On楽工房奮戦記byよっさん@アコギ

わたしの音楽活動、楽器、PA、読書についての勉強を綴ります。

読んだ本

2009年03月31日 | 読書
春めいてきましたね。

「血烙 刑事・鳴沢了」堂場 瞬一 (中公文庫)

今回はニューヨーク~アトランタ~マイアミという活動場所が変わっての作品。研修にきているという想定のようだ。
子供の誘拐をテーマにしているんだが、途中からこの誘拐にある必然性が浮かび上がってくるという想定。
しかし無理があるような内容で、冷めてくるね。
登場人物主体で書かれているこのシリーズ、面白いのだがありえないような設定はいかがな物だろう。前作で子供がタレントになることからして少しとっぴな感じがしたのだが今回は犯人側との血の結びつきがそもそもキーポイントになっているわけで、こういうことってあり得なくないか?必然性が伺えない。
ロードノベル的な展開は小説としては面白いのだがミステリーとしては失格ではないか?

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NY市警で研修中の鳴沢の元にもたらされた凶報―勇樹がバスジャックに巻き込まれた。現場に駆けつけた鳴沢が見たのは射殺された犯人の遺体、そこに勇樹の姿はなかった。見え隠れするチャイニーズマフィアの大物マシンガン・トミーの影。勇樹の行方は。NY、アトランタ、マイアミ―かすかな手がかりを追い、鳴沢が爆走する。




「三月は深き紅の淵を」恩田 陸(講談社文庫)

なんか変わった小説だな。作者の読書に対する造詣が伺えるのと、まあ知識のひけらかし出あると同時に本という物にのめり込んでいるミステリーファンに捧げるオマージュでありお遊びですな。
この小説が全体的に完結した作品とはとても呼べないけれども、小品ミステリーあり~の、ミステリー崩れがあり~の。本格が好きではない私にはあまりいいとは思えんかった。また同時にけっこう本を読んでいる人でないとピンと来ない記述が多い。作者にしろ作品名にしろいきなり出てくる。場面だけ書いて「あれはキングのなにだったか」なんて感じ。
最終的に全体の簡潔な謎解きでもあるのかと思えばそうでもないし。変なの。

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鮫島巧一は趣味が読書という理由で、会社の会長の別宅に2泊3日の招待を受けた。彼を待ち受けていた好事家たちから聞かされたのは、その屋敷内にあるはずだが、10年以上探しても見つからない稀覯本(きこうぼん)「三月は深き紅の淵を」の話。たった1人にたった1晩だけ貸すことが許された本をめぐる珠玉のミステリー。


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