冬桃ブログ

さよなら、ありがとう、猫達。

 記憶というのはいい加減なもので
とくに私は数字がからむと自分の年令さえ
わからなくなる。
 今年は古希という記念すべき年なので
まあ、今年いっぱいくらいは、自分が
何歳か、訊かれたらちゃんと答えられると思う。

 緑区からいまの南区へ越したのは
2004年だと、ずっと思っていた。
 人にも、越してから13年になります、
なんてことを言っていた。
 
 が、いま調べてみると、どうやら2005年らしい。
 うちの猫達はその翌年に来た、と思い込んでいたが、
これも間違いで、翌々年の2007年らしい。
 野良を保護した人から譲り受けたもので、
その時、たぶん生後6ヶ月くらいだと言われた。
 引き取ったのが1月だから、猫達は2006年生まれ。
 
 黒猫とキジトラ猫で兄弟だった。
 母親はいかにも不細工な赤茶色の猫で、もう何度も
妊娠出産を繰り返している野良だという。

 子供の頃、怪猫映画を何本も観たせいで、
猫は大の苦手だった。
 一生、縁がないと思っていたのに、
なぜかこの兄弟を引き取ってしまった。
 それからは夢中になって、猫の世話にあけくれた。
 なにもかも興味深く、可愛かった。



 野良時代、よほど怖い目にあったのか、
人間をまったく信用しない。
 だけどキジトラの方は、三年目にして
いきなり膝に乗ってくるようになり
毎晩、私のベッドで一緒に眠るようになった。

 気難しいのは黒猫の方。
 「裏切り者め」という冷ややかな眼差しを
仲良しだったはずの相方に向けるようになった。

 2014年8月12日、キジトラのフータが亡くなった。
 鼻の癌を患い、春から苦しんだ末の死だった。
 だんだん痩せていき、苦しそうだったその様子は
私のトラウマになった。
 辛すぎて、いまも平常心で写真を見ることができない。

 あちこちに疾患(腎臓結石、片目、歯周病で
歯が一本しか無い)があり、この子は早くに
亡くなるかも、と覚悟していたノアは、
ありがたいことに元気でいてくれた。
 相変わらずなついてはくれなかったが。

 そのノアが、今月初め頃から徐々に
食べなくなり、さらに飲まなくなり、
静かに、でも確実に衰えていき、
昨日の夜、とうとう天に召された。
 フータのときのように苦しそうで
なかったのが、まだしもありがたかった。
 体が弱ってから、ようやくいっぱい
抱っこさせてもらい、私の勝手な願望
かもしれないが、「頼ってくれてる」
という実感を持つことができた。

 猫は偉大だ。
 猫と一緒の十年間は、なにがあろうと
基本的に幸せな日々だった。
 フータ、ノア、ありがとう。
 やすらかに……。




 
 

コメント一覧

冬桃
ありがとうございます。
おでさん
 猫はいてくれるだけでいいのですよね。
 なにか辛いことがあっても、「だけど
私には猫がいる!」と思うだけで、心が
慰められたものです。
 彼らと過ごした日々に心から感謝しています。
おで
http://odesamaryu.exblog.jp
残念でしたね・・・猫との別れはほんとうにさびしくて辛い。でも最後まで冬桃さんのそばで、暖かく見守られながら旅立てて幸せな猫ちゃんたちだったと思います。安らかに・・・。
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