MacあんどDTP&デザイン奮闘記

購入したMacが5台連続で初期不良品だった為、トラブル対策で学んだ事、DTP、デザインについて書いている。

デザインの成功って?

2006年04月23日 18時10分12秒 | Weblog
どんな仕事でもそうですが、デザインでも報われない仕事って多々あります。

入社して間もない頃、某メーカーのカタログの改訂を請け負いました。
まだコンセプトも、カタログにのせる品物も決まっていない、しかし入稿日だけは決まっているという状態から始まりました。
改訂箇所は表紙だけでなく、内容も何十ページかリニューアルしたいということで3人体制のチームを結成し、オペレーターのスケジュールも確保しました。

とりあえず表紙案を出してほしいということで、何パターンもの表紙アイデアを出しました。
「こういう表紙だと内容はこうできますよ。」
という、内容についての提案もできるものでした。

その表紙案を見たクライントは、
「こういう表紙もありか」
「こういう表紙だとこういう内容にできるのか」
から
「いろいろできる可能性があるんだ!では、今回決めずにプレゼンを行ってみたい!」
という展開になってしまい、
「表紙のプレゼンは来年行う。今回のカタログの改訂の話はなかったことにしたい。」
ということになってしまいました。

週末にこの話があり、週末にチームを解散し、請求書の作成も終えてほかの仕事にそれぞれ取りかかった週明け。
「やはり表紙は今のまま、内容だけかえたものを今回出したい。数ページだけリニューアルして今週中に入稿。」
となり、一回解散してしまったため、チーフだった人が動けなくなり、てんてこ舞いしました。

「なんか報われない仕事だったなー」
と、思って数ヶ月後。
チーフと「報われない仕事はほんと多い」という話になり、このことを言うと
「それは違うと思うな。世に出なくても、形にならなくても、クラインとの心を動かしたんだから、それは成功して報われた仕事なんだよ。たった一人でも、誰かの心を動かせれば、それだけでその仕事は成功したと言えると思うよ。」
と言われてはっとしました。
いつのまにか、形にすること、世に出すことだけを成功としていたんですね。

デザインは何のためにするか。
クライントのため?見る人のため?
いろいろな視点から、もう一度初心に返って考えたいと思っているんですが、中々考えがまとまらない日々です。
デザイン部に戻るまでには答えを出したいです。

源流検査

2006年04月19日 00時21分01秒 | Weblog
DTP修行となって(2006年04月04日)
に書いてある「源流検査」ってなんですか?
という質問がありましたが、「源流検査」とは印刷会社の協力のもと行う赤字チェック方法です。

赤字を直したら、クライアントの赤字が入った色校なり、指示FAX(以後修正指示)に、色鉛筆のようなダーマトで丸をする。
赤字を直したファイルを出力して、もう一度赤字部分を確認。
直っていたら、今度はさっき修正指示に書いた丸の中にチェックマークを書く。

間違っていると思われるが、こちらで確認不可能な箇所を見つけた場合は、別の色のダーマトで丸をする。

入稿や下版前にこれを行い、源流検査を行った指示紙と出力紙(カンプ)と一緒に印刷会社に渡します。
印刷会社によりますが、これに一番上の方の判子が押してないとだめ、とかいう場合もあるようです。

ちなみに、色校時は内校(内部校正の略)などで出てきたミスは、修正指示にサインペンなどで「ここはこうしました」と記載。
(本来はこれも別の色のダーマトで記載し、丸で囲むようですが、私のいたチームではサインペンで行っていたので、わたしもそれに習っていました。)

下版時に見つかったミスは、赤字確認は電話などで行い、指示を必ずメールかFAXなど紙に残せる形で送ってもらい、それに源流検査を行います。
下版時の気を利かしたつもりの勝手な修正は厳禁。
「指示のある箇所以外は、直したくなっても絶対にデータを弄ってはならない。」
と、いつも耳にします。

下版前だけでなく、うちでは基本的にカンプなどで一回でもクライアントに提出したものは、大きな間違いがあっても勝手に直しては駄目という事になっています。
「言った言わない」の原因になったり、印刷事後があった場合、責任の所在がはっきりしなくなるので、必ず「これはこうですよね?」と確認し、修正指示を出してもらいます。

また、下版時に渡した修正指示はもう戻ってこないので、何かあった時の為にコピーをとっておきます。(約半年くらい保管)


