2016年大河『真田丸』25話「滅亡」のネタバレ感想のようなものまとめ。
幼い若君の死に描かれた人間模様は、どす黒い色をしていた。
お城バックが「千利休・桂文枝」だったのもまた印象的。
※一部放送時の時系列入れ替えてます。
関連リンク
1話「船出」~24話「滅亡」はこちら。
・【NHK大河ドラマ】 『真田丸』まとめのまとめ 【堺雅人&草刈正雄】
『ちかえもん』『コントレール』『映像の世紀』他、大河、Nスペ、BSプレミアムのまとめ。
・少々真面目で結構ゲスいテレビっ子の備忘録まとめ<NHK系>
朝ドラ「とと姉ちゃん」「てるてる家族」「あさが来た」「あまちゃん」こちら。
・朝ドラ感想記事のまとめ
民放ドラマ、映画などなどのまとめ
・テレビっ子の備忘録まとめ。<民放系>
■利休の最期
翌天正19年。「鶴松」と名を改めた秀吉と茶々の子・お捨。
かわいさ絶好調の夏、病で重篤な状態に陥りました。
そんな鶴松のいる淀城には見舞客が後を絶たず、その選別を任された平野長泰と源次郎。
三成から「鶴松の病状は今夜が山場なのだが、この話はナイミツニナ」と明かされたとき。
「利休殿の祟りではないかとひそかに噂する者がおるようで……」
「利休殿があのような最期を遂げられたのでその怨念が……」
呪いだの祟りだの怨念だの呪詛だの怨霊だの、崇徳院かな?うん?
(呪詛とか怨霊とかは言ってない)
※平清盛の話です
その『利休の最期』というのがこれ。
死神感否めない。
■最後の良心
ここから鶴松が病と闘う中、源次郎・三成・大谷吉継が『利休の死』をめぐり回想をしていきます。
時系列巡で進行するわけではない、なかなか新鮮な構成。
事のきっかけは源次郎が小田原城で見かけた鉛でした。
そこにあったのは利休印の刻印。
吉継はその鉛を利休につきつけ問いただすのですが、利休は秀吉からの信任を盾にして、動じようともしません。
ならば、と秀吉が利休よりもより厚い信任を寄せている秀長に話を持ち掛けました。
秀長は「利休を信じすぎてはいけない、一人に力を持たせ過ぎてはいけない」と秀吉を諭します。
そんな秀長もまた病床の身。
「兄上はあと何年生きられるおつもりですか」
もう長くはない秀長。それは本人も秀吉も分かっていること。
だからこそ『あと何年』が秀吉の心に響いたのかもしれません。
「鶴松様のため、豊臣家のため」
『豊臣家の良心』の迫真の表情が真に迫ります。
秀長役の千葉哲也さん。
大変辛い役所でしたがお疲れ様でございました。
■大谷吉継という男
ここでいったん、回想その1終わり。
鶴松は明日の朝を迎えられそうにない。
今のうちに手を打っておくべきだ、と吉継は葬儀の手配にとりかかります。
一方、そうした現実はわかってはいながらも、迷いを隠し切れない石田三成。
そんな三成に対し、
「利休のことは忘れろ」
『利休のこと』とは、あの狭い茶室での出来事でした。
ここで回想2回目。
大徳寺山門の木像について、ここならいちゃもんをつけられる、と秀吉に伝えます。
秀吉は三成たちの進言もあって、利休に蟄居を命じるのですが。
それを利休に伝えにいったときのこと。
吉継が思いがけないことを言いました。
「切腹を申しつける」
このとき三成は「えっ殿下そこまで言ってたっけ」と一瞬眉をピクリとさせます。
が、吉継はまっすぐ利休を見据えたまま。
「世の中を動かすことに使うての金や。無駄にしたら、罰が当たりますさかい」
利休は見舞金を引き下げて、呟くように言うのでした。
堺の商人・千利休は、金の死神、つまり死の商人。
彼のもたらす『金』は、北条に、鶴松に、そして豊臣に死をもたらしていく。
死の商人・利休は、意味深な表情を浮かべたまま切腹のときを迎えます。
そんな「利休のことは忘れろ」という吉継。(回想いったん終わり)
さらに、「真っ先に祟られるのはわしだ」と続けるのでした。
ってわあああああ、すげえフラグなんだけど。
吉継の病がこう利休に呪いだとか!
