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ワンオフ製作、各種金属加工 ヨシダマシンの製作事例、過去ブログ記事です。

キャリパーサポート製作

2017-02-23 17:20:00 | 足回り関係

 

 お久しぶりに加工物のブログ記事です。
 
 スクーターのリアブレーキをドラムからディスクに変更したいが、キャリパーサポートを作れませんかとご相談があり製作しました。

 車両を持ち込んでもらい、ご希望を聞きつつ構想を練るも、すんなりいく気配なし・・。

 





 

 通常のバイクであれば、アクスルシャフトから吊り下げる格好で作るこができるだろうけど。何しろスクーターなのでそういうワケにもいかず。

 とにかくサポートを取るつける部分を確保するべく、まずは純正リアアームのマフラーステー部分を使えるように加工しました。


 

 

 リアアームに取りつける部分を確保後、サポート本体の製作に取り掛かるも、アーム裏側の突起、リアサスなどの干渉を避けてるうちにどんどん複雑な形状になっていく・・。

 型紙を起こし、ある程度汎用CADで作図をしてみるも位置が合わない部分が出るなど難航。
 可能な限り製図はするのだけど、これに関しては最終的には作りながら現物合わせで仕上げていくことに。

 
 

 

 最終的にはこんな感じでキャリパーサポートを製作してキャリパー取り付けができる状態に。

 キャリパーのセンター調整、ホイールディスクのボルトの頭とのクリアランスなど確認しながら仕上げしていきます。
 
 加工した純正のリアアーム、加工部分は一部マフラーのステーを兼ねていたので、マフラーステーが元通りに付くように、カラーなどを追加製作して復元。

 文章で書いたり画像からでは伝わらないかもしれませんが、作ってる時は結構考えたり悩んだりで悶絶します。
 悶絶しながらもなんとかオーナー様のご希望通りの感じで仕上げることができた時には苦労も報われるってなもんですね。

 

ステムシャフト製作

2015-07-30 22:43:00 | 足回り関係
 

 すっかり更新をサボって、加工モノのネタもしばらく書いてませんでしたね。

 材料から削って作るモノがメインなので、シャフト製作の類は一番多い案件かもしれません。

 遠方からのご依頼で、、足回りをごっそり入れ替えるのに必要な部品の製作依頼でシャフト含むカラーの製作をしました。


 

 

 旋盤加工で丸棒からの削り出しになります。

 見本になるステム、シャフトから採寸、図面を書いてから旋盤で加工するので、いきなり加工作業ができるわけではありません。

 

 段取り踏んで、加工することではじめてキチンとしたものが出来上がります。

 

 

 ネジスリーブは、もともとオーナーさんが持っていたステムナットと新造するシャフトのネジとの帳尻合わせのために製作。

 ナットそのものを作り直す手もありますが、今回はネジスリーブで対処。

 

 

 そのほかにはホイールのカラーやブレーキトルクプレートも製作させていただきました。

 ホイールのセンター出しの都合上、ブレーキパネルの一部加工などもして足回り全体をセットアップ。

 発送後日、無事に組み付けできたとご連絡頂き、さらにリア周りのご相談~作業させていただきました。
 
 遠方でも対応可能な作業は、メールなどで画像添付してやり取りしながら作業進めることができますので、こんなん作れる?なんてのがあればご相談くださいませ。
 
 

ステムシャフト、アクスルシャフト製作

2013-02-04 17:13:00 | 足回り関係


 ステムシャフトとアクスルシャフトの製作できませんかとお問い合わせ頂きました。

 流用などで、長さが合わないとか径が違うなんてことはよくある事で、シャフト類の製作は多い案件でもあります。

 今回は、お客様自身である程度の図を書いて、メール添付してお問い合わせいただいたのですが、使う予定のアンダーブラケット、トップブリッジ等送っていただける物を送っていただき、数回にわたりメールで打ち合わせして製作となりました。




 実際に製作するまでに打ち合わせは必要なのですが、遠方よりの依頼なので車体はありません。現物があれば計測からできますが、送ってもらえた部品とお客様が書いた図から推測しつつ、細かい寸法を決定してからの製作です。




 アクスルシャフトはベアリングやアクスルナットがあれば間違い無いです。
 今回は打ち合わせの段階でナットもこちらで市販品を用意させていただきました。



 ステムシャフト下部、摩擦式ダンパーの受けが入るように加工しています。








 ステムナットは製作の予定ではなかったのですが、状況的に製作したほうがよいでしょうということで製作しました。
 このあたりは、日本車と構造が違います。






 製作したシャフトを仮組み。

 打ち合わせに時間がかかりましたが、完成しました。

 遠方からのお問い合わせや依頼も多く、状況にもよりますが部品単位であれば製作可能なこともあります。
 
 シャフトやカラーの類に限らず、こいうものが欲しいのだけど、こんなの作れるの?など気になることがあれば、どうぞお気軽にご相談くださいませ。

リアスプロケハブダンパーユニット製作

2012-08-31 13:23:00 | 足回り関係


 国内のアフターパーツメーカーさんが販売している、ツーリーディングブレーキリアホイールをお持ちのオーナー様からのご相談。

 この製品はリアスプロケットハブにダンパーが入らない設計でハブダンパーを組み込めるようなスプロケットハブを製作できないかというものでした。

 後々、ダンパー交換のことも考え、ダンパーラバーはコレを使ってくださいと、ダンパーラバーもホイールに同梱して送っていただきました。




 

