ワーゲンビートルに乗ってる方からのご相談。
社外マフラー付けてキャブも入れ替えてあるので、エンジン始動時に爆音になってしまうのでエンジン始動時だけ消音できないかとお話いただきました。
「マフラー換えたら?」と言ってみたものの、
「いやぁ~、走ってる時の音はいいから換えたくない。
でもこの爆音だと、そのうち誰かに刺されそうで・・・。
なんとかならないですか?」
って・・・。そりゃ出来ないことは無いけど・・・。
実際エンジンが冷えてる時に始動させると爆音・・・。
試しに自分が今の場所に引っ越してくる前に使ってた、バイクのサイレンサー改造の消音機を付けてみたら排気音が普通の車以下、しっかり消えた。
市販のバッフルをマフラーに穴あけて付ければ簡単に消音できるが、マフラーエンドに穴あけるのもみっともないな・・・。走る時は外すんだし。
ということで今回はバイク用のノーマルサイレンサーを使って、ワーゲンのマフラーエンドに差し込める仕組みの消音機を作ることに。
バイク用のノーマルサイレンサーにどうやってつなげるか構想を練ります。排圧で外れないように、かつ簡単に脱着できる仕組みにしつつ、なるだけ部品点数を減らして簡単なつくりで、なおかつ高さや接続管の位置調整が出来るように・・・。
悩むことしばし・・。構想がまとまったら必要な図面を書いて製作に入ります。
製作中に工場を訪れた人たちが一様に「なんですか、コレ?」って。う~んと・・なんだろね・・。
数日後、出来上がった消音機がこちら。
・・・なかなか愛らしい形じゃぁないですか。サイレンサーはスズキのリッタークラスのサイレンサー、持ち運びに便利な取っ手付き。
接続部分はクランプ式、クランプを開いた状態でウールを巻いてある部分をテールパイプに差し込んでクランプをしめて外れないようにしました。クランプ内側はテールパイプ外径にあわせてあり軽くノブを閉めこんでクランプしてやれば排圧がかかっても抜けません。
サイレンサーの台座にはネジ調整式の防振ゴム付きの足が着いてるので高さ調整もでき、接続管はサイレンサー側の取り付けを緩めることで上下に10度前後調整できるようにしてあります。
さて実際に取り付けてどこまで消音されるか・・。緊張のエンジン始動。おぉ、エンジンのメカノイズがしっかり聞こえる。排気音自体は普通の車並みに消音されてる~。これなら早朝にエンジンかけても大丈夫でしょう。
もっと簡単な消音機を作れないことは無いのですが、マフラーエンドに重量が集中してせっかくのマフラーが壊れたら意味無いし、排圧でどっか飛んでいってもらっても困るのでコレはコレでありかと。依頼主も喜んで帰っていきました。
数週間後、その後ちゃんと使えてるか電話をしてみました。
自宅駐車場でのエンジン始動時には製作した消音機が活躍、しっかり仕事してるようです。依頼主いわく「消音機見た人にはマフラー換えりゃいいのにって言われます(笑)」とのこと。それはそれで、こんな物で自分が使いたいものを使えるのであれば、作ったかいがあります。
一番は依頼主が喜んで使ってくれることが大事ですから。