On楽工房奮戦記byよっさん@アコギ

わたしの音楽活動、楽器、PA、読書についての勉強を綴ります。

更に3作品

2007年09月29日 | 読書
もう9月も終わり。随分と涼しくなってきました。

蛇を踏む 川上弘美 著
訳わかんない小説とも言える。この作者の作品は異世界、人でないものが人である姿を描いているのでまともに意味を捜そうとして読んでも混乱するばかりであろうけれども、途中で混乱し読むのをやめてしまおうという結果にならないのは、なにかしら響いていくるものがあるのと文章力なのかな。「惜夜記」はほぼ、流れ出てきた詩のように読める。あらすじも何も有ったものではないがひとつこういう作家の作品を読んでみるのも文学を楽しむ上で大切なことなのだろう。私はこれまで読んできた氏の作品の中でこの「蛇を踏む」は個性・オリジナリティという点で氏の代表作なのであり妥協のない産物だとは感じたが、読み物として考えるときにはちょっとついてけない。以前読んだ「神様」あたりのほうが好きだな。作風としては同じだが・・・
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藪で、蛇を踏んだ。「踏まれたので仕方ありません」と声がして、蛇は女になった。「あなたのお母さんよ」と、部屋で料理を作って待っていた…。若い女性の自立と孤独を描いた芥川賞受賞作「蛇を踏む」。“消える家族”と“縮む家族”の縁組を通して、現代の家庭を寓意的に描く「消える」。ほか「惜夜記」を収録。



「邪魔(上下)」奥田英朗
奥田さんの長編。登場人物の個性、展開(人物の変遷)、そして物語の動きなどがおもしろくて一気に読めました。奥田さんの作品はまだそれほど読んでいないけど、偏って無くて面白いですね。この作品には高校生、主婦、そして妻を亡くした刑事の視点で物語が進んでいくんですが、どれもがどこにでもいそうな環境から少しずつおかしくなっていって、ある事件を軸につながっていきます。どの人物にも感情移入しやすくラストもいい。
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この小さな幸せは、誰にも壊させない
2002年版「このミステリーがすごい!」第2位
第4回大藪春彦賞受賞
及川恭子、34歳。サラリーマンの夫、子供2人と東京郊外の建売り住宅に住む。スーパーのパート歴1年。平凡だが幸福な生活が、夫の勤務先の放火事件を機に足元から揺らぎ始める。恭子の心に夫への疑惑が兆し、不信は波紋のように広がる。日常に潜む悪夢、やりきれない思いを疾走するドラマに織りこんだ傑作。


「眠りの森」東野圭吾 著
本格的謎解きミステリー。シリーズ化されているようだがこれは2作目なのかな。主人公である加賀刑事さんが登場するものがいくつかるようだ。私はあまりこういう犯人を捜していくものは好きではないのでこの本もイマイチ入っていけなかった。東野さんの本にはこういうのも結構沢山あるようなので、多くの作品を全部読んでみようとかいう気持ちにならない。「眠りの森」はクラシックバレエを題材にしたものなんだがこのへんもちょっとわかりにくい世界と言うこともある。分からないのではないが特異性がもひとつ・・・。
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美貌のバレリーナが男を殺したのは、ほんとうに正当防衛だったのか?完璧な踊りを求めて一途にけいこに励む高柳バレエ団のプリマたち。美女たちの世界に迷い込んだ男は死体になっていた。若き敏腕刑事・加賀恭一郎は浅岡未緒に魅かれ、事件の真相に肉迫する。華やかな舞台の裏の哀しいダンサーの悲恋物語。


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