妄想ジャンキー。202x

あたし好きなもんは好きだし、強引に諦める術も知らない

『カルテット』は最後までけしからんかった!!

2017-03-31 10:48:15 | テレビ

ドラマ『カルテット』の話。


最終回終わっちゃったけどみぞみぞするぅ~



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『カルテット』がさらにけしからん!って話。

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■第1幕、大人は秘密を守る


舞台は軽井沢の別荘。

東京のカラオケ店で偶然であった4人の楽器奏者。
巻真紀(松たか子)、家森諭高(高橋一生)、別府司(松田龍平)、世吹すずめ(満島ひかり)。

別府君の一言で、カルテット(四重奏)を組み、「ドーナッツホール」として冬の軽井沢で演奏活動をしていくことになりました。

仲睦まじい4人が、実はそれぞれ『知られたくない秘密』を抱えていた、っていうのが第一幕。

真紀さんは、「カルテットのメンバーと軽井沢に住むことは夫も快諾してくれた」っていうのが大嘘。
カラオケ店のときすでに夫さんは失踪していたのでした。

別府くんは「カルテットのメンバーと偶然出会った」ていうのが嘘。
というより真紀さんのストーカーでした。



すずめちゃんが隠していたのは「イカサマ疑惑の超能力少女」っていう経歴。
もうひとつ。
真紀さんの義母である鏡子さん(もたいまさこ)の依頼を受けて、巻さんに接近しようとしていたので、別府くんと同じく「偶然出会った」っていうのが嘘。



家森は実は「バツイチ子持ち」。
元嫁絡みのトラブルで半田(Mammy-D)に脅迫されていました。
さらに家森もまた、真紀さんをゆする目的であのカラオケボックスにいました。



1話から4話まで、それぞれの秘密がクローズアップされます。
暴かれる秘密。
カルテットはどうなってしまうのか。

高橋一生の色気とか松田龍平のかわいらしさはこちらの記事でお楽しみください。
カルテットけしからん!これはけしからん!
『カルテット』がさらにけしからん!って話。




しかし、そんな生ぬるいもんじゃなかったですマジで。


 

 



■第2幕、好きとか嫌いとか欲しいとか口走ったら如何なるでしょう


第2幕。
秘密が明かされた4人ですが、それでも仲睦まじく暮らしていました。
さすが大人。
大人は秘密を守る。

しかし秘密を守らない子がひとり。


みんな大好き有朱ちゃん。

炎上ばっちこいの元地下アイドル、あだ名は淀君っていうなんともパンチの強い可愛いおっぱい大きい女の子。
カルテットのメンバーが定期演奏をしている『ノクターン』の従業員です。


すずめちゃんと鏡子さんがもめているところを目撃した有朱ちゃん。
自ら鏡子さんに接近し、真紀さんの盗聴をはじめます。
(この時点ですずめちゃんは巻さんと仲直り?していました)

「真紀さんは嘘ついたことあります?」
「旦那さんは生きていると思います?」

とナパーム弾をぼこすこぶちこんでいくっていう。

「夫婦に恋愛感情なんてあるわけないでしょ、そこ白黒はっきりさせちゃダメでしょ、したら裏返るもんオセロみたいに。大好き大好き大好き大好き大好き殺したいって

鏡子さんの依頼を受けて盗聴をしていること、すずめちゃんもそこに関わっていたことなど、息するように秘密が大炎上。
耐えきれなくなったすずめちゃんは別荘を飛び出してしまいます。


飛び出したすずめちゃんが偶然出会ったのが、巻幹生。
真紀さんの「夫さん」でした。


(「クドカンかよ!!!」って思わず声が出ました)

家森の友人だと言い張る幹生。
すずめちゃんは幹生を別荘に連れていくことに。
でも真紀さんは別荘にはおらず、教会で鏡子さんと対峙していました。

「あなたが幹生を殺したの?」と核心をつく鏡子さん。
真紀さんは「気付いたときにはなくなっていたから…彼の私に対する恋愛感情」と幹生との夫婦生活を語り始めます。






2013年の冬に出会った真紀さんと幹生さん。
順調に愛をはぐくんで、2014年夏には一緒に住み始めます。



「幹生と家族になりたかった」という想いをこめていた真紀さん。

バイオリンをやめた。
仕事に向かう幹生を見送る。
晩御飯には唐揚げを作って待っている。
唐揚げにはレモンを絞る。
「私、家族を手に入れたんだ」とかみしめる真紀さん。