ていうか!
御文庫から出てきた吉継怖くね?!
あんたスーパードライじゃね?!
いや利休のことはまあ置いておくとしても、鶴松まで!
あんた幼い子が病と闘ってんのよ、生命力を信じてあげなさいよ……
…と思わず放送時には口に出してしまったのですが。
この時点で吉継は『死神』にすでに呪われ、祟られていたのかもしれません。
初登場時は冷たい三成に比べて、温厚そうな印象。
落首事件のときはまだ「ひゅー男気あるー」程度。
それが今回、このドライっぷり・自分でフラグ刺しまくりよ。
そんな印象が音を立てて崩れていく。
豊臣政権下で大谷吉継が壊れていく。
(しかしこの吉継が関が原でどう西軍につくのか気になる)
■「ひと言でいえば、宿命や」
源次郎は源次郎で、一つ腑に落ちていないことがありました。
三成・吉継から利休の見張りを任された源次郎。
茶室でのやりとりを思い出します。
「戦は儲かりまっせ。人の命や心を金で動かすことは業の深~いことや」
茶室の外と中より、人の心と命を操る。
上杉景勝相手に茶を振る舞ったとき(15話『秀吉』)も。
江雪斎・源次郎、三成らの努力むなしく「北条を潰しなはれ」と秀吉に進言した(22話『裁定』)ときも。
あるいは秀吉に帯を買わせたとき(16話『表裏』)、北条に鉛を売ったとき。
利休はその『マネー』が動くことで何が起きるか、予見していたのかもしれません。
そしてそれは業の深いことだ、と自覚していた利休。
だからこそ自身の罪悪感をおさえるために茶の道を極めた。
利休にとっての茶は、つまり業そのもの。
利休から振る舞われた茶を味わう源次郎。
まるで源次郎、利休から『死の呪い』を受け取るようにみえて。
源次郎はなぜあのような木像と作らせたのか、と問います。
「ひと言でいえば、宿命や」
不気味な利休の笑い声を最後に、源次郎の回想は終わります。
■昌幸パッパが来た。
(ハードモード、いったん休憩)
京の真田屋敷に昌幸パッパと薫ママンがやってきました。
鶴松のアレがアレなのでしぶーい顔をしている源次郎ですが、昌幸パッパと出浦さんは半分(ていうか9割)何かを期待している感があり。
鶴松の病状を源次郎から聞き出そうとします。
「で、ぶっちゃけどうなの」
「だめ、教えない」
「ちょっとでいいから」
「だめ」
「誰にも言わないから!お願い!」
で、結果佐助を送り出したっていう。
マジでこの狸www
■沼田といえばYAZAWA
内臓が心配な人がもう一人。
沼田城の信幸兄ちゃん。
沼田城を治める大名となったは、いいものの。
YAZAWA「いいじゃんそれくらい!(・3・)」
沼田といえばYAZAWA!!
YAZAWAあらずんば沼田にあらず!
