、5人の奉行衆が補佐し、あわせて10人の合議によって、秀頼公をお守りしていくのが殿下のお望みでございます」

これに素直に納得がいかないのが徳川さんち。

「ようやく我が殿の出番。天下をお取りくださいませ」とけしかける阿茶。
「これでは殿が思うがままにはできませぬな」と指摘するのは本多正信。

そこへやってきたのが三成。


「ご遺言に従い、決して内府さまお一人のお考えでは動かれぬよう、改めてお約束頂きたい」

これに対して家康、少しカチンときた様子。

「疑ってるんかい?」
「約束してもらえるんかって聞いてるんですが」

質問に質問で返すっていう、この2人気ぃ合わなそうオーラがハンパない。



で、一応楔どころか釘をガッツリ打ち込んできた三成ですが。
油断はならない、と。
「これからも私の力になってほしい」と大谷殿に頭を下げたとき。

「わかっておる」って頷く大谷殿の生きてるだけで褒めてくれる感…!!




■本多サド守正信


まあわざわざ来てくれた三成の前では当然頷くのですが、本心は「殿下も余計な遺言を残されたものだ」と家康。


「反故にしてしまいますか。たやすいことでございますよ」
「より新しいご遺言があればよろしいので」


うわっ黒い黒い!!
本多サド守正信、黒いっ!





■遺言書作成サービス


家康がお見舞いに贈ったものは、信長の甲冑でした。
「信長公がお守りくださいますぞ」とはいうものの。



秀吉、これが誰の何かだって分かってるかどうかかなり怪しい。
『見覚えあるけど何だっけ…』に近いかもしれない。



「我等5人の老衆に対し、後を託すと一筆お書き頂きたい」

わわわわ、悪徳川家康!
悪徳士業、ていうか文書偽造、ていうかそれあかんやつ!


寝ていた秀吉を起こすのですが…



っておいおい正純、そんな背中をぐいっと押すんじゃないよ。
源次郎みたいにもっと丁寧に支えて起こしなされ。


「あまり無理強いはするな」

追伸を書こうとする秀吉。
満悦の表情を浮かべる本多親子と比べ、家康は複雑そうな表情を浮かべます。

書き終えた秀吉を寝かせるとき、背中に手を添えてゆっくりと倒したのは家康。
反対側の掛け布団にまで手を伸ばしたのは家康でした。

この家康の二面性がな……。




■続、遺言書作成サービス


さて問題は片桐からこれを知った三成。


「家康め、断じて許さぬ!」

治部殿、激おこ。


しかしまだ手はある、と動き出した三成。
疲労を訴える秀吉を無理に起こすことにためらう源次郎に言うのは「豊臣家のため」の言葉。

父や兄が「真田のため」なら、三成は「豊臣のため」。
ならば自分はどちらなのか、視線は戸惑いながらも秀吉の上半身を支えます。




うーん、さっき正純の介助の仕方に比べるとだいぶ手馴れてる感。



空いていた行の間に、委細は5奉行に任せるとの旨を書き足すよう指示をだす三成。


「眠い…」
「眠くない!」

……。

さっきの正信もたいがいだったけどさあ……

これあかんやつだよ……


いや、三成ボイスの目覚まし時計とか欲しいけどさあ……

でも病人にあかんやつだよ……


と、そこに寧がやってきて、三成たちを諌めました。
しかし是が非でも『以上』を書かせないことには終われない三成。
寧に諌められながらも、秀吉の手を無理に握りその2文字を書かせながらも、どうにか完成させました。

「最期くらい静かに眠らせてやる訳にはいかんの?これではあんまりうちの人が可哀想じゃ」

後半生は天下人として生きた秀吉。
怒ったり笑ったり泣いたり叫んだり、忙しく過ごしてきた秀吉。
それを近くで見ていた寧の言葉が刺さります。



■昌幸ジイジの桃太郎伝説


百助と仙千代に『桃太郎』のお話をする昌幸ジイジ。



「桃太郎は鬼ヶ島へ鬼退治に向かった」

わかる。


「だが真っ向から戦っては負けてしまう」


うん?

「まず犬を使者に送り、味方だと嘘をつく」

えっ?


