鞄に演劇をつめこんで

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アンケートの考察 まとめ (連載その6・最終回) 

2020年03月16日 | 小劇場演劇の考察

最後に、今回の記述を通じて思ったことを残しておきます。

1 アンケートってどう使われているのだろう

 100団体のアンケートに目を通し、また提案らしいことも書いてもみましたが、そもそもアンケートが活用されなければ、いろいろ考察したところで一蹴されるだけのことかもしれません。
なので、もともとは観る側の目線で書き始めた考察でしたが、「アンケートが実際にどの程度使われているのか」に興味がでてくるわけで、この「使われ方」を分析してこそ、はじめてアンケートの考察は完結する気がします。
中でも、公演の感想や要望は、どこまで、どのような形で届いているのか気になるところです。団体側・劇団員だけで読んでいるのか、客演も含め回し読みされているのかなど。
 また、それ感想以外の項目は、そもそも分析されているのだろうか、そのような時間が団体にあるのだろうかとも思ったりします。

2 アンケートを回収する方法

回収についてです。どのぐらい回収するかは気になりますが、回収率が高くても、ただ紙を提出しただけであれば意味がないと思います。アンケートを記入した人は提出して帰るでしょうから、結局は「書きたくなるアンケート」を作成することが回収率のアップにつながるはずです。

「アンケートを書きやすい環境を整える」ことは大事です。
画板を用意する団体は多いですし、筆記用具を貸し出すことは、当たり前になってきました。
筆記用具は回収しないとアンケート以上にコストがかかるのですが、もって帰ってしまうこともしばしば。さらに画板にハサンで、パチンと飛んでいったこともあります。
最近増えてきたのがQRコード方式です。
当日パンフにQRコードを配布して、スマホでアンケート欄に誘導する「後で書いてね」方式も「書きやすい環境」につながると思います。
しかし自分の場合、SNSで呟いてからさらに劇団のアンケートにまで書こうというのは、時間も気力もなかなかおきません。

また「アンケートを出したくなる環境を整える」方法もあります。
極端な例ですが、アンケートを提出してくれた観劇者の中から抽選で「次回公演を無料にする」「特別な動画を提供する」「劇団グッズをプレゼント」などのリターンを用意するとか、当番制などにして劇団員さん役者さんに直接手渡すような仕組みも考えられます。
QRコードでアンケートに誘導して、そこでもなるべく選択方式にして、しかも投稿するとおまけの動画がみられると楽しいかも。

3 より身近に演劇を感じられるアンケートを求めて

アンケートは基本的に団体の資産ですが、アンケートの記入を観劇者も楽しめればウィンウィンになります。
終演後のわずかな時間では具体的な感想が浮かばなくても、選択肢に✔をつけながら「あの展開は面白かった」「あの役者は良かった」などと作品を振り返ったり、演者の名前を覚えたり、照明や舞台美術、小道具にも目が向いたり、次の観劇ではこういう視点からも観てみようと思う時間になれば、作品ひいては演劇との距離が縮まると思います。

またアンケートの記入が、劇場を出た後、感動したことや逆にがっかりしたことの理由を考察するきっかけやきずきになるだけで、有意義なことだと思います。

更にアンケートを通じて出演者にエールを送れれば、例えば名前を覚えた出演者の次の舞台を観にいくことや、逆に出演者が新しい観劇者を覚えお客として繋がる機会になるかもしれません。

このほか団体が試行したいことや、試行したことの効果を測ることもアンケートとして有効です。
例えば、試行したいことでは「入場時に携帯OFFをチェックすることに 賛成・ 反対 」を質問して、今後の当日対応の賛否を問うことや、試行したことの例としては、チラシをこれまでより多く配布したのであれば、入手場所を選択肢にすることや、来場の指定時間を開演時間の15分前に設定したので、その効果を尋ねるなどです。こうした質問は、結果を運営にフィードバックし、時には観客に検討結果をアウトプットすることを繰り返すことで、観客とのコミュニケーションが深まります。

つたない分析もここまでですが、質問や選択肢を通じて、普段は気にとめない観劇者の行動などを考える、いい機会になりました。
自分が書きたくなるアンケートに出会えることを楽しみにしながら、その時は、しっかりアンケートを書きたいと思います。

最後にここまで稚拙な長文を読んでいただいたことに感謝します。
観劇側も団体側もアンケートについて興味を持ち、アンケートづくりの参考になれば嬉しい限りです。

おしまい


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