勝手に濠を作っちゃったから信幸に怒られてるんだけど、
『おまえの沼田はワシのもの』とジャイアン理論ぶちかましそうなこのプップクプー大叔父上。
沼田の主があまりにハードなものでかっこよく壁ドンしようと思ったら。
そこwww隠し扉www
セリフ残して姿消えちゃったよwww
■お巡りさん、この人です
お兄ちゃんの受難は続きます。
相変わらずツンツンな稲姫。
「ねえ笑って」
「じゃあ面白いことして」
無茶振り食らった信幸。
「こしょこしょこしょこしょ」
「こしょこしょこしょこしょ」
「お巡りさんこの人です」
不憫すぎるwww
■ラブラブミラクルパワー
で、今度は真田の郷。
ここで突然少女漫画がスタート。
*:・。,☆゚'・:*:・。,ヽ(・∀・)人(・∀・)ノ ,。・:*:・゚'☆,。・:*:
※突然画面が明るくなりましたが違うチャンネルでも故障でもありません
そんな花の溢れる真田の郷なのですが、ゴッドマザー・ばば様が寝込んでいました。
「たとえ住むところは違っても心はいつもひとつ。一家とはそういうものです」
……ばば様のこの言葉はテストに出そうなので覚えておきましょう。
■子飼いたちの楽しい水垢離
また話は京に戻ります。
三成と吉継のところにやってきたのは加藤清正と福島正則。
「殿下のために水垢離(水ごり)しようぜ!!」って言ってきた。
(そんなテンションじゃない)
でもつれない三成はいったんは断って、「おめーなんかもう誘わねえよ」って清正に言われちゃうんですが。
来た。
脱いだ。
自分に水攻めバッシャーン。
(いや、透けてるのも悪くないな)
『吉継が怖い』のくだりでも書いたのですが、『真田丸』における石田三成の第一印象は冷徹な男でした。
ところがこの水垢離においては真逆のもの。
もうどうしようもない、これしかない、と何かにすがるような三成。
清正たちにほだされた部分もあるのかもしれません。
そんな信心深く情に厚い男は「本当の汚れ仕事を知らない」と言っていた吉継。
以前吉継が15話『秀吉』で、三成のことを源次郎に話していましたが。
本当に吉継にはお見通しなのだなあと。
■なんか大事なこと言うのかと思ったら
ここで家康くん(見舞いに来てます)、何やら神妙な顔つき。
なんか大事なこというのかと思ったら……
「ちゃちゃさま」→言いにくい
「よどどの」→やっぱり言いにくい
■狸と狸の化かし合い
時を同じくして昌幸と家康は、『鶴松亡き後の世』を話し始めます。
2人は別室にいるのだけれど、巧妙なセリフまわしと場面転換でまるで2人が会話しているよう。
そして2人は顔をあわせるのですが。
「必ず全快されると信じております(棒」
「わしらには祈ることしかできん(棒」
「さようですな(棒」
巧妙な場面転換から、狸と狸の化かし合い。
幼い命が必死に闘ってるっていうのに、まったくもうこの狸2人め(しかし悪くない)
■全ての始まりはそこだった
ここからまたハードモードに入ります(※放送時の時系列は前後してます)
源次郎に明かされたのは「なぜあのような木像を作らせたのか」という疑問の答えでした。
それは茶々の言葉がはじまりでした。
かるいフィギュアサイズの利休人形が欲しい、と言った茶々。
ところが寸法を間違えてしまい原寸大利休が出来上がってしまった。
そこで茶々が提案したのが大徳寺。
『たられば』は禁句とはいうものの。
大徳寺の山門に木像を置かなければ、吉継に因縁つけられることもなかったでしょう。
茶々が「あのお寺」と言い出さなければ、大徳寺の山門に木像が置かれることもなかったでしょう。
茶々が木像を欲しがらなければ……利休は死を迎えることもなかったでしょう。
茶々はいわば死神の死神、利休にとりついた死神。
