ふくふく日記

絵本・紙芝居作家のよこみちけいこのブログです
子育てに家事に音楽に創作のことなどなど,マイペースでのんびり更新中

絵本「たっちゃんまってるよ」

2017-11-13 11:43:56 | 絵本ができるまで


ブログの古い記事を整理してたら、この絵本「たっちゃんまってるよ」を描いてたころの記事がまとまっていたので、せっかくだから「絵本ができるまで」の記事にまとめてあげみました。

当時、乳飲み子を抱えて、描いていたはずですが、そのへんのことは一切触れていないのが、不思議。。。

地方在住作家はこんな感じだよーってのを、記録としてよかったらどうぞ~

絵本ができるまで

この絵本は、娘がまだ1歳くらいのころに描いたもので、私は絵を担当しました。もう10年以上前?

原作はおくもとゆりこさん。
元小学校の先生をされていた方の、実話を元にされたおはなしです。

この絵を描いてたころ、本質のところでは「たっちゃん」のことが私はよくわかっていなかったと思います。

どちらかというと、教室にいるその他大勢の生徒の目線で、たっちゃんを遠巻きに見てる感じだったかもしれません。

だけど、息子が生まれて保育園に入ったころ、
「ああ~そうだよな、そうだよな。あーこれたっちゃんだなあ」

と、ようやく実感として、たっちゃんと、そして見守る先生の目線になったなーと思います。

うちの息子は発育がとてもとてもゆっくりでしたのよ。
言葉もなかなかでなくて、すぐにかんしゃくを起こしては泣きわめく。
上の娘の小さいときとは、なんか違うなー。なんでこんなに子育て大変なんだー!って思ってました。

上の娘はほんとに育てやすくって、そのころの私は
「趣味は子育て」
っていうくらい、娘と一緒にいるのが楽しくって幸せで仕方なかったくらいです。
だけど、小さい息子と一緒に一日中いるのは本当に大変で、常に息子の機嫌と動向に振り回されて、もうヘットヘトデシタ・・・。
思い出してもしんどかったあのころ。泣ける。

娘だけしか育ててなかったら
「子育てはなんて楽しいのかしら~~。らくちん~~」
って思って一生を終えていたことでしょう!!!

息子が保育園に入ったばかりのころ、まわりのお友達にあきらかについていけない様子で、入園したあとも毎朝嫌がって大変でした。
みんなが楽しくリズム遊びをしていても、教室のすみっこでじーっと座って、かたくなにみんなの輪に入らない。
担任の先生とも相談して、先生から
「療育に通ってみたら?」と。

なんとちょうど保育園の上の階に、新しく子供の療育を受けられる設備がね、できたばっかりだったんですよ!
なので園が終わったら、毎日、週に5日も、少数で専門的に療育を受けさえてもらえることになりました。

今はそこはすごい人気で、週5で通うなんてムリなくらいたくさんの子供たちが通っているようです。

保育園や療育の先生方の優しく温かく時にはキビシイまなざしの力でゆっくり寄り添うように育てていただきました。
療育は3年ちょっとくらいかよったのかな?

今年9才になる息子はすっかり落ち着いて、とてもやさしくおもしろく、自分の力でなんでもできるようになりましたよ!


いろんな子供がいて、いろんなチカラがあって。みんなそれぞれ違って。
そういうのを丸ごと受け止めていく。それぞれに、寄り添って認めていく。

そ息子の通った保育園と療育の場は、息子と私にとつて、そういう場所でした。
そのおかげで、息子はゆっくりじっくり大きくなれました。

「たっちゃんまってるよ」は、みんながたっちゃんをふつうに当たり前に受け入れて、そしていつでも待ってくれている。
そんな小学校の優しいおはなしです。
これが、実話を元にされてるんだものね。素敵だなあと思いました。

いま、絶版なのかなー?
Amazonでなんと中古1円で出てましたよ!びっくりー!
ぜひぜひ読んで見てくださーい








絵本ができるまで~その6「完成!」

2007-12-25 00:39:52 | 絵本ができるまで
去年から、こつこつ描いてきた絵本がようやく完成シタ!!!

クリスマスの前日に手元に届きましたーー!きゃー!

ちょっと嬉しいプレゼントです。できたてほやほや。

年末にできたので、書店に出るのは年明けです。

かわいらしーい絵本ではないです
げらげら笑える面白い絵本でもないです。

一回さらっと読んだだけだと、文章量も多いので、ちょっと「?」となっちゃうかもしれないです。

対象年齢は6歳以上。

絵本というよりも、小学生からの読み物だとおもって読んでもらうと、違和感がないかも。

描きながらも
「これでいいのかな、これでちゃんと、伝わる表現に描けているのかな」

と、自分に悶々しながら苦しくなったりしてました

でも、こういう絵本もあるといいな~と、自分の中では納得できるものになりました。

小学生低学年の読書にちょうどいいんじゃないかしら!どうかしら!

