気鋭の政治学者姜尚中と「放送禁止歌」やオウム真理教を描いたドキュメンタリー映画「A」で
知られる森達也が、アウシュビッツや北緯38度を訪れ、その場所で体感した印象を起点とした
対話を収録。何かを非難したり糾弾したりというのではなく、人はなぜ戦争をするのかというこ
とについて徹底して思考を深めていく対談となっている。被害の記憶のみを継承していくことに
よる恐怖や憎悪の増幅、正義への固執による不寛容といったものが戦争をもたらす原因のひとつ
であることなど、的確な指摘が続く。被害者への同情だけでは憎悪の連鎖しか生み出さない。加
害者が戦争や虐殺に臨んだ際の思考を想像することこそがそれらを断ち切るためには必要なので
はないかという指摘が印象に残った。
知られる森達也が、アウシュビッツや北緯38度を訪れ、その場所で体感した印象を起点とした
対話を収録。何かを非難したり糾弾したりというのではなく、人はなぜ戦争をするのかというこ
とについて徹底して思考を深めていく対談となっている。被害の記憶のみを継承していくことに
よる恐怖や憎悪の増幅、正義への固執による不寛容といったものが戦争をもたらす原因のひとつ
であることなど、的確な指摘が続く。被害者への同情だけでは憎悪の連鎖しか生み出さない。加
害者が戦争や虐殺に臨んだ際の思考を想像することこそがそれらを断ち切るためには必要なので
はないかという指摘が印象に残った。