こんばんは。
オリンピック盛り上がっていますが、いろいろ問題もあるようで。
選手村の食事の問題とか、選手村から会場までのバスの問題とか。記事を観るといろいろ不満も出ているようです。
オリンピック(国際大会)の審判も大変です。柔道の審判もいろいろ言われています。
開会式を全体観た訳ではないのですが、韓国の紹介アナウンスで「北朝鮮」の国名を言ってしまったようで、他にももう1回あったようです。これは怒りますよね。何の競技か忘れましたが、南スーダンの国家を流す時に「スーダン」の国家を流してしまったなど、トラブルもいろいろあるようです。
いろいろ大変ですが、安全に競技が進むことを願っています。
【カンボジアの”労働者への弾圧"】
Yahoo!ニュースの「弁護士JPニュース」からなのですが。
アシックスは、今回のパリオリンピックで、日本オリンピック委員会と国内最高位のスポンサーである「ゴールドパートナー」契約を結んでいます。
パリオリンピックでは、日本選手団が大会時に着用する公式スポーツウェアやシューズの製作も担当しています。
(余談ですが、東京オリンピックでの汚職の問題があり、今回の開会式で着用した服一式など、メーカーがどこかは公式には紹介されていません)
そのアシックスに関連することなのですが。
アパレル業界などにおける労働者の権利擁護を目的とする国際団体Worker Rights Consortium (WRC)より、アシックスが生産委託をしているカンボジアの縫製工場で起きた労働者の権利侵害事件について適切に対応するよう求める通知書を送付したとのことです。
その権利侵害事件とは。
アシックスの生産委託先(アプライヤー)のカンボジアの有限会社Wing Star Shoes (WSS)で、2024年1月に、2万人以上の労働者が働いている工場で、「トイレへのアクセス制限の撤廃を含む労働条件や待遇の改善」を目指して労働組合が結成され、委員長には同工場の労働者のチェア・チャン氏が選出されたとのことです。
WRCの長さによると、WSSは、チャン氏に対して組合活動を止めるように圧力をかけ始めたとのことで。
2024年2月に、「2022年に工場内で労働者による窃盗行為が発生しており、チャン氏がこの行為を目撃しながら報告していなかった」と主張、窃盗の「共謀」にあたるとして、チャン氏を掲示告訴したとのこと。ただ、一方で窃盗の実行犯とされる労働者に対しては告訴を行わなかったとのことです。
現地の警察は、工場でチャン氏を暴行した上で、令状がないまま逮捕したとのこと。無令状の逮捕はカンボジア法上の違法逮捕にあたるが、チャン氏はその後4か月以上身柄拘束された上、刑事公判にかけられたのち、6月に懲役1年が言い渡され、最低でも180日は身柄拘束が続く見通しとのこと。
では、なぜ、カイボジアの企業での問題について「アシックス」に申入れがされたのかですが。
カンボジアでは、労働法や刑事司法に関する手続きや制度が適切に機能しておらず、政府と企業が癒着しているために、労働者の団結権侵害が放置されて、刑事弾圧も横行しているとのこと。
つまり、WRCとしても、WSSに申し入れたところで改善が見込まれないため、発注元である「アシックス」に対応を求めたようです。
一方、アシックスはホームページに「ブジネスパートナー管理方針(サプライヤー行動規範)」を掲載しており、「生産委託先工場に対し、働く人々が労働組合を組織しそれに参加する権利、及び団体交渉をする権利の認識と尊重を求めています」とも記載しているとのこと。
また、実際に2013年にWSSの工場で天井が崩落し3人が死亡する事故が起こった際、アシックスは被害者や遺族に対する直接の謝罪や補償を行い、再発防止措置を行っているとのことです。
この記事では、アシックスも適切な対応を行っているとのことですが。
チャン氏の身柄拘束については、司法への介入は難しいものの、チャン氏の健康と安全を最優先に諮られるよう努めているとのことです。
現在、企業活動の中で、サプライチェーンの構築は最重要事項で、安定的な生産、販売を継続するためには安定した取引先の確保が重要です。
それが、日本企業以外である場合も多く、また、工場などは日本国外にあることが多くなります。
その拠点がある国がどういう国であるのか。様々な問題は発生しますが、発注元として、ある程度の責任は持つ必要があります。
中国の新疆ウイグル自治区で生産された「綿」を使用しないこと。これは、中国政府のウイグル民族弾圧に対する国際的な共通認識になっていますが。
自社が製造する製品の原料が、どこで生産され、どこで加工され、どこで製品化されているか、事細かく把握しておく必要があります。
いつ問い合わせがあっても答えられるようにしておかなければならない。
何か「こと」が起こった時に、「把握できていなかった」では済まない。
今は、そういう時代です。
「アシックス」のこれまでの対応は、サプライヤーにも責任を持つ姿勢が示されています。今後も、継続してWSSだけでも、法令を遵守し、労働組合、労働者の権利が守られるよう、サプライヤーと協力して進めてもらえればと思います。
では、また。