夢実現研究会2009

団塊世代の生き方を考えよう。

経済的自立:起業:起業ヒント

2009-03-16 13:19:47 | 経済的自立:起業
島田晴雄:めしのタネ発見地図
要約


ビジネスチャンスが変わった
〇〇新時代のウオンツで産業を興す
■売れない時代と嘆く前に、人々のウオンツを的確に捉えてニーズに転換し、商品やサービスに盛り込めば、デフレスパイラルも怖くない。
〇新時代のウオンツで悪循環を断つ
① 現在は極めて厳しい状況にありますが、真の解決には、新しい産業構造に対応した日本の21世紀型産業をどう構築するかを考えなくてはならない。
② そもそも、人々が抱えている潜在的な需要ウオンツは、新しい技術・サービスに出会わないと、明確な顕在需要ニーズとなりません。
③ さらに、産業の側が、その新しい技術を具体的な商品・サービスとして提示しない限り、消費者はこれが欲しいとはっきり表現できません。
④ 人々はいつでも、実現したら素晴らしいという欲求を潜在的に持っているものです。

〇産業の力でウオンツをニーズに
① 例:アート引越センター
② 並みの運送業者と決定的に違うのは、引越を運送業でなくサービス業と考えたことです。
③ そもそも引越は主婦の負担が大きく、実際に注文するのも8割が女性です。
④ そこで、主たる顧客である主婦の手間をいかに省けるかが大事なポイントと考え、ここに絞ったサービスを追及しました。
⑤ まさに共働き主婦である社長自身の最も欲しいサービスだったのです。
⑥ 時代はまさに成長経済下で、働く女性が増え、引越需要も高まっていました。
⑦ このような時、同社は女性の立場に立ったサービスを次々に提供していきました。
⑧ 「コンテナ型の引越専用車」→古い家具を見られたくないように配慮+「走る殺虫サービス」→家具と一緒にゴキブリなどの害虫を一緒に引越させない+「エプロンサービス」→引越したその日から日常生活ができるように、ベテラン女性スタッフが後片付けを手伝う+「レディースパック」→男性に荷物を触れさせたくないという女性に配慮してすべての作業を女性スタッフだけで担当する+「ワンストップ」→引越の際の必要な手続きを無料で代行する+「ふたつよろしくサービス」→引越先の近所に迷惑とお詫びと挨拶の二つを代行
⑨ いずれもわが国で初めての試みばかりです。
⑩ このようにして、主たる顧客である女性が欲するサービスを提供するという観点から「引越サービス」業という全く新しい生活総合サービスを構築するのに成功した。
⑪ アート引越サービスが創業する前から、主婦を中心にこれらのサービスを望む需要ウオンツは存在していたのです。
⑫ このウオンツを巨大なニーズとして顕在化した功績は、まずサービス業としての可能性を追求した同社の発想力の豊かさにあります。さらにそれを徹底的に追求する実行力によって具体化されました。この発想力と実行力なくして現在のようなニーズは生まれなかったはずです。
⑬ このように新しい時代のウオンツを捉え、ニーズに転化できるのは、新しい技術・サービスで消費者に「こういう需要がありうる」と教える産業の力にはかなりません。

〇〇生活産業が強く求められている
■健康、安全、安心、便利などのウオンツを満たす生活産業は、サービス産業、技術革新、都市再生が一体となって実現する。
〇新たな成長のS字カーブを描く
① わが国は、急速な高齢社会の到来によって需要構造が大きく変貌し、成熟社会を迎えています。この少子高齢化と成熟社会のウオンツに応えるのが生活産業の役割です。
② 今後大きく、伸びると期待されるウオンツの具体的な中味は、健康、長寿、高齢者ケア、安全、安心、快適、便利、美容、コミュニケーション、自己啓発などが考えられます。
③ これまで懸命に働いてきたわが国では、勤労者、生活者を快適に幸せにするという類の発想は、なおざりにされがちでした。
④ 日本人に生まれてきてよかったと思わせるサービスこそ、心を捉えるはずです。
⑤ 人々のウオンツを的確に捉え、生活産業を盛んにすれば、それぞれがS字カーブを描きつつ、経済の収縮を乗り越え、デフレスパイラルからの脱却にもつながります。