 もともと製品に付いていたリジットのスプロケハブから、基本的な部分は採寸。

 問題は肝心のダンパーの組み込み。

 ダンパーの事を考えられてなかったのと、ご指定のダンパーラバーの大きさの兼ね合いで、そのまま素直に組み込もうにも、ハブ取り付けのボルト位置が合わない状態・・。

 ダンパーラバーそのものを作る事もできるので、専用でダンパーラバーを用意するって手もあるものの、ご指定のダンパーラバーがある以上何とかする事に。 

 

 諸々考えて、製作したダンパーラバーを組み込んだリアスプロケハブユニット。

 

 トップカバー外すとダンパーラバーが入っています。
 ダンパーラバーを中心の大穴にかぶらないように外側に逃がすと、ダンパーラバーの中心がずれてしまい、取り付けのネジ穴が合わなくなる。

 

 ダンパーラバーの穴は、ボルトサイズに合わせるために専用のボルト、もしくはスリーブカラーが必要だったので、スリーブカラーを製作。
 スリーブカラーのセンターをずらして、取り付け穴位置との辻褄を合わせるようにしました。

 ダンパーラバーの穴が大きくてよかったぁ。
 
 

 変心させたスリーブカラーと、ダンパーラバーはこんな感じ。
 できればそれぞれセンターに来るようにできればよかったんですけどね。

 

 裏側はこんな感じ。

 ハブユニットが機能するように、細かい部分のクリアアランスの設定を考えたりと設計するのに随分手間取りました。
 
 スプロケハブにダンパーが無い状態だと、長いスパンで考えると無いよりは有った方がいいと思います。
 ハブダンパー無しだと、リアからチェーンへ、チェーンからミッションへの負担は大きくなる傾向になるかと。

 ご希望通りに仕上げることができ、オーナー様にも喜んでいただけました。

 バイクへの負担を少しでも軽減できるようにというオーナー様のバイクに対する想いを感じた案件でした。
 

ミニカーのホイール

2012-02-18 14:58:00 | 足回り関係

 

 3輪ミニカーのオーナー様からのご相談でホイールのトレッド幅を広げたいとのこと。

 最初は、ドライブシャフトを製作して・・という感じだったのですが、費用対効果で現実的ではなく(製作するのも大変ですけど・・)、それなら、ホイールを改造してはどうかという事になりました。

 というわけでホイールの改造、2個1大作戦です。


 今回は車体の持ち込みはではなく、ホイールのみ、オーナー様に入手していただいて加工するということになりました。

 

 スクーター用のホイールのブレーキドラムのみ取り出して、ホイールの反対側にセットするイメージ。
 タイヤ一本分、左右で広げることになります。

 画像のホイールではスプラインが合わず、もう一つ別のホイールを手配したのですが・・

 

 このホイール、ブレーキドラムが結構しっかり溶接されてて、ドラムとホイールの分離ができない・・ので、黒いホイールのブレーキドラムだけ摘出して、もう一つのホイールと2個1にします。

 

 左は摘出したブレーキドラムの整形後、右のホイールはブレーキドラム接地面を削って面だししてあります。

 

 下準備が終わったら、溶接して完成です。

 文章にしてしまうと「ふ~ん」で終わりかもしれませんね・・。
 実際には、スプラインシャフトに対して直角、芯が出るように全体の加工が必要です。シャフト付近の小さなズレがホイール末端になると、大きな振れに変わるので、下準備の加工が大事です。

 

 万が一、溶接が破断した場合の保険もかねて、センターナットの下に特殊形状のワッシャーも製作しています。センターナットさえ締まっていれば万が一破談してもホイールだけ飛んでくことはないように対策しています。スプライン部分の長手方向の寸法は変えていないので、センターナットの締め込みはノーマルと同じになります。

 今回は、ミニカーのボディサイズに対して、トレッド幅が狭く安定が良くないということの改善という事で加工しましたが、対策できる部品があり、入手可能であればそちらの方が間違いないとは思います。

 どうにもならなくて・・というご相談いただくことが多いのですが、加工することで、最悪破損した場合にどうなるか、その対策は?というところを考えてから、こういう方法はどうだろうという提案含め、打ち合わせしてから加工するようにしています。

 加工、製作で何とかなる場合もありますので、とりあえずご相談いただければと思います。