あの利休の言葉「宿命」の意がやっと腑に落ちる源次郎。
全ての始まりは茶々様だった。
(重要シーンなんだが、原寸大利休がジワジワくるんだよね)
そこに居合わせたきりちゃん。
そんな茶々様が怖い、みんなを不幸にしている、と。
悪気はないと源次郎が言うも。
「だから余計怖いの」
きりちゃんの言葉がますます重みを増してる。
■何のために生まれて、何のために死んでいくのか
そして、鶴松の命がいよいよ消えかけるとき。
秀吉はおもむろに、鶴松と遊んでいたおもちゃのある部屋へ向かいました。
その姿を追う源次郎。
「鶴松は何のために生を受け、何のために死んでいくんじゃ。
もっともっといい衣を着せ、美味しいものを食べさせ、楽しい思いをさせてやるつもりだった」
秀吉の淡々とした語り口。
それは天下人ではなく、愛する我が子を失いかけているひとりの父親のように見えました。
鶴松を目に入れても痛くないくらいに溺愛していた秀吉。
そして源次郎。
この人だけは純粋に描かれている。
元服後はどうする?奥方はどうする?と励ます源次郎。
吉継(三成も立場上)、家康、昌幸。
皆がしているのは鶴松が死ぬ前提の話。
源次郎だけは、真田源次郎信繁だけは鶴松が生きる未来を信じているように思えます(思いたい)。
「そしてこの国を治める」
「海を渡って明国でも攻め下ろすか」
秀吉に殿下の顔が一瞬だけ、口元にだけ戻った。
何故か安心した。
そして鶴松の命の灯が消えます。
ドラマの中とはいえ、歴史の中とはいえ。
まだ幼い子どもの死は辛い。
■茶々、慟哭
悲しく鳴り響くでんでん太鼓の音。
幼子に聴こえているか。
その場を立った茶々。
「死んでしまったんですもの、横にいたって仕方ないでしょう」
「皆死んでしまう。私の大切な人たち」
19話『恋路』で、「人が死んでも何とも思わない」と言っていた人と同じ人物とは思えない。
鶴松と過ごした日々は、「悲しむことをやめた」茶々様に『悲しみ』の感情を取り戻させたのでしょうか。
果たしてそれは茶々様が望んだことだったのでしょうか。
茶々様の哀しみを受け止めてくれる寧様がいてくれてよかった。
受け止める寧様が茶々様に抱いていたのは、同情なのか愛情なのか友情なのか。
それはわからないけれど。
でも今の茶々様に寧様がいてくれてよかった。
茶々の慟哭が、さらなる悲劇を呼ぶ。
そんなナレーションでこの回は終わります。
■前半戦終了
ところで、今日の回で『真田丸』半分終わったという事実が、さらに涙腺抉ってくる件。
豊臣建設もっとがんばれよおおおお(無理言うな
■がんばった大賞
第25回のがんばった大賞は片桐殿と薫ママンに決定。
ふたりで頑張って作った鶴松への煎じ薬。
ひとかけしかできなかったけどドンマイドンマーイ!
結局パッパが食べちゃったけどドンマイドンマーイ!
■次回『うりうり』
■おまけだよ。
幼い若君の死に描かれた人間模様は、どす黒い色をしていた。
お城バックが「千利休・桂文枝」だったのもまた印象的。
※一部放送時の時系列入れ替えてます。
関連リンク
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■利休の最期
翌天正19年。「鶴松」と名を改めた秀吉と茶々の子・お捨。
かわいさ絶好調の夏、病で重篤な状態に陥りました。
そんな鶴松のいる淀城には見舞客が後を絶たず、その選別を任された平野長泰と源次郎。
三成から「鶴松の病状は今夜が山場なのだが、この話はナイミツニナ」と明かされたとき。
「利休殿の祟りではないかとひそかに噂する者がおるようで……」
「利休殿があのような最期を遂げられたのでその怨念が……」
呪いだの祟りだの怨念だの呪詛だの怨霊だの、崇徳院かな?うん?
