まだ私は自分で牧場経営をした事は無いので、多分に勘違いが有るかも知れませんが、ザックリとなら解説できます。
まず収益についてですが、牛乳で収益を挙げるのは相当な頭数を絞らなければ無理で、100頭規模では収支がトントンと言った所です。
また、乳が出なくなった牛は肉として売ってしまいますが、この収支もあれこれ手数料が掛かってトントンです。
では何で収益を挙げるのかと言うと、それは子牛を売る事によってです。
理想的には、母牛には毎年一頭子供を産んで欲しいのですが、まあ仮に100頭の内90頭が産むとします。この内後継牛として残すのは20頭程で、70頭を売るとします。ここで長命連産の牧場だと80頭売れたりして収益がグッと上がるので、それを目標にして行きます。
子牛はオスだと肉用で、すぐ売れて15万円位ですが、全て人工授精なのでメスだけを産ませるとします。メス牛は二年育てると子供を産む様になり、この時の値段は90万円程となります。
この二年間の育成にかかる費用が30万円程で、差額の60万×70頭=4200万円位が牧場の年間収益となります。
永原牧場ではここから二人分の人件費と、光熱費やら借入返済などを引いて、牧場主の取り分は平均900万円程だそうです。
ここから時給3万円を目指すには、そうとう働く時間を削らねばなりません。年に300日働くとして(一般よりも多いですが、仕事の性質上やむを得ない)、1日当たり3万円の収益なので、1日1時間しか働けません。
これは酪農の先進国ニュージーランドの牧場主の仕事時間と同じ程度と言え、日常の仕事は全て従業員に任せて、牧場主は牛の健康維持や繁殖、不測の事態にのみ対応する。といった感じで達成できると思います。
また、国が支援金を出してくれる(年120万円)障害者雇用などによって、人件費を削減する方向も考えられます。これは牧場の利益になると共に、福祉国家日本の姿を内外のボランティアや旅行者に胸を張って示せる様に、努力して行きたいと思ってます。
以上、経営音痴の私なりに理想とする経営方針を示してみました。