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先祖を探して

Vol.19 チュラドゥールの逸話

ご先祖さまの調査をするのに欠かせないのはお墓の存在です。住民票や戸籍謄本など比較的現代の個人や家族の特定や繫がりを証明する書類よりもっともっと古い情報がお墓には記されている場合もあります。先祖代々から続く古いお墓のある場所は、そのお墓の形状や場所、使用者などからご先祖さまの情報を得ることも出きます。当家のご先祖様も墓石から古い方々が判明しています。

 
その当家のお墓と言えば、「2月21日:チュラドゥールと呼ばれる美しいお墓」で紹介したチュラドゥールです。このお墓の名前は漢字で【美麗洞穴】と書くそうです。沖縄の「美ら海水族館」の美を「チュ」と読むのと同様の音で読みます。【美麗洞穴】の意味は漢字の意味そのままに「美しい洞窟のお墓」となります。納骨堂の部分を石灰石の岩盤をくり抜いて洞窟のようにして作っているので、そのような名前がついたのでしょう。
 
世之主のお墓を作る時に琉球から石工を呼んで、その石工が島に滞在中にお世話をしたのが豊山家と宗家だとか。両家は自分たちのお墓も作ってもらいたくなって、この石工に作ってもらったそうです。
美しく出来上がったお墓についての逸話がお爺様の書に書かれてありました。
 
 
 
お墓には墓主が必要です。豊山家と宗家のどちらが墓主になるのかで、互いに譲りあったようです。理由は、この村では墓主になると子孫が繁栄しないという迷信があったからです。両家とも譲り合ってなかなか決まらないので、墓主を別の人にしようと考えたようです。直城(地名で両家が住んでいた場所)に薩摩から流罪で来ていた松下太郎という人が住んでいたので、この人を墓主にしようと話がでたようです。松下太郎はどうせ子孫もいないのだし、金も出さずに綺麗なお墓に入れるのだったらと喜んだようですが、宗家としては当時、松下太郎が宗家の上の方に住んでいて、死んでも彼の下にいることは嫌だといってチュラドゥールの近くに持っていた自分の土地に別に墓を作ったそうです。それでチュラドゥールには宗の本家の墓はありません。分家である上花城や他の分家のお墓はあります。
 
そして、墓の入り口にある日本式の墓石の場所は、納骨堂を向いて右側(東)が豊山家、左側(西)を宗家が使っています。それには諸説理由があって、東側の方が位が高いので豊山家が使用。いやいや、死後の世界は逆で西側が位が高いので、宗家が西側を使用。なんて逸話があります。果たしてどっちが本当なのでしょうかね。
 
お墓を作るときの話も諸説あるようですので、今となっては真相は分からない話ですが、このりっぱな美しいお墓を、後世までずっと保存していくことを一族として考えていく必要がありますね。使用者の分からない無縁仏のお墓にならないように。

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