(呪詛とか怨霊とかは言ってない)
※平清盛の話です
その『利休の最期』というのがこれ。
死神感否めない。
■最後の良心
ここから鶴松が病と闘う中、源次郎・三成・大谷吉継が『利休の死』をめぐり回想をしていきます。
時系列巡で進行するわけではない、なかなか新鮮な構成。
事のきっかけは源次郎が小田原城で見かけた鉛でした。
そこにあったのは利休印の刻印。
吉継はその鉛を利休につきつけ問いただすのですが、利休は秀吉からの信任を盾にして、動じようともしません。
ならば、と秀吉が利休よりもより厚い信任を寄せている秀長に話を持ち掛けました。
秀長は「利休を信じすぎてはいけない、一人に力を持たせ過ぎてはいけない」と秀吉を諭します。
そんな秀長もまた病床の身。
「兄上はあと何年生きられるおつもりですか」
もう長くはない秀長。それは本人も秀吉も分かっていること。
だからこそ『あと何年』が秀吉の心に響いたのかもしれません。
「鶴松様のため、豊臣家のため」
『豊臣家の良心』の迫真の表情が真に迫ります。
秀長役の千葉哲也さん。
大変辛い役所でしたがお疲れ様でございました。
■大谷吉継という男
ここでいったん、回想その1終わり。
鶴松は明日の朝を迎えられそうにない。
今のうちに手を打っておくべきだ、と吉継は葬儀の手配にとりかかります。
一方、そうした現実はわかってはいながらも、迷いを隠し切れない石田三成。
そんな三成に対し、
「利休のことは忘れろ」
『利休のこと』とは、あの狭い茶室での出来事でした。
ここで回想2回目。
大徳寺山門の木像について、ここならいちゃもんをつけられる、と秀吉に伝えます。
秀吉は三成たちの進言もあって、利休に蟄居を命じるのですが。
それを利休に伝えにいったときのこと。
吉継が思いがけないことを言いました。
「切腹を申しつける」
このとき三成は「えっ殿下そこまで言ってたっけ」と一瞬眉をピクリとさせます。
が、吉継はまっすぐ利休を見据えたまま。
「世の中を動かすことに使うての金や。無駄にしたら、罰が当たりますさかい」
利休は見舞金を引き下げて、呟くように言うのでした。
堺の商人・千利休は、金の死神、つまり死の商人。
彼のもたらす『金』は、北条に、鶴松に、そして豊臣に死をもたらしていく。
死の商人・利休は、意味深な表情を浮かべたまま切腹のときを迎えます。
そんな「利休のことは忘れろ」という吉継。(回想いったん終わり)
さらに、「真っ先に祟られるのはわしだ」と続けるのでした。
ってわあああああ、すげえフラグなんだけど。
吉継の病がこう利休に呪いだとか!
ていうか!
御文庫から出てきた吉継怖くね?!
あんたスーパードライじゃね?!
いや利休のことはまあ置いておくとしても、鶴松まで!
あんた幼い子が病と闘ってんのよ、生命力を信じてあげなさいよ……
…と思わず放送時には口に出してしまったのですが。
この時点で吉継は『死神』にすでに呪われ、祟られていたのかもしれません。
初登場時は冷たい三成に比べて、温厚そうな印象。
落首事件のときはまだ「ひゅー男気あるー」程度。
それが今回、このドライっぷり・自分でフラグ刺しまくりよ。
そんな印象が音を立てて崩れていく。
豊臣政権下で大谷吉継が壊れていく。
(しかしこの吉継が関が原でどう西軍につくのか気になる)
■「ひと言でいえば、宿命や」
源次郎は源次郎で、一つ腑に落ちていないことがありました。
三成・吉継から利休の見張りを任された源次郎。
茶室でのやりとりを思い出します。
「戦は儲かりまっせ。人の命や心を金で動かすことは業の深~いことや」
茶室の外と中より、人の心と命を操る。
上杉景勝相手に茶を振る舞ったとき(15話『秀吉』)も。
江雪斎・源次郎、三成らの努力むなしく「北条を潰しなはれ」と秀吉に進言した(22話『裁定』)ときも。
あるいは秀吉に帯を買わせたとき(16話『表裏』)、北条に鉛を売ったとき。
利休はその『マネー』が動くことで何が起きるか、予見していたのかもしれません。
そしてそれは業の深いことだ、と自覚していた利休。
だからこそ自身の罪悪感をおさえるために茶の道を極めた。
利休にとっての茶は、つまり業そのもの。
利休から振る舞われた茶を味わう源次郎。
まるで源次郎、利休から『死の呪い』を受け取るようにみえて。
源次郎はなぜあのような木像と作らせたのか、と問います。
「ひと言でいえば、宿命や」
不気味な利休の笑い声を最後に、源次郎の回想は終わります。
■昌幸パッパが来た。
(ハードモード、いったん休憩)
京の真田屋敷に昌幸パッパと薫ママンがやってきました。
鶴松のアレがアレなのでしぶーい顔をしている源次郎ですが、昌幸パッパと出浦さんは半分(ていうか9割)何かを期待している感があり。
鶴松の病状を源次郎から聞き出そうとします。
「で、ぶっちゃけどうなの」
「だめ、教えない」
「ちょっとでいいから」
「だめ」
「誰にも言わないから!お願い!」
で、結果佐助を送り出したっていう。
マジでこの狸www
■沼田といえばYAZAWA
内臓が心配な人がもう一人。
沼田城の信幸兄ちゃん。
沼田城を治める大名となったは、いいものの。
YAZAWA「いいじゃんそれくらい!(・3・)」
沼田といえばYAZAWA!!