表紙の絵はお気に入りです。
いろんな先生や子供たちが描けて楽しかった!

ぜひぜひ!読んでみてくださーい!

絵本ができるまで~その5  「消えた原画」

2007-11-10 23:01:56 | 絵本ができるまで
副タイトル通りの恐ろしいことが・・・

先日、無事描きあげて出版社に入稿した絵本の原画が、出版社から返ってきました。
あちこち手直し、修正その他もろもろ~のためです。

17枚の原画のうち、直しは5枚あったのかな。
ちょこっとした小さいところだけだったので、ほっ!!

それから3日くらいしてから、編集さんからメールがきまして、

「文章と照らし合わせて、直しを5枚お願いしたいので今日原画発送しました」

という内容。

ひ~~~!合わせて10枚も修正か!紙芝居の締め切りもあるしきついなー。
しかも!
11月の3週目には印刷所にいれないと年内出版に間に合わないから早めに!と。

なので、手元の5枚を早めに直して、次にくる5枚を待ってました。
東京ー広島は宅配便は1日あれば大抵つくはず。

ところが、次の日にこない。

休みをはさんだから?
とさらに一日待つ



・・・来ない。



さらに1日待つも・・・来ない・・・。

ひ~これはもしや宅配事故???初の?


5枚丸ごと描きなおし?11月の3週目までに?!無理無理無理~~~!!
もう急いで、編集さんに
「原画が届いてないのですが・・・」と恐る恐る連絡・・・。
もう最悪の事態を想定して気をもみまくり。

そしたら
「何か勘違いされてますよ~。送ったのは5枚のみです」
「え?でもメールで・・・」
「いやいやいや、なにかのまちがいでしょう。5枚だけ直しよろしくね」
「???」

で、よくみたらうちのPCメールの不具合で、編集さんが最初の原画を送った時に出したメールが、他のメールと前後してかなり遅れてきていたようだ。

はああああああ・・・・。よかった・・・。


電話の向こうで社長(編集さん)は笑ってたけど、私はこの数日身のちぢむおもいだったさーー! 泣けるわ。。。

地方に住んでると直接手渡しできないから、こういう心配はいつもつきない。

送る時は「宅配業者の方、よろしく頼みます」
と祈ってるし、
「着いたよ」
の連絡がくるまで気が気でない。

特に原画はやり直しがきかないしねえ。時間と涙がつまっていますのもの。お金にもかえられない。

というわけで無事手直しも終わり、あとは印刷所に入って、ゲラチェックして、年内にはできあがる算段です。

絵本のタイトルは「たっちゃんまってるよ」
文:奥本ゆりこ 絵:よこみちけいこ   (アスラン書房)
たぶん1300円くらいでーす。

絵本ができるまで~その4

2007-10-19 02:57:08 | 絵本ができるまで
一気にあいてますが。

絵本の原画がようやく描きあがりました~~~~!!!ひゃっほーーーう。

いやーーー!大変だった!!!長かった・・・・。

この仕事の話がきたのが、ちょうど去年の10月の鎮守様のお祭りの日。
そこからラフを描いて直して直して描いて・・・9ヶ月。
ラフのOKが出て、原画を描き始めて約3ヶ月。

約1年がかりでした。

キビシー〆切(10月末)だったけど、厳守できた自分に乾杯。
そして色々迷惑をかけた旦那に娘、そして実家の母にありがとう。

まあ入稿した後も、直しや修正なんかがあるのでね、まだまだここから!って感じでしょうか。

そしてまだ11月〆切の紙芝居の原画が一枚も進んでいない。とほほ・・・。

ちょっと休んで充電して、また頑張るです。
でも3日間くらいは早く寝たいー。眠いー。

絵本のできるまで~その3

2007-08-15 00:45:31 | 絵本ができるまで
急遽、出版社の編集Fさんが私の住む田舎町、呉へやってきて打ち合わせですってよ!きゃー。
編集さんっていうかね、その方は編集者兼社長ですけども!

原画の進み具合を見たいと言われて!!
全然描けてなかったのだけど、やる気スイッチオーン!!
バリバリ描いた。頑張って奇跡的に5枚完成。
ふらふらじゃ。。。

なんでも広島の学校卒業されてるんですって!
ちょうど同窓会があるからとかなんとか。

打ち合わせでは特に絵に関しては何も言われず。楽しくおしゃべりしてコーヒー飲んで終了。
また追って細かい連絡しまーすって。でも特に重大な変更はなさそうかな~。

で、のんびりマイペースで作ればいいわよ~と言われてたのですよ。いわれていたのに!!

12月出版で入稿は10月末で!