なのですが、それは真紀さんだけでした。
ある日、居酒屋で偶然耳にしてしまった幹生の言葉。

「レモン好きじゃないんだよ。外で食べる時くらい自由に食べさせてくれよ」
「愛してるけど好きじゃないんだよ。それが結婚」





別荘ではすずめちゃんが幹生を問い詰めていました。
家森さんの友達だって言っているけど多分違う、真紀さんの夫さんだと勘付いたすずめちゃん。
しかもカラーボールで汚れたあとがあって、手には包帯が巻かれている。
尋ねてみるとコンビニ強盗をしてきたとか。

通報しようとするすずめちゃんなのですが、幹生から思わぬ話を聞くことになります。
「彼女のことはいつも考えてました……あ、好きじゃなくなったからです」

2013年、真紀さんのミステリアスな魅力にひかれた幹生。
巻真紀になってしまうことも笑って受け入れてくれた彼女。

順調に見えた2人だったのですが、幹生と真紀さんには決定的な違いがありました。



「結婚しても真紀と恋人同士のようでいたかった」
幹生はそんな願いをこめていました。

バイオリンをやめた真紀さん。
朝見送ってくれる。
晩御飯には唐揚げを作ってくれる。
唐揚げにはレモンを絞ってくれる。
本当はレモンが嫌いなのに「地球一美味しいよ!」と嘘をつき続けた。

「やっぱり彼女も普通の人だった」と落胆する幹生。
すれ違いをなんとか修復しようともがきながらも、そこはもうもう戻れない場所でした。

仕事も辞めてしまった幹生。
どんどんネガティブになって、ついに自宅マンションのベランダに足をかけて落ちてしまいます。

幸いにもケガで済んだのですが、そのときの入院先で出会ったのが家森でした。



そして居酒屋。
幹生は一緒に来ている同僚に話しています。
「愛してるけど好きじゃないんだよ。それが結婚」

真紀さんがいたこと、聞いていたことに気付いた幹生。
でももう巻き戻しはできませんでした。

「家族が欲しくて結婚した」真紀さん。
「結婚しても恋人のようにいたかった」幹生。


すれ違ううちに、真紀にとって幹生は「家族ではなく片思いの相手」になっていて。
幹生にとって真紀さんは「恋人ではなく家族」になっていた。

お互いに欲しかった物がさかさまになっていました。

真紀さんはちゃんと向き合おう、ちゃんと話そうとします。
しかし幹生は耐え切れずに、靴下を放置したまま失踪してしまいました。





教会。
事の経緯を真紀さんから聞いた鏡子さん。
それまでは「息子は嫁に殺された」と怒りをぶつけていましたが、幹生を真紀さんの元に連れ戻すと言います。

でも真紀さんの気持ちはもう決まっていました。
「離婚届、出したいと思ってます」


別荘。
すずめちゃん幹生のコンビニ強盗の件を通報しようとしますが、すずめちゃんガムテープで口をふさがれ足も縛られて身動きの取れない状態になってしまいました。

その別荘へ一人の招かれざる客。


不穏大好き有朱ちゃん。

真紀さんのバイオリンを盗んで売り飛ばすために侵入したありすちゃん。
しかし幹生と遭遇し、もみあいに。

勢いで有朱ちゃんはベランダから転落してしまいました。



鏡子さんと別れ、別荘に帰ってきた真紀さん。
幹生とついに再会しました。

しかし問題は山積み。
幹生はコンビニ強盗をしたわけだし、すずめちゃんを監禁している。
ありすちゃんを殺害してしまった。

意外にも真紀さんはそんな幹生を受け入れました。
「逃げよう…誰もいないところで一緒に暮らそう」

有朱ちゃんの遺体を車に積み込む2人。
2人でカルテットドーナッツホールの車に乗り込んで逃げようとするのですが、今度は幹生が意外な行動にでます。
真紀さんを置き去りにして車を発進、そのままダムへ向かい自分も車もトランクの遺体も一緒に沈もうという考えでした。

ところがどっこい、淀君がそう簡単にくたばるはずがない。

幹生が車を離れたすきに運転席にうつり、車を奪って逃走する有朱ちゃん。
バック発進で山道から去っていきました。



置き去りにされた真紀さんはノクターンの車で幹生を捜していました。
向こうからやってきたドーナッツホールの車とすれ違ったとき、運転していたのは有朱ちゃん。
2人は「ごめんなさい」と同時に謝り、他は特に何も語らず車を乗り替えます。

