On楽工房奮戦記byよっさん@アコギ

わたしの音楽活動、楽器、PA、読書についての勉強を綴ります。

最近読んだ本

2007年07月29日 | 読書
「ブラフマンの埋葬」小川洋子 著

この小説は大変不思議な小説だ。出て行くる動物や人間になんか、顔がないというか。。評価が分かれるところだと思うけれども、それでも私はいい小説だなと思う。時期的に「博士の愛した数式」の書かれた頃に執筆されたものと思うんだけど全く全然違う世界となっていてまるでファンタジーのようだ。ここに描かれた場所はヨーロッパのどこかだと思うんだけれども、遥か古代に埋葬人が川に流れ着く遺体を拾い上げてそれに見合う石棺をつくり海に面した崖に設置していくという下りは、非常に心引かれてしまう。そしてもう盗掘されて住人の居ない無数の石棺がうち捨てられてた海に面する崖を歩く・・・夢に出そう(^^;

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【泉鏡花文学賞(第32回)】夏のはじめのある日、ブラフマンが僕の元にやってきた。朝日はまだ弱々しく、オリーブ林の向こうの空には沈みきらない月が残っているような時刻で、僕以外に目を覚ました者は誰もいなかった…。心の奥に届く忘れられない物語。
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「六番目の小夜子」恩田陸 著


高校が舞台。伝説のサヨコなる人物が三年に一度誰にも知られずに受け継がれていくという設定で学園祭に陰の眉有るがあり、これに書かれたルールもとづき劇が開催されるということなのだが、どうにも私には入り込めない。なんか決定的ななにかが足りないような気がしたし最後までハッキリしない部分があってなんか消化不良な感じがする。ただ登場人物はいきいきと描かれており楽しんで読めたんだけども。。

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津村沙世子―とある地方の高校にやってきた、美しく謎めいた転校生。高校には十数年間にわたり、奇妙なゲームが受け継がれていた。三年に一度、サヨコと呼ばれる生徒が、見えざる手によって選ばれるのだ。そして今年は、「六番目のサヨコ」が誕生する年だった。学園生活、友情、恋愛。やがては失われる青春の輝きを美しい水晶に封じ込め、漆黒の恐怖で包みこんだ、伝説のデビュー作。
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「沙羅は和子の名を呼ぶ」加納朋子 著

加納朋子のお得意の日常ミステリー短編集、今回は少しホラー調だな。でも巧いなぁ。この人の書く短編は。まるで違った小説をこういう風にまとめ上げる力量はすごいと思うわ。おとぎ話の様な超短編からホラー・SF(異世界もの)まで非常に多彩で楽しめる。

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もしもあの時、別の選択をしていれば、全く違う人生を歩んでいたのだろうか…。平凡な会社員・元城一樹のふとした夢想が、すべての始まりだった。一人娘の和子の前に姿をあらわした不思議な少女沙羅。その名前が甦らせる、消し去ったはずの過去。やがて、今ある世界と、あり得たはずの世界とが交錯しはじめて ―。表題作を含む、全10編を収録。珠玉のミステリ短編集。
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