ひ~!!
この先、のんびりできなさそうだ。ドラマに見入ってる場合じゃないぜー。

初版部数や印税の話も教えてもらいました。あら、少な目?涙・・・。

ほんと絵本って作るのに時間はかかるが、お金にはならない。
よく「印税生活いいね~」と言われるけど、メルヘン世界は絵本の中だけで、現実はキビチー業界っすよ。
まあ大大ヒットすれば別だけどねえ。

でもね、好きだからやめられないのですが。

加えて嬉しいことに、来年以降だけど別の絵本の出版の話も出て本決まりに。
5年前に頓挫した出版話がようやく日の目を見ることに。長かったわ・・・。

これも姉に借りた本「そうじ力」のおかげかも!
さっそく実行したら速攻ご利益?!恐るべしそうじ力!

これからはこまめにお掃除を頑張ろう。

絵本ができるまで~その2

2007-05-21 20:06:23 | 絵本ができるまで
その1を日記に書いてたなあ・・・あれから何ヶ月たったのでしょうか・・・。

今やってる絵本の仕事ですが、笑っちゃうくらい進んでないです。
いまだにラフを書いてます。正しくは描き直しているわけですが。

これで5回目くらい?もう机の上は消しゴムのかすだらけで真っ黒です。

絵も文も両方自分ひとりでやるなら、ささっと解決する問題でも、編集者を通して~郵送で送って~文担当者に見てもらって~また編集者を通して~メールで返事をもらう
・・・という遠回りな経路をたどっていくので、時間がかかる。

設定がいきなり大きく変更されたり、文が変わったりもあって何度も何度もラフを描きなおすヨ。
文章だとちょろっとの変更でも、絵にすると全ページに直しになったりするの。よよよ・・・。

郵送とファックスとメールのやりとりなので、直接話できないから、いろいろ思いも伝わりにくい。
ああ、東京にとびたいよーん。

とりあえず絵を気に入ってもらえたのでうれしい!
「もうよこみちさんのほうが面白いのでお任せします」
という一言をいただいたので、もう少しでラフ完成間近かな。

長かった・・・。来月くらいから原画に入れるかなあ。どうでしょう。

写真は暗いですが、ラフの一部の没になった絵。コピー用紙に鉛筆描きです。

私の好きな漫画家の一条ゆかり先生は、漫画でいうラフ(ネーム?)をいきなりペン入れ用の原稿にそのまま描くそうな。コマワリから何からいきなりぶっつけ本番ですよ。それでも指定枚数ぴったんこにおさまるんだとか。
ラフの時の絵が一番勢いがあっていい絵だから、そのまま使いたいがためにですってよ!かっこよすぎる。
すごいよなあ。ものすごい集中力がいるらしいです。そしてあの面白さ。憧れる。。。
まあマンガと絵本はまた作りが違うんだけど。

という感じで地味に頑張ってます。
この本、果たして年内に出版できるのでしょうか。ちょっといやかなりきついかなー。

絵本ができるまで~その1

2006-10-28 02:45:44 | 絵本ができるまで
新しい絵本の仕事が本決まりになったので、今日は出版社の方と打ち合わせへ。
編集者様、東京からわざわざ広島に来ていただきホテルのランチバイキングを食べながらの楽しい打ち合わせとなりました。

ちなみに娘はまたしても旦那に子守りをお願いしてきました。ほんと申し訳ない・・・。しかーしゆっくり身軽にランチなんて産後初めてですよ!なんて楽チン。

今回の絵本は私は絵のみ担当。文章(お話)は同じく広島在住の川上さん。三人で初顔合わせでした。
出版社に川上さんが原稿を持ち込まれて、それを読んだ編集のFさんが「この話の絵はよこみちさんにお願いしたい」とオファーを!なんてありがたい・・・ものすごーく嬉しいお仕事です。
小学校が舞台のお話しで子供がたくさん出てくるので、描くのがめちゃめちゃ楽しみ。

川上さんの原稿はもうできているので、そこから細かく打ち合わせ。主人公の性格や体格、家族構成や好きなもの・・・などなどストーリーとは直接関係ないところまでも、細かく作者の思いを聞いてイメージを固めていきます。
小学校の間取り図を作ったり、文章中の細かい確認をすみずみまでちくちくつついて・・・あっというまに3時間。疲れはてました・・・。

今日の打ち合わせを元に絵本のラフを創っていくのが私の次の仕事。ラフは絵本の15場面を大体どんな絵で描くのか構成割りしていくわけですが、この作業が絵本作りで一番の核、一番のヤマ、一番の産みの苦しみといってもいいでしょう。(私的に)
今回は月刊誌の仕事ではないので、特に〆切もないのです~~~。スバラシイ・・・。納得いくまでじっくり創っていこうと思ってます。

文担当の川上さんは、これがデビュー作になるそうです。
彼女は初持込でいきなりチャンスを掴んだというから驚きました。
童話ではなく絵本の文のみの人って、どうやって持ち込みするんだろ?とずっと疑問に思ってたのですが、ちょっとなぞが解明。

この絵本がいつ出版かはちょっと先になりますが「絵本ができるまで」シリーズで経過を綴っていこうかなあと。
書店に並ぶ日を夢見て、れっつらご~です。頑張らねば~!