「鬼が安心したところで、島に乗り込み、一気に片をつける」

おいおい。




「めでたし、めでたし」

おいおいおいおいおい。



内容のアレンジがいかにもタヌキなのですが、なんとなく幸せそうな昌幸ジイジ。
でもこれに納得がいかないのが出浦様。


「いつまで楽隠居を決めておるのだ」
「わしはもう疲れた」


同じ『疲れた』でも秀吉のそれと、昌幸のそれは大きく違う。
秀吉の老いと昌幸の老いが大きく違ったように。


「おぬしの悲願は武田の領地を取り戻すことであったな」
と出浦様。
しかし秀吉が死んで家康まで死ぬことなどないだろう、と昌幸は続けるのですが。

「いつでも用意はできておる」

おふう、そう来ましたか……

いや、唐突でもないのかもしれません。
26話『瓜売』でモンペっぷりを発揮していた出浦様。
30話『黄昏』でも、遊郭遊びに興じる昌幸に懸念を示していた出浦様。

もうエンジンはとっくにかかっていて、あとはアクセル踏み込むだけだったのかも。




■忠勝ジイジの顔が怖い(号泣


本多忠勝が真田屋敷に遊びに来てました。


「父上、お顔が怖すぎます」
「百助が怖がっておりますぞ」


別室で仙千代が泣き出さないようにする元嫁。
「いつになったら父に打ち明けてくれるのか」と怒る今嫁。
「もっと早いうちに言えよwww」とパッパ。



ひとつ気になったのがこれ。
「世の中先延ばしにしていいことなど何一つない」

パッパが言う珍しくいい言葉。
あとになってテストに出そう。

そういえば先週の紙おむつ問題。あれ全然気が付きませんでした。



■想像がつかない


前回、キリシタンになりたい宣言をしたきりちゃん。
それは一旦保留で、今気になるのは秀吉の話。

「恐ろしい人であったが、こうなってみると哀れでならぬ」

哀れであり優しくもあり。
今の秀吉を一番近くで見ている源次郎らしく言葉を選んでる印象。

「殿下が亡くなったらどうするんですか?上田に帰るの?」
「どうなるんだろう、想像がつかぬ」


きりちゃんの言葉に思わずハッとします。
当たり前なのですが、この人たち知らないんだよね。
これから天下分け目の関ヶ原の合戦があったりとか、そういうことって想像だにしていなかったことなのだなと。
あくまで漠然と『世が乱れる』と。




■あの伊賀越えを思い出して泣いてしまう


って噂をしていたら家康がソロできました。
秀吉のそばで、その寝顔を見ながら信繁に話す家康。


「戦は大嫌いじゃ。間違いなく勝てる戦などどこにもない」

だから生き延びて、最終的に天下をとれたんだろうなこの人は。


「伊賀越は一度でたくさん。戦場で命からがら逃げ惑うのはもう御免じゃ」

『戦は厭にございます』ってある意味定番だけど、徳川家康に言わせたのが凄い。
それが不自然じゃないのがすごい。
この徳川家康ならそれを言っても違和感がない。


でも家康くんwww
「伊賀越え」そのパワーワードは卑怯www






■豊臣家滅亡の息を吹きかけるのは


家康と源次郎のもとにやってきた小早川秀秋。

「お元気で」
と声をかけたとき、秀吉が目を覚ましました。


「秀頼のこと頼む」
「できる限りで」


小早川君、君のできる限りとは……と疑問に感じていたのもつかの間。


「(フーーーッ)」


「あーーっ!」
「あーーっ!」


「えっ?」


「ああああああ」


こんのやろう、わかりやすいことしやがって!!