欧文(英語)を使ったデザインで

2006年04月09日 14時39分29秒 | Weblog
DTP修行の、ずっと前のことですが。
ある月刊誌の、英語のニュアンスについての連載ページをリニューアルすることになり、そのデザインをまかされました。
3案出したのですが、そのうちに1案に、1l(1行)の欧文を横向きにして、小口の余白部分も利用し、大きく縦に配置したレイアウトをしてみたい。
と思ったんですね。

そしたら、チーフが一言。
「あのね、欧文を縦にするデザインをよくやりたがるのは日本だけなの。欧文は横書きでしょ。ほんとはあり得ない扱いな訳。だから、本当はやっちゃいけないデザインのうちの一つだよ。それと。英語の話をするときに、正しくない扱い方してどーすんの?」

私は、ごもっともです、思慮が足りませんでした。と、すぐ引き下がったのでした。

最近、自宅近くにできた大型本屋では、海外の雑誌のコーナーがあり、海外の雑誌を見るようになりました。
この出来事から数ヶ月間、欧文を縦にしたレイアウトを気にしてみてみると、ものすごい数の雑誌の中で1つだけ見かけただけでした。
なるほど、確かに日本だけやりたがるデザインだあ。と、実感しました。

DTP修行となって

2006年04月04日 22時47分33秒 | Weblog
先週から、DTP部で2ヶ月の修行を行わせてもらうことになりました。
その後、どうなるかはその時次第。

DTPトラブル対策や、アプリケーションの操作がまだまだで、試行錯誤に時間をとられて、校正時間にしわよせが行き、印刷事故に繋がりかねない間違いがあることがありました。
カタログのスペック(スペック=商品説明)の価格のカンマの位置が1桁ずれていた事、
赤字の修正箇所の入力ミス(醸と嬢の間違い)
と、違う案件で短期間の間にミスがあったこと。
醸と嬢の間違い問題は、源流検査を依頼している大手印刷会社から指摘あったのですが、ミスが続いたうちはかなり注意されてしまい、うちの信用がゆらいでしまったようです。
それが下版前の事だったのが、この修行の決め手となりました。

修行の話が持ち上がった次の日にはDTP部に移動。
急に話をふられた上、話の持っていかれ方の順番が狂ったいきさつもありDTP部としては、納得の行かない面もあったようですが、それでもDTP部のチーフは
「とくに担当は決めないけど、教える気は満々だよ」
と、言ってくれました。

DTP部の方は
「2ヶ月は取りあえずの一区切りで、いきなり首とかにはしない。」
と言ってくれていますが、上層部には
「だらだらやるのはダメ。うちにいるためには、この2ヶ月しかないと思って頑張りなさい。」
と言われていて、いずれにしろこの2ヶ月が踏ん張り時なのは間違いがありません。
信用が揺らぐような事をした私を、すぐ首にせずに教えてくれる会社に恵まれましたが、それに甘えることなく頑張りたいです。


上層部の方からこの修行の話をされた時
「あなたはDTPに行ってもらいます。」
という出だしだったので、一瞬修行でなく、DTP部に移動になるのかと落ち込んだのですが、チーフやディレクターに
「足場がためだからね、しっかり覚えてきなさい。」
と言われて、頑張ればデザイン部に戻れる!絶対戻りたい!
と、やる気が湧いてきました。

修行が決まった時、デザイン部の方には、
「操作や技術は後からついてくるから、いかに集中するかとか、最初の段階の情報整理の仕方、仕事の流れ。。。そういったことをもっと理解してくること。」
と言われ、DTP部の方には
「mac使いとして、DTPに携る者として技を盗んでスキルアップしてほしい。」
と言われ、どちらも目標としています。

修行が始まった今では、移動先の横の席の方には
「いかに正確に、早く仕事を仕上げるか。それが全て。」
と、画像処理を素早く終える方法を教えて頂いたり、毎日何かを誰かに教えて頂いています。

ちなみに、DTP部は帰りが早いです。今までより平均2時間早く帰れます。
その時間、何をするか??
もちろん、デザインの勉強。
忙しい為、引き出しを増やせそうな本を買っても、読む時間のなかった本を次々読んで、デザイン部に戻れた時に備えています。

さ、本日もこれから頑張るか~。