2018年5月23日 朝日新聞
佐賀県上峰町にある大規模商業施設「イオン上峰店」が来年2月28日に閉店することになった。運営母体のイオン九州が22日、発表した。
店舗面積は2万2765平方メートル。イオン直営店の従業員は148人(うち34人が上峰町在住)で、ほかに27の専門店がテナントとして入っている。
1995年、九州ニチイ(当時)が運営する「上峰サティ」として開店。県東部一帯や福岡県久留米市などを商圏に集客を図った。だが、九州ニチイが名称変更したマイカル九州が2001年に経営破綻(はたん)し、07年にイオン九州に吸収合併された。11年にイオン上峰店と店名を変更し、再起を目指した。
しかし、関係者によると、近年は建物の老朽化が進み、佐賀市や久留米市にある後発の大型店との競合もあって、売り上げが落ち込んでいたという。
上峰町の武広勇平町長は同日、福岡市のイオン九州本社を訪ねた。同社役員は「従業員の雇用は100%守る。グループ企業の店舗への配置転換などで対応したい」と話したという。武広町長は「イオンがあるから、と上峰に転居してきた人も多い。閉店となれば町づくりへの影響も大きく、議会や商工会と連携しながら対策を練っていきたい」と話した。(大野博)
【 所 感 】
まずは、こうしたニュースを読むたび思うことですが、広告主に対しては「甘い」といいますか「擁護する」といいますか、何にせよそうした類の記事が目立ってなりませんが、それが悪いのかといえば、新聞社はあくまでも民間企業ですからそれもやむ無しといったところでしょうか。
しかしながら、報道の公平性を考えたなら、やはり許しがたいことともいえますが、なにわともあれマスコミ批判はここまでとしときましょう。
さて、イオンという大企業に関してですが、マスコミなどが絶対に言えないことを、二点だけ述べてみたいと思います。
■ 建物の老朽化を理由に閉鎖はありえない
イオン九州の今回の決定事項は、完全に消費者および労働者を馬鹿にしているとしか言わざるを得ません。なぜなら、営業店舗の老朽建替えなどのロス費用というのは、本来ならば各商品の料金などにも反映されているわけですから、閉鎖という判断はまさにロス費用の持ち逃げ行為(非道義的行為)に相当することであり、「トンズラ根性も甚だしい」としか言いようがないと考えます。
ですから、赤字が膨らんでのことでもない限りは、老朽化による閉鎖というのはありえないことであり、莫大な費用をかけて宣伝広告してみたり、さらには他の地域に新たな店舗拡大を図ってみたりと、そのような資金面の余裕があるならば、過疎地における店舗の維持というものを最重要視し、地域活性の核となっていただきたいものです。
■ 地域活性の核となれない理由
やはりといって、イオンがその町々から撤退するリスクというものが、図り知れないほどに大きなものとなりました。小さな商店などは価格帯や利便性の悪さから忌み嫌われ、多くが暖簾をたたまなければならない状況に陥りました。
なかには自らの生命を絶った店主もありましょう。失われたものは蘇ることはありません。
そうした犠牲を踏み台にしながらも、しかし中には懸命に地域活性化のために尽力される人もあることを忘れてはいけません。
イオンという企業にかかわらず、こうした人たちが中心となった経済システムへの大構築・大改革こそが、わが国がもっとも迅速に取り組まなればならない問題なのです。
以上、二点述べさせていただきましたが、つまりは真の地域活性化というのは、大企業任せや政治家任せではないということであり、国民が真剣に考えてこそ生み出される"意識"の変化によるものと考えますが、この道は相当険しいものと認識しなけれならないこともまた事実であります。
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