YAZAWAあらずんば沼田にあらず!
勝手に濠を作っちゃったから信幸に怒られてるんだけど、
『おまえの沼田はワシのもの』とジャイアン理論ぶちかましそうなこのプップクプー大叔父上。
沼田の主があまりにハードなものでかっこよく壁ドンしようと思ったら。
そこwww隠し扉www
セリフ残して姿消えちゃったよwww
■お巡りさん、この人です
お兄ちゃんの受難は続きます。
相変わらずツンツンな稲姫。
「ねえ笑って」
「じゃあ面白いことして」
無茶振り食らった信幸。
「こしょこしょこしょこしょ」
「こしょこしょこしょこしょ」
「お巡りさんこの人です」
不憫すぎるwww
■ラブラブミラクルパワー
で、今度は真田の郷。
ここで突然少女漫画がスタート。
*:・。,☆゚'・:*:・。,ヽ(・∀・)人(・∀・)ノ ,。・:*:・゚'☆,。・:*:
※突然画面が明るくなりましたが違うチャンネルでも故障でもありません
そんな花の溢れる真田の郷なのですが、ゴッドマザー・ばば様が寝込んでいました。
「たとえ住むところは違っても心はいつもひとつ。一家とはそういうものです」
……ばば様のこの言葉はテストに出そうなので覚えておきましょう。
■子飼いたちの楽しい水垢離
また話は京に戻ります。
三成と吉継のところにやってきたのは加藤清正と福島正則。
「殿下のために水垢離(水ごり)しようぜ!!」って言ってきた。
(そんなテンションじゃない)
でもつれない三成はいったんは断って、「おめーなんかもう誘わねえよ」って清正に言われちゃうんですが。
来た。
脱いだ。
自分に水攻めバッシャーン。
(いや、透けてるのも悪くないな)
『吉継が怖い』のくだりでも書いたのですが、『真田丸』における石田三成の第一印象は冷徹な男でした。
ところがこの水垢離においては真逆のもの。
もうどうしようもない、これしかない、と何かにすがるような三成。
清正たちにほだされた部分もあるのかもしれません。
そんな信心深く情に厚い男は「本当の汚れ仕事を知らない」と言っていた吉継。
以前吉継が15話『秀吉』で、三成のことを源次郎に話していましたが。
本当に吉継にはお見通しなのだなあと。
■なんか大事なこと言うのかと思ったら
ここで家康くん(見舞いに来てます)、何やら神妙な顔つき。
なんか大事なこというのかと思ったら……
「ちゃちゃさま」→言いにくい
「よどどの」→やっぱり言いにくい
■狸と狸の化かし合い
時を同じくして昌幸と家康は、『鶴松亡き後の世』を話し始めます。
2人は別室にいるのだけれど、巧妙なセリフまわしと場面転換でまるで2人が会話しているよう。
そして2人は顔をあわせるのですが。
「必ず全快されると信じております(棒」
「わしらには祈ることしかできん(棒」
「さようですな(棒」
巧妙な場面転換から、狸と狸の化かし合い。
幼い命が必死に闘ってるっていうのに、まったくもうこの狸2人め(しかし悪くない)
■全ての始まりはそこだった
ここからまたハードモードに入ります(※放送時の時系列は前後してます)
源次郎に明かされたのは「なぜあのような木像を作らせたのか」という疑問の答えでした。
それは茶々の言葉がはじまりでした。
かるいフィギュアサイズの利休人形が欲しい、と言った茶々。
ところが寸法を間違えてしまい原寸大利休が出来上がってしまった。
そこで茶々が提案したのが大徳寺。
『たられば』は禁句とはいうものの。
大徳寺の山門に木像を置かなければ、吉継に因縁つけられることもなかったでしょう。
茶々が「あのお寺」と言い出さなければ、大徳寺の山門に木像が置かれることもなかったでしょう。
