どうも、今回は黒人の武士について。
先日発売された、アサシンクリードシリーズの最新作、シャドウズ。
日本の戦国時代を舞台にした歴史ゲームなんですが。
その主人公が黒人の武士だったことで、日本のネット上では炎上騒ぎになりましたね。
「アサクリ・弥助炎上事件――正義とキャンセルカルチャー」(https://synodos.jp/opinion/international/29244/)
「弥助の話が海外で知られるようなったのは日本大学の准教授ロックリー氏によるところが大きい」
「弥助が立派な侍として描写されるようになったのは彼の本のせいだろうと考えて読んでいた人々は、この本に日本に黒人奴隷制度があったかのような記述を見つける」
「このような虚偽の歴史は一笑にふせばよいと思うかもしれない。しかし、一部の保守論客はそうは考えなかった。なぜなら従軍慰安婦の苦い経験があるからである。従軍慰安婦では、吉田清治氏が嫌がる少女たちを自らの手で強制連行したと虚偽の本を書き、これが海外では事実として定着してしまい、その修正に膨大な時間と労力がかかった」
上記の記事の著者、田中辰雄さんは専門が計量経済学とのことで、歴史には疎いようですね。
従軍慰安婦は吉田氏の著書以外にも少なからず証拠・証言が出ており、日本軍による組織的・計画的な性加害があったことは歴史学の常識です。
まあそれはさておき。私としてもアサシンクリードの製作者が、時代考証を十分に行ったのかという疑問はありますね。
ロックリー氏の著書だけでなく、何か他の歴史書も参照すべきではなかったのか。
歴史を題材にしている作品である以上、あまりにも現実離れした描写があると、やはり問題視されかねないわけで。
一方で少数ですが、シャドウズを擁護する記事もあります。
「「弥助問題」は虚構だった 発売で明らかになった『アサクリ シャドウズ』の真価」(https://forbesjapan.com/articles/detail/77996)
「『アサシン クリード』シリーズではこれまで、主人公がレオナルド・ダ・ヴィンチにハンググライダーを作ってもらったり、ローマ教皇と殴り合いをしたりという完全なるフィクションが描かれてきた。本作での弥助というキャラクターの採用や、その人物描写、そして史実から逸脱したストーリーはいずれも、騒ぎ立てるようなことではまったくない」
アサシンクリードは完全なフィクションであって、別にシャドウズの描写も問題ないという意見。
この記事で興味深かったのは次の節で。
「弥助の物語は、しばらく前に映画『ラスト サムライ』でトム・クルーズが演じた役や、最近の人気ドラマ『SHOGUN 将軍』で登場した按針とさほど変わらないが、これらの白人キャラクターは大きな論争を巻き起こさなかった」
私は今回の炎上の背景に、日本における黒人蔑視があると思うのですよ。
白人の武士は皆さん受け入れたじゃないですか。
日本のネット上や娯楽作品に蔓延する、黒人への蔑視・差別・偏見。
その裏にある白人への羨望。
そしてアジア人としての劣等感。
そろそろやめませんか。