〇サービス・技術・都市の連携が不可欠
① 生活産業を総合的に創造するには、サービス産業、技術革新、都市再生が三位一体となって重要な役割を果たす必要があります。
② サービスの経済化は先進国に共通の現象です。グローバル経済になったために、先進国では労働集約的な産業を継続することは困難になり、技術革新を続けながら付加価値の高い産業に移行せざるを得なくなりました。
③ ところが付加価値の高い産業では雇用が少ないために、雇用を吸収しやすいサービスの経済化が進むようになります。
④ 今後飛躍的に伸びると期待される需要「健康に対する不安解消需要→遺伝子治療、介護サービス」「自由時間に対する需要→安価な保育サービス、日常支援ロボット」「豊かで居心地の良い空間消費に対する需要→高齢者に快適な住宅、環境に優しい低公害車」「コミュニケーションに対する需要→IT活用のコミュニケーション」「自己啓発・再教育に対する需要→多様なマルチメディアコンテンツ」

〇高齢成熟市場に産業を合わせる
① 21世紀を特徴付ける高齢成熟市場にこそビジネスチャンスは大きく広がっている。
② 20世紀型産業とは何だったのか?→鉄鋼、電機、自動車など発展の主役であった企業のほとんどが日本経済収縮の主役になった。その理由は、国際的な要因と産業自体の要因がある。
③ 日本経済は世界二位となった。名目世界一の所得は世界一の生産コストを意味し、競争力の低下を招きます。高コスト構造のまま市場を開放しては、国内産業が壊滅的な打撃を受けます。本来ならば、国内の経済構造を効率化し、コストを引き下げ、解放することが日本のメリットになるようにすべきでした。そして、これまでの需要とは違った新しい内需の拡大努力をすべきでした。
④ しかし、そのような構造改革をする前に、場当たり的に生産コストを下げるため、相対的に安い労働力を求め、生産資源の海外流出が始まりました。そして、生産拠点の国内空洞化が始まりました。
⑤ この傾向に一層拍車をかけたのは冷戦の終焉でした。その時点で、先進国と社会主義国では100倍の賃金格差がありました。教育水準が高く意欲があり、しかも極めて安い労働力が大量に競争に加わったのです。そして、中国など労働力の質が高く生産コストの低い国々に最高の技術と設備を投入する傾向が高まりました。
⑥ このようなことから、戦後アメリカに追いつけ追い越せと頑張り大成功した20世紀型産業は、国際環境の激変したことと、成熟社会に対応するためのモデルチェンジを怠ったことにより、大成功が大失敗に転化していくのです。

〇高齢成熟市場にターゲットを
① 現在、少数となった若者層は小遣いも少なく、昔の若者ほど消費に積極的ではありません。
② しかし、企業システムは、この時代変化に対応せずに、相変わらず若い世代に向けて集中的に商品開発を続けています。一方、多数を占める中高年や高齢者の大きなマーケットには視野が入っていません。
③ 発想を変えて、ここに着眼すると大きな可能性が開けるにも関わらず、相変わらず少なくなったマーケットに大量供給を続けています。そのため一層、デフレが進展します。だからこそ賃金が伸びず、自己収縮が続くのです。このような20世紀型産業で、まだ大多数の人々が働いています。だから将来に不安を感じて、ますます消費を差し控えるという悪循環が続くのです。
④ ゆえに、発想を変えて、需要構造の変化に対応したパラダイムを確立すれば、非常に大きなビジネスチャンスが展開してくるはずです。

〇大量失業者はサービス産業が吸収する
① 製造業を中心とした20世紀型産業は、これから徐々に衰退していきます。それに従って、大規模な雇用が喪失します。
② しかし、サービス産業の伸びは顕著です。

〇生活産業は輸出産業にもなる
① デフレスパイラル下でも高い貯蓄率が維持されているのは、それだけ国民の不安が強いことを意味しています。
② これは好況下での高貯蓄率とは異なり、経済を一層縮小させるマイナス要因です。
③ このような状況を打破するには、中高年を中心とした貯蓄に熱心な人々に、喜んで財布の紐を緩めるような商品・サービスを一刻も早く提供する必要があります。
④ それには妹尾活産業を活性化させ、彼らのウオンツにきめ細かく応えることです。
⑤ そうすることによって、新しい産業や雇用、所得が生まれ、結果として貯蓄の増加につながります。
⑥ そして内需が拡大することは結果的に製造業の技術向上にもつながり輸出にもつながります。

〇雇用創出プログラム
① 個人向け・家庭向け→コンシェルジェ(家事代行、資産運用、娯楽等)、旅行、健康増進、ライフモビリティ
② 企業・団体向け→情報関連、ロジステック、警備業
③ 社会人向け→高度職業訓練、生涯教育関連、特定産業における次世代人材育成
④ 住宅関連等→住宅関連、ビルメンテナンス
⑤ 子育て関連
⑥ 高齢者ケア
⑦ 医療・医療情報
⑧ リーガル・その他の専門職
⑨ 環境


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