後に関ヶ原で西軍を裏切る小早川秀秋。
関ヶ原での敗走ががきっかけとなり豊臣家は滅亡します。

秀吉が信じていた燭台の火、おもいっきり吹き消す小早川秀秋。
思わず戦慄する分かりやすすぎる伏線。

その夜から秀吉の意識は混濁状態となりました。




治部殿も水垢離で祈願をします。
(加藤清正や福島正則がいたら泣きながら水垢離してたんだろうな)



■愛する家族に囲まれて


寧も源次郎も、かねてから茶々・秀頼と秀吉を会わせたいと言っていました。
しかし茶々もなかなか頑な。

「殿下がお元気だったうちは隠れて見えなかったもの。あのお方の心の卑しさ、醜さ、冷たさ。そんなものまできっとあの子は感じ取ってしまう。6歳の子どもは恐ろしいですよ」

そんなことを話していたのですが、いよいよ危篤となり、秀吉に茶々と秀頼をどうにか会わせたい源次郎。
秀吉のそばに行くのを嫌がっているのは秀頼ではなく茶々自身だ、と大蔵卿局。

幼い頃から身内が亡くなっていくのを多く目のあたりにしてきた茶々。

19回『恋路』にて、
「血を見るのか怖くなくなった」
「人が死んでも何とも思わない。自分が死ぬのも怖くない。」

と言っていた茶々でしたが、鶴松が夭逝した25話で、ターニングポイントを迎えたという。


そこに茶々と秀頼が現れ、秀吉に会ってくる、源次郎はついてきなさい、と。
秀吉の寝室に来た茶々。
しかしどうしても見ていられない。
思わず源次郎の胸を借りそうになる瞬間、『恋路』のときの茶々が脳裏をよぎりました。

しかし今は茶々には秀頼がいる。



「父上」と呼びかける秀頼の声に目を開けた秀吉。
その頬に愛おしく触れる様子をみて、茶々も近づきます。


「殿下」

いつもの勝ち気な可愛らしい笑顔を作る茶々。


死なんかに負けるものか、と。
彼女なりに闘ってるんだと。



「秀頼の事頼む、秀頼の事頼む」

繰り返す秀吉に堪え切れず泣き崩れる茶々。
それを支えたのが寧でした。
秀頼について、「立派な子に育てましたね」と。

その立派な子は、源次郎が秀吉に渡したベルで遊んでいます。
「よい音じゃ!」と。














■万福丸


しかしその晩、秀吉は信長の甲冑に亡霊を見ます。



それは血まみれの少年


落首事件、利休の呪い、秀次事件。
多くの人の『呪い』を被ってきた秀吉。
死に追いやってきた人々対する罪悪感が、自らが死に瀕したとき、こうした『怨霊』の形になったのか。

その怨霊は万福丸の姿をしているのか。

そういえば『六文銭の少年』も異形の者で描かれてました。→13回『決戦』

万福丸が喚ぶように、三成らが駆けつけます。


「佐吉…家康を殺せ」

あの恐ろしい甲冑を贈った家康を、殺せ。

この少し前のシーン。
家康が「戦は嫌い、伊賀越えももっと嫌い」と話していたシーン。
家康の背後に、信長の甲冑がありました。


「殿下が亡くなられて、再び世が乱れては元も子もないしのう」

秀吉の目線からしてみれば、あの甲冑から家康の声が発せられていたように聞こえていたのかもしれません。

あの甲冑をどかしてくれ。
あの声を黙らせてくれ。
自分を殺そうとしているあの男の声を。
徳川家康の声を黙らせてくれ、と。


この言葉を忠実に守ろうとする三成の行方に待ち受けるのは関ヶ原と六条河原。



ていうか超びびったんだけど、リオに雷落ちてない?
大丈夫?






