On楽工房奮戦記byよっさん@アコギ

わたしの音楽活動、楽器、PA、読書についての勉強を綴ります。

PCC160

2006年09月20日 | PA機材解説
バウンダリーマイクPCC160(アムクロン)について予備知識。このバウンダリーマイクは主に合唱や舞台演技などに使用する予定で国体ライブまでには購入するつもりである。

このマイクは床に置いて使うマイクであるが、株式会社ヒビノの緒元を見てみると

形式        エレクトレットコンデンサ
指向特性      ハーフ・スーパーカーディオイド
周波数特性     50Hz~18kHz
等価雑音レベル   22dB SPL(Aウエイト)
最大音圧レベル   120dB SPL(3%THD)
電源ファンタム   12V~48V/4mA
インピーダンス   150Ω
開回路感度     -33dB re 1V/Pa
重量        約326g(ケーブル含まず)
寸法        170.2(W)×21.3(H)×81.3(D)mm
コネクタ      Switchcraft TB3M
付属品       XLR-3-12C相当品(オス,2-HOT)コネクタ付ケーブル(4.5m)

となっている。まず形式はコンデンサマイクでファンタム電源にて作動するので卓からファンタムを送る必要があること。スーパーカーディオイドは単一指向性のやや側面感度の低い物。指向性を垂直に見たのが下図である。ハーフって付いているのは一般的な単一指向性との中間ってことかな。


周波数特性では50Hzいかが感度が落ちるとのこと、充分だろう。等価雑音レベルはAウェイトで22dBSPL(SPLは音圧のこと)である、これはA特性(日本で言うところの騒音レベル:ホン)に換算して22dB(A)の(問題ないであろう)大きさの雑音をはらんでいるってことになる。22dBというと相生のド田舎の深夜の騒音レベルくらいかな~。最大音圧レベルは120dBでそれ以上は歪む。これも使用用途から考えて問題ない。ファンタムは12~48V。マッキーのSR24/4は48Vファンタム仕様なのでok。インピーダンスは卓側1.5kオームなのでok(ハイ受け)。
開回路感度はこのマイクロホンの出力感度のことであるが、-33dB re 1V/Paとなってる、以前マイクロホンの出力電圧のところで書いた事を思い出してみよう。このreというのは1Vに対するdB値を表している(=dBV)と見なして良さそうだ。ということは1Pa(パスカル:圧力つまり音圧の単位、音圧レベルで94.5dBに相当)の音が入ってくると-33dBVつまり10^-33/2乗すなわち10の-1.65乗分の1であるので関数電卓で計算すると0.02238V=22.38mVとなる。念のためアムクロンのアメリカ版HPを捜してみたら、ちゃんと22mVと書いてあった。(ヒビノさんもちゃんと書いて下さいね。)

ではこの94.5dB音圧に対して22mVであることを利用してゲインのおおむねの位置を予測してみる。22mVというのは-33dBVだった。音圧と電圧の比例の関係から最大音圧120dB(と想定)の場合には基準感度に対して25.5dB増えねばならない(120-94.5)。ということは電圧も25.5dB増えるので25.5-33=-7.5dBVとなるわけだ。電圧にすれば421mV(←10^-7.5/20)となる。ここで、入ってきた信号421mVを卓の基準電圧(0dBu=0.775V)にする、つまりPFLを押したときにメーターで0dBに振れるためには1.84倍にすればよいであるから対数を取って(20log1.84)5.3dB増幅すればよいことになる。SR24/4のマイク入力に対するゲインツマミは左振りきりで0dB、12時で30dBであるから5目盛で30dBつまり一目盛6dBであるので、5.3dBってのはだいたい1目盛、8時くらいで良いことになる。普通なら過大入力に対するアッテネーターが必要になるかどうか、微妙なところだがマイクの用途から言って合唱くらいであれば大丈夫だと思う。実際の場面ではこのバウンダリーマイク(BTL)に入射する音圧は100dB内外だと思っている。であるとすれば20dB昇圧する物として25.3、ゲインは11~12時だろう。
(dBの考え方について不明な方はこちらの項を参考に勉強して下さい)

そして最後にコネクタはSwitchcraft TB3M(ここを参照。レセプタクルの品番です)。これはミニキャノンのオス3ピン。これを付属のケーブルでXLR-3-12C(つまり反対側が標準のXLRオス3ピン)なので一般的なマイクケーブルに接続できるというわけだ。念のため2番ホットで有ることも確認しておく。


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2 コメント

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BLMマイクに付いて (金辺 卓資)
2006-09-21 09:38:11
先日に続いてコメントいたします。

PCCの事は浅原さんが詳しく書かれてますがビギナーで使用したPCCは私どもで持ち込み致しました。

あとテクニカのAT871Rと言う機種も所有しております。両方の特徴はPCCは独特のキャラクターが有り台詞等(人の声)拾うのに適していると思っております。裏にLowCut・SWも付いてますし。テクニカはHiFiでPfの中に入れたり筝の下に敷いて使うのがお気に入りです。

PCCをPfに使う人もいますがJAZZ等でキャラが出ても良い場合以外私的には好みません。

ただ合唱に使うのは野外では少し厳しいかも?

私は使った事が有りません、いつもSM58を6本位スタンドで高低を付けてセットしてますPCC挑戦するなら予備で用意した方が・・・

でも何かと便利なMICですので是非ご購入されたら良いと思います。
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re:BLMマイクに付いて (よっさん@アコギ)
2006-09-21 12:03:23
金辺さんコメントありがとうございます。

AT871R、結構いい値段ですね。アムクロン買うのも実は大変で(1台で済まないので)、予算的には無理でおます(笑)。バウンダリは合唱(室内で年末に予定あり)目的で使えるのでムダにはならないと踏んでいます。それとやはり屋外ではゲイン稼ぐのに別途マイクを立てることは覚悟しています。ダブルで収録してみます。いずれにしても相手さんが斉唱の場合とパート合唱の場合でリハの時にいろいろやってみる敷かなさそうですね。頑張ります。

金辺さんとはビギナーの時に直接お話出来ていないのですが、いろいろとアドバイス本当にありがとうございます。昔から機材の中の中まで知り尽くした人っていう紹介されていましたね。素人PAのブログにプロの方のコメント頂くのは大変恐縮ですが、本当に嬉しく思っています。

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