真紀さんはその後幹生を見つけ、東京の自宅へ向かいます。
東京のマンション。
おでんを囲み、普通の話で盛り上がる2人。

しかし幹生は突然に別れを切り出すのでした。

「ごめんなさい、勝手にいなくなって」
「感謝してる、ありがとう」
「結婚してずっと幸せだったよ、好きだったよ」


と別れの言葉を交わし、結婚指輪を外し、離婚届を提出したあと。
幹生は本郷警察署に出頭しました。



軽井沢に戻った真紀さん。
離婚して巻真紀から旧姓の早乙女真紀に戻ったことを報告します。

暖炉で思い出の詩集を燃やして。
バイオリンを手にとって。



ここで終わるかと思った?
まだまだここからが本番。




■第3幕の前に閑話休題


 

このころ話題になっていたのが『時間軸説』。
スマホに表示される日時や、真紀さんちのマンションのインテリア、離婚届など。
画面に映り込む様々な時間情報を統合していくと、どうやらシーンが巻き戻っている?という説です。

結論から言うと巻き戻っているわけではなく、単純なミスでした。



当ページを見てくださってる方はもうご存知だとは思うんですが。
公式アカウントさんのこのツイートから5つ「時間は巻き戻っていない、シーンは1話から順番に進んでいる」ということが明らかになっています。

詳しくはこちらのトゥギャッターさんに。
#カルテット 時間軸がずれている説考察まとめ「巻真紀の名前もこのためか」

私は、このズレなんて全く気付いてなかったし、録画を見返す時間もなかったので「へぇー気付いた人すごい」くらいにしか思っていませんでした。

というか逆に疑問でした。
「これはこれで面白いのに公式は何で否定するんだろう?」って。





上記の公式発表を見て、こんなことを考えていたのですが。

それから2週間後に「すげええ!!!佐野Pが否定したのそういう裏があったのか!!!」って思わず膝を打つことになるとは……




■第3幕、白黒つけるのは恐ろしい


穏やかな日常に戻る3人。
ですがそれぞれ行き場のない矢印を抱えていました。
家森はすずめちゃんに、すずめちゃんは別府君に、別府くんは真紀さんに。
それぞれの片思い。



新たな秘密を抱えることになった4人。
そのころ、別府君の弟から『別荘売却』の話が持ち出されました。

別府弟の「無職…ダメ人間じゃん」の言葉を耳にしてしまったのはニートのすずめちゃん。
このまま自分がダメ人間では別府君が幸せになれない。
ダメ人間から脱却すべく、立ち上がります。

前職が不動産関係で宅建資格を所持していたこともあり就職活動はスムーズにいきます。
買い物も洗濯も出来る。
ダメ人間卒業を目指すすずめちゃんは、別府君の幸せ、別府君が真紀さんと一緒になることを祈るのでした。



コンサートのチケットを2人に渡し、自分はひとり夢を見るすずめちゃん。
現実は楽しそうに過ごしている別府君と真紀さん。
すずめちゃんは片思いに終止符を打ちます。

別府君もまた真紀さんに思いを告白。
しかし玉砕。

ひとり家森の片思いは、すずめちゃんに伝わることなく静かに消えました。


っていうね、このままね、終わればね、ぐっすり寝られたよね。
(この日の放送時間は野球中継延長のため23:00過ぎからで、放送終了は0時を回っていました)

4人の矢印があっち向いてこっち向いてしているころ。
鏡子さんの元を訪れていたのは富山県警の大菅警部(大倉孝二)でした。

 
「実際の早乙女真紀さんは、この女性とは全くの別人です」
「じゃあ誰なんですか」
「誰なんでしょう。誰でもない女ですね」


放送開始以来最高にみぞみぞする1週間を過ごして、次の放送を待つっていう。




早乙女真紀の正体は、『山本彰子』という名前の女性でした。
自転車事故で母親を亡くし、義父から虐待を受けて育った女性。
その父親が心不全で亡くなると同時に姿を消し、ヤミ金業者に売りに出されていた『早乙女真紀』の戸籍を買った女性。

富山県警は真紀さんを「山本彰子」として、義父殺しの疑いをかけ捜査していました。

そんなことを知るはずもない軽井沢。
別荘売却案が家森や真紀さんにも知られるところとなってしまうも、別府君が守っていくと宣言。
有朱ちゃんは「ノクターン」のオーナーを誘惑するも失敗、ノクターンから去ることになりました。

