筑紫文化財研究所

筑紫における歴史的文化の探求と漫遊

伝産品の今

2010-02-13 23:05:15 | 日記


今日は筑後地域の伝産品に関係する行政の方とお話しができました。
久留米絣の業界では今は不調と好調が業者間で明確になり、
きびしいとろこはさらに厳しさを増しているそうです。
行政も融資や啓発に積極的なようですが、業界としての統一感が薄れ、
業者間の協力関係もなかなか難しいようです。
好調な業者には染めの脱色や織りのデザインに工夫を凝らすなど
新たな商品イメージを作り出そうとしているところもあるようです。

江戸時代から続いてきた産業はずっと江戸時代以来の
仕事をそのまま続けて来たわけではありません。
時代時代に呼応した技やデザインを確立して
その命脈を保ってきたからこそ、今に続いています。
革新的な取り組みは時に特許の要件や伝産品指定の要件、
組合指定の商品の約款の枠に嵌まらなくなることがあり、
そこに現代の伝産品の苦悩が生まれてしまいがちです。
本物を残すためにシェアを確保する。
行政にも業界組織にも柔軟さが求められます。


シェアと後継者を失った伝統工芸は過去の文化財に・・・

2009/12/14(月)
福岡県は、県指定の伝統的工芸品35品のうち、博多絞など4品の指定を年内にも
取り消すことを決めた。実態調査の結果、後継者がおらず、生産が途絶えていることが
判明したためで、77年の指定制度の創設以来、取り消しは初めて。熊本、鹿児島
両県も同様な実態調査に乗り出す方針で、伝統工芸の消滅の実態がさらに拡大する
可能性もある。

指定が取り消されるのは▽博多絞(福岡市)▽手吹きガラス(北九州市)▽筑前ブン
ブン凧(直方市)▽広川下駄(広川町)。

制度は伝統工芸の振興が目的で、指定要件は(1)県内で生産されている(2)日常
用品として使われている(3)原材料を含め特定の製造方法がある--の3点。
指定品は県庁などで展示され、観光パンフレットにも掲載されるが、国指定のような
経済的な支援措置はない。

博多絞など4品は、県が昨年から今年にかけて実施した初の実態調査で、職人の引退や
廃業によってこの10年近く生産されていないことが判明。県は指定要件を満たして
いないと判断した。

http://www.unkar.org/read/anchorage.2ch.net/bizplus/1260768138より
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