■淋しい男


さらに秀吉は、そのあとに源次郎を呼び止めます。
「頼む」
「わかっております」

のやりとりのあと、意外な名前が秀吉の口から出ました。


「佐吉を」

三成を?と驚く源次郎。

「支えてやってくれ。淋しい男でな」


茶々について「あれは淋しい女子なのだ」と源次郎に託した。
三成についても「淋しい男でな」と同じように源次郎に託した。

きっと一番淋しかったの殿下だったんだろうなって。


三成を支えるため、源次郎は大坂へ入るのか。
秀吉の言葉を忠実に守るため、その日を待つ。




■一番烏が鳴く前に


そんなこんなで、三成やってきたのが昌幸のところ。

「忍城攻め以来、安房守殿は私の師匠」
そんなこと言われてちょっと嬉しそうな昌幸。

しかしその『依頼』を断る昌幸。
でも、三成の背後からカメラが寄っていきます。
声色を変えた昌幸。


「もし、明日の朝徳川内府が死んだという知らせが届いたとしても、我が真田は一切預かり知らぬこと」

このすっとぼけ。
この空返事。

しかし恐ろしい。

昌幸の言葉の意味に気が付いた三成。
ニヤッと笑う昌幸。

もちろん実行部隊は出浦様なのですが…。


「一番烏が鳴く前に、戻る」



■清涼剤秀忠


出浦様が向かった徳川屋敷、なのですが。
信幸がおりました。

信幸がいたのは百助と仙千代の話。


信幸「今嫁にも元嫁にも子供ができちゃって」
秀忠「(wwwww)」


そんな信幸の境遇に同情した秀忠(面白がってるだけじゃねーのw)


「私は3年前淀殿の妹の江を嫁にもろうた。これはこれでなかなか厄介でな。今度ゆっくり話を聞いてくれるか」

やだもー!CPってばー!冗談きっつーい!(ノ∀`)



■なんと…


そんな微笑ましい話から一転。

15回『秀吉』にて。


人んちでこの忍びの子弟はなにやってんの、と思わず笑いたくなる描写でしたが。
これを信幸に見られていたこと、信幸が思い出したことが致命的なミスとなりました。

天井裏に潜伏していることが発覚してしまった出浦様。

 
出浦様の推しの皆さん……息してま…す…か……??(震え声

立ち合い、格闘、煙幕の末。
出浦の目の前に姿を現したのは……


「なんと…」

これ以上は何も言わなかった信幸。
言えなかったのか、言わなかったのか。

いずれにしても『この者を知らない』状態の方が、信幸にとっても真田にとっても今はいい。


立ち止まった瞬間、背後から出浦に斬りかかる忠勝。



そして信幸が昌幸のもとに向かい、騒ぎから源次郎も事態を知ることに。
「殿!」と珍しい佐助の声がします。

 

そこに帰って来ていたのは傷だらけの出浦昌相でした。



■露と消える


同じころ、秀吉。

源次郎は父のもとに行っています。
三成もまた『徳川屋敷に賊が出た』の一報で忙しくしていることでしょう。



残されていたのは片桐一人。
うたた寝してしまった瞬間に。

呼吸が荒くなる秀吉。
そして風の音。
吹き消えた命の灯

 
「栄華を極めた男の人生の締めくくりとしてはそれはいかにも淋しいものであった。」

寝台から落ちた秀吉の踵部。
体位交換、きっと源次郎くらいしかしなかったんだろう。
秀吉、痛かったんだろう。



臨終が誰にも看取られることはなく。
辞世の句が入ることもなく、その終焉は静かに。

しかし壮絶に。


 
「太閤豊臣秀吉、享年62」

こぼれ落ちた露。



リーンリーンと「いい音」が響きます。

それはまるで電々太鼓のようでもあり。





源次郎が置いてくれたベル。
秀吉の『淋しさ』を紛らわせたベル。
源次郎は会いたかった秀頼や茶々を呼んでくれた。
ベルの音を「いい音じゃ」と言った秀頼は、そのベルを少し遠くに置いた。

本当に、本当に必要になった時
ベルは秀吉の手の届くところにもうなかった。



これからの豊臣家に起こることが暗示されているように思えてしまって。






■片桐殿を責めないで!


まあよく寝ていた片桐でしたが、ポンコツだの責めないでほしい。
きっと臨時の夜勤……
しかも一人夜勤……
もしかしたら緊急事態ってことで、日勤から夜勤……
夜勤手当だってつかないでしょ……
仮眠時間だってなさそうだもの……

片桐殿、がんばってるよ(涙


しかもその片桐を演じる小林隆さんがここ数ヶ月で闘ってる相手が大物過ぎる。


『真田丸』における

vs織田信長
vs豊臣秀吉
vs徳川家康


これはともかくとして


NHKスペシャル『未解決事件』にて。


vs田中角栄

話題の『シン・ゴジラ』でも。


vsゴジラ



■次週『応酬』、新キャストぞくぞく!


あの少年は誰だったのか。
出浦様は無事なのか。
五奉行五大老は誰が演じるのか

公式サイト観といた方がよさそうですぞ。




『のぼうの城』の話は22回「裁定」の終わりの方でどさくさに紛れて紹介してます。




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