3輪ミニカーのオーナー様からのご相談でホイールのトレッド幅を広げたいとのこと。
最初は、ドライブシャフトを製作して・・という感じだったのですが、費用対効果で現実的ではなく(製作するのも大変ですけど・・)、それなら、ホイールを改造してはどうかという事になりました。
というわけでホイールの改造、2個1大作戦です。
今回は車体の持ち込みはではなく、ホイールのみ、オーナー様に入手していただいて加工するということになりました。
スクーター用のホイールのブレーキドラムのみ取り出して、ホイールの反対側にセットするイメージ。
タイヤ一本分、左右で広げることになります。
画像のホイールではスプラインが合わず、もう一つ別のホイールを手配したのですが・・
このホイール、ブレーキドラムが結構しっかり溶接されてて、ドラムとホイールの分離ができない・・ので、黒いホイールのブレーキドラムだけ摘出して、もう一つのホイールと2個1にします。
左は摘出したブレーキドラムの整形後、右のホイールはブレーキドラム接地面を削って面だししてあります。
下準備が終わったら、溶接して完成です。
文章にしてしまうと「ふ~ん」で終わりかもしれませんね・・。
実際には、スプラインシャフトに対して直角、芯が出るように全体の加工が必要です。シャフト付近の小さなズレがホイール末端になると、大きな振れに変わるので、下準備の加工が大事です。
万が一、溶接が破断した場合の保険もかねて、センターナットの下に特殊形状のワッシャーも製作しています。センターナットさえ締まっていれば万が一破談してもホイールだけ飛んでくことはないように対策しています。スプライン部分の長手方向の寸法は変えていないので、センターナットの締め込みはノーマルと同じになります。
今回は、ミニカーのボディサイズに対して、トレッド幅が狭く安定が良くないということの改善という事で加工しましたが、対策できる部品があり、入手可能であればそちらの方が間違いないとは思います。
どうにもならなくて・・というご相談いただくことが多いのですが、加工することで、最悪破損した場合にどうなるか、その対策は?というところを考えてから、こういう方法はどうだろうという提案含め、打ち合わせしてから加工するようにしています。
加工、製作で何とかなる場合もありますので、とりあえずご相談いただければと思います。