代わりに家森がノクターンに勤めることになり、祝賀会がで盛り上がる夜。
大菅警部ら富山県警の面々が軽井沢にやってきました。
翌日の任意同行を求められる真紀さん。

そしてメンバーに真相を語り始めました。

「14年前に戸籍を買いました。それからずっと早乙女です。なりすましてました。それから、夫も皆もずっと騙してました」

涙を流す真紀さんを励ますのはすずめちゃん

「真紀さんは奏者でしょ?音楽は前に進むだけだよ!一緒…人って好きになった時、人って過去から前に進む。私は真紀さんが好き!」
「今、信じてほしいか信じてほしくないか。それだけ言って?」


真紀さんは涙を流しながら、それでもしっかりと声を張って答えました。

「信じてほしい」


そして最後の晩餐を終えて翌日。
ノクターンで最後の演奏を終えて。


「あの日、カラオケボックスで会えたのはやっぱり運命だったんじゃないかな。明日、会えると良いね。会おうね」

涙の別れを告げて、再会を誓い、真紀さんは警察車両に乗り込みました。




それから1年。



真紀さんは起訴されたものの執行猶予がつきました。
でも軽井沢には戻らない、音楽の仕事ももうしないと言います。

マスコミはやりたい放題なもので、真紀さんのコロッケデートがフライデーされると、すぐに別府くんの家の事情や、すずめちゃんがあれほど隠したかった過去も紙面に取り上げられてしまいました。
もうすっかり有名になっちゃったカルテットドーナッツホール。



家森はどうしているかといえば、割烹ダイニング「のくた庵」で週7日働いていました。
すずめちゃんもお仕事の方でステップアップ。
しかし別府だけは会社をやめて無職になっていました。


「もう解散しましょう。真紀さん、もう戻ってこないと思います」
「解散するなら真紀さんにバイオリン返してから」


真紀さんの住所を別府君が探し当て、団地に向かうメンバー。
とはいえらちが明かないので、音楽でおびきだすことに。



公園で演奏を始める3人。
その音につられて真紀さんがやってきました。


「真紀さん連れて帰る」

真紀さんも一緒になって軽井沢へ帰った4人。
久しぶりの食卓では家森が相変わらず面倒です。




真紀さんは夢を語り始めました。
大ホールでコンサートをしたい。
集客は困難かもしれないけれど、自分たちはある意味有名人だ。

なりすまし美人バイオリニスト。
嘘つき魔法少女。
別府ファミリーの長男。
元Vシネ俳優。


 

 

それまで隠していた秘密を武器に、4人は立ち上がります。
それはドーナッツホールの夢。
夢を追いかける大人たち。


「手紙の主」がじっと見ていました。
谷村夫妻や半田、有朱ちゃんもじっと見ていました。


ありすちゃんの言う通り、人生は案外にチョロいものなのかもしれない。






そして次の春。



リスがやってくるころ、別荘は売りに出されました。

 

いつものバンで新たな地へ向かう4人。
砂浜で笑いあう4人の姿で、物語は終わります。




■面白かった!!





こうやって振り返ってみるとすごいドラマでしたね。

松たか子さんと満島ひかりさんのシーンなどで強く思っていたのですが、『セリフが音楽になって踊っている』こと。
4人の会話がそれぞれの音を奏でてカルテットになっている。

何より「巻き戻っちゃいけない理由」が衝撃でした。


「僕はもう、人生やり直すスイッチがあっても押さないよ。カルテットのみんなに会えた事で過去も未来も何も変えたくない。今までの人生も全部受け入れられる。じゃないと此処に居なかったからね」

家森も真紀さんも、別府君もすずめちゃんも。
色々あったけれど前を向いて進んでいく。
巻き戻らずに進んでいく。
音楽を奏でるように進んでいく。


そういう物語なのだから、巻き戻っちゃいけない。
時間軸入れ替わってる説は否定されなければいけないんだって。







■余談、野球中継延長とドラマ。






好きなドラマの放送時間が気になってお茶の間でテレビに釘付け。
若者のテレビ離れっていうけど、まだまだ捨てたモンじゃねえなって涙腺が緩みました。
WBC延長につき #カルテット 実況勢が「プロ野球を見たがるオヤジと、そのあとの番組をみたい娘」でTLが昭和のお茶の間の風情



■ここまで読んでいただきありガトゥーショコラ












センキューパセリ!



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