茶々が木像を欲しがらなければ……利休は死を迎えることもなかったでしょう。
茶々はいわば死神の死神、利休にとりついた死神。
あの利休の言葉「宿命」の意がやっと腑に落ちる源次郎。
全ての始まりは茶々様だった。
(重要シーンなんだが、原寸大利休がジワジワくるんだよね)
そこに居合わせたきりちゃん。
そんな茶々様が怖い、みんなを不幸にしている、と。
悪気はないと源次郎が言うも。
「だから余計怖いの」
きりちゃんの言葉がますます重みを増してる。
■何のために生まれて、何のために死んでいくのか
そして、鶴松の命がいよいよ消えかけるとき。
秀吉はおもむろに、鶴松と遊んでいたおもちゃのある部屋へ向かいました。
その姿を追う源次郎。
「鶴松は何のために生を受け、何のために死んでいくんじゃ。
もっともっといい衣を着せ、美味しいものを食べさせ、楽しい思いをさせてやるつもりだった」
秀吉の淡々とした語り口。
それは天下人ではなく、愛する我が子を失いかけているひとりの父親のように見えました。
鶴松を目に入れても痛くないくらいに溺愛していた秀吉。
そして源次郎。
この人だけは純粋に描かれている。
元服後はどうする?奥方はどうする?と励ます源次郎。
吉継(三成も立場上)、家康、昌幸。
皆がしているのは鶴松が死ぬ前提の話。
源次郎だけは、真田源次郎信繁だけは鶴松が生きる未来を信じているように思えます(思いたい)。
「そしてこの国を治める」
「海を渡って明国でも攻め下ろすか」
秀吉に殿下の顔が一瞬だけ、口元にだけ戻った。
何故か安心した。
そして鶴松の命の灯が消えます。
ドラマの中とはいえ、歴史の中とはいえ。
まだ幼い子どもの死は辛い。
■茶々、慟哭
悲しく鳴り響くでんでん太鼓の音。
幼子に聴こえているか。
その場を立った茶々。
「死んでしまったんですもの、横にいたって仕方ないでしょう」
「皆死んでしまう。私の大切な人たち」
19話『恋路』で、「人が死んでも何とも思わない」と言っていた人と同じ人物とは思えない。
鶴松と過ごした日々は、「悲しむことをやめた」茶々様に『悲しみ』の感情を取り戻させたのでしょうか。
果たしてそれは茶々様が望んだことだったのでしょうか。
茶々様の哀しみを受け止めてくれる寧様がいてくれてよかった。
受け止める寧様が茶々様に抱いていたのは、同情なのか愛情なのか友情なのか。
それはわからないけれど。
でも今の茶々様に寧様がいてくれてよかった。
茶々の慟哭が、さらなる悲劇を呼ぶ。
そんなナレーションでこの回は終わります。
■前半戦終了
ところで、今日の回で『真田丸』半分終わったという事実が、さらに涙腺抉ってくる件。
豊臣建設もっとがんばれよおおおお(無理言うな
■がんばった大賞
第25回のがんばった大賞は片桐殿と薫ママンに決定。
ふたりで頑張って作った鶴松への煎じ薬。
ひとかけしかできなかったけどドンマイドンマーイ!
結局パッパが食べちゃったけどドンマイドンマーイ!
■次回『うりうり』
やだこのおっさんたち可愛すぎる。特に片桐殿。#真田丸 pic.twitter.com/hd6Ag5N3mo
— ゆずず (@yuzu0905) 2016年6月26日
■おまけだよ。
某SNSのスタンプっぽい25話の落書き丸絵 。しかしなぜ小早川さんをセレクトしたのだ自分( ゚д゚)#真田丸 #丸絵 pic.twitter.com/YN6iJac7cL
— ゆずず (@yuzu0905) 2016年6月27日
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