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極私的日々忘備録ーみたものきいたものよんだもの

菊地成孔・大谷能生「憂鬱と官能を教えた学校」

2004-12-08 23:22:00 | Books
よくジャズミュージシャンのプロフィールで「バークリー音楽院卒業」とあるが、この本は
サブタイトルに「【バークリー・メソッド】によって俯瞰される20世紀商業音楽史」とあるよ
うに、そのバークリー音楽院の確立した記号的な音楽理論を音楽史と結びつけつつ批評的に
解説した12回にわたる講義を文章化したものである。菊地成孔の文章はやや衒学的だったり、
80年代の香りがしてやや敬遠していたが、ここでの語り口は理論的かつ明快で、話題は多彩
に広がりつつ、音楽を理論化して捉えるとはどういうことかという一貫した論点から常に語ら
れており、ひきこまれた。コード進行理論の要となるドミナント・モーションについての章は
キーボードを弾きながら再読して確認したいところ。