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クスノキの番人

2020-08-18 | 読む

 

その木に祈れば、願いが叶うと言われているクスノキ。

その番人を任された青年と、クスノキのもとへ祈念に訪れる人々の織りなす物語。


不当な理由で職場を解雇され、その腹いせに罪を犯し逮捕されてしまった玲斗。

同情を買おうと取調官に訴えるが、その甲斐もなく送検、起訴を待つ身となってしまった。

そこへ突然弁護士が現れる。依頼人の命令を聞くなら釈放してくれるというのだ。


依頼人に心当たりはないが、このままでは間違いなく刑務所だ。そこで賭けに出た玲斗は従うことに。

依頼人の待つ場所へ向かうと、年配の女性が待っていた。

千舟と名乗るその女性は驚くことに伯母でもあるというのだ。

あまり褒められた生き方をせず、将来の展望もないと言う玲斗に彼女が命令をする。

「あなたにしてもらいたいこと――それはクスノキの番人です」と。

『秘密』『時生』『ナミヤ雑貨店の奇蹟』に続く新たなエンターテインメント作品。長編書き下ろし。

 

 

以上、内容紹介はアマゾンよりお借りしました。

 

 

陰残な殺人もなく、極悪人も出てきません。

かわりに大きな御神木っぽいクスノキがでてきて、その中で念ずると

とてもとても神秘的なことが起こるのです。

 

こういうファンタジーは好みの分かれるところですが

とてもおもしろく楽しくワクワクのうち読了。

読み終えてしまうのが惜しい作品というのがたまにありますが

これはまさにそうでした。

 

木の中で自分の思いを祈念すると、それを記憶したクスノキが

受念する人物に伝える・・遺言のように紙面化するのではないので

祈念した本人の意図しなかった邪悪なども伝わってしまう・・というのが

恐くも面白いところですね^^

 

ラストにかけて千舟さんの秘密があきらかになっていきますが

ここが効いています。

そういうことだったのね~と腑に落ちる瞬間が気持ちいい。

 

 

祈念と受念、・・ こんなクスノキがあったとして

自分は祈念できるだろうか。

受念できるだろうか。

たぶん、どちらも恐くてできないとおもいます。

 

人には言えない、墓まで持って行きたい内緒ごとがたくさんあるので(笑)

 

いろいろと大変なこの時期に、この本が読めたことは幸せでした。

東野さーん・・至福の三日間をありがとう~♪

 

 

 



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