之(これ)を亡ぼせり、命なるかな
「伯牛(はくぎゅう)、疾(しつ)有り。之を問う。牖(まど)より其(そ)の手を執(と)りて曰(のたま)わく、之を亡ぼせり、命なるかな。斯(こ)の人にして而(しか)も斯の疾(やまい)あるや、の人にして而も斯の疾あるや。」
■その意味は?
伯牛が不治の病にかかった。孔子(先生)が見舞いに行かれて、窓から手を取り、歎いて言われた。
『惜しい人がなくなる。天命かな。それにしてもこのような立派な人物がこんな病にかかるとは。このような立派な人物がこんな病にかかるとは。』
(「論語」一日一言より)
■感想
世のため人のために、その身を一心に捧げられた人物といえど、寿命には勝てない。しかし、遺されたものが、その人物の志を受け継ぐことが大切なことであり、そうして何代にも何代にもかけて、天下泰平の世を築き上げていくものといえる。