<マスカレード・ホテル> 東野圭吾 著
最後の最後まで犯人がわからなかった・・・。
うううーーーくやしいーーー でも、このくやしさはうれしさと表裏一体。
ひっくり返せば、よくぞ騙してくれました、ありがとうって心境。
ストーリーは・・・
ホテル「コルテシア東京」で連続殺人の4件目が起こるという設定で、
犯人も被害者もあいまいなまま、
刑事がフロントクロークやベルボーイ、クリーンスタッフや客になって警備するのだが、
次々と怪しいというかややこしい客達がやって来て・・・。
ホテルマンのお仕事ってホント大変だー。
お客様の無理難題をスマートに処理していく手際はじつにカッコイイけれど
私にはぜったいムリやわ・・などと思いながら読んだ。
まさに、NHKのプロフェッショナル~仕事の流儀~ですな。
フロントクラークのなおみさんが、ホテルマンに仮装した新田刑事につぶやく場面・・・
(この新田刑事、精悍で背が高く頭が切れて帰国子女でまっすぐな所が
映画化されるなら誰がいいやろか・・読みながらずーっと考えてた(笑)
えーっと、つぶやく場面ですが、
「どんな人間でもホテルに一歩踏み入れば、お客様という仮面をかぶった方々、
その方々のためには最高最善のサービスを提供します。。」
しかーし。。犯人は一枚も二枚も役者が上でした
とんでもない仮面をかぶっとりました。
でも
こんな複雑なもってまわったやり方で事件を起こすかなーと
少しリアリティに欠ける部分もあるが、だからこそおもしろかったともいえるし、
まあ~おあいこという事でチャンチャン
<英国メイド マーガレットの回想> マーガレット・パウエル 著
二つの大戦にはさまれた1920年代のイギリス、完璧な階級社会の一番底辺の
貧しい階層に生まれたマーガレットが、子供の頃の生活や富裕層のメイドとして
過ごした思い出を語った本で、特に殺人事件がからんだりミステリアスな本では
ないのだが、とっても面白いというか興味深く読んだ。
日本の士農工商よりもテッパンのピラミッド!イギリスの階級社会には
恐れ入った
悲惨悲惨のオンパレードなのだが、語り手マーガレットはただ淡々と事実を語る。
貧しいながら楽しかった子供時代もいきいきと書かれている。
キッチンメイド(何種類ものメイドがある!)からコックになったマーガレットだけに
食材やお料理の話がとても多くおいしそうで想像力をかきたてられる
イギリスのご飯はまずい!といわれるが、少なくともこの時代上流階級では
グルメも満足するほどの御馳走がふるまわれていたようだ。
自分の運命に悲観せず、時には怒り悲しみ、それでもどっこい生きているマーガレット
客観的な観察眼や批判力は時に突き抜けたユーモアとなり
お話にカラリとした明るさをもたらしている。
カバー画がアニメっぽい女の子なのが、・・・・・だが、チョコレート色のカバーと
同色の栞が意外にリッパなので、こちらも相殺チャンチャン
でも このタイトルを読むたび、
オペラ座の怪人の舞踏会シーンの曲
♪マスカレード!仮面舞踏会
♪マスカレード!歌え 踊れよ 楽しく
なんて曲が頭の中を流れるのは
私だけでしょうか・・・
テレビで良く流れてましたよね・・
また 寒さがぶりかえしましたね
風邪にご注意を!
ああ~意外な犯人の名前、言ってしまいたい!(笑)
私はカーペンターズのマスカレードを思い出しますが・・あと仮面つながりで「ガラスの仮面」やね!