
コンピューターが私たちの問題を解決すると考えている人が多いようだが、
彼ら/彼女らは、なぜ、
コンピューターが人間を1つの(取り除くべき)問題とみているとは、どうして考えないのか、私は、不思議でならない。
彼ら/彼女らは、人間に対しては、悲観的に考えすぎ、コンピュータが持つ永遠の善意に対しては楽観的に考えすぎている、と私は、思うのである。
コンピューターが私たちに対して永遠に親切であるという標準設定の役割を続けていくと、果たして、考えられるだろうか。
コンピューターはその進化の過程で、人間の本来の意図や指示から大きくかけ離れたプログラムを選択するかもしれないのだ。
人工知能を熱烈に支持する人々は、コンピューターの能力を絶する成長を予測したムーアの法則が、おそらく将来も限りなく続き、コンピューターがほんの数十年以内に人間の知能を追い越すと予測している。
一方、人間は賢くなるにしても、そのスピードはとても遅い。
すぐにずば抜けて賢いコンピューターが、さらにもっと賢いコンピューターを開発することができ、さらにそれが、また、賢いコンピューターを開発するというプロセスが繰り返され、コンピューターに比べ、学習スピードが遅い私たち人間は大きく引き離されるであろう。
「シンギュラリティ(technological singularity)」は、人工知能が人間の知能を追い越すという、進化の転換点を表すのに使われることばである。
そのときに何が起きるのか、は誰にもわからない。
人工知能の最初の先駆者(アラン・チューリングとジョン・フォン・ノイマン)は、そのような日がやって来ることを60年前に見通していた。
彼らは、やがてコンピューターが、力任せの計算力に頼った知性の勝負でことごとく人間に勝つと考えていたのだ。
しかし、彼らは、そのようなことをまったく想像していなかった。
コンピューターはまず、気象や景気動向、粒子の衝突、宇宙の起源、そのほかの科学者が研究するほとんどの事柄のモデル化に必要な大量の数値計算において人間に勝った。
さらに、チェスや碁、人間の顔と感情表現の認識、車の運転、飛行機や宇宙船の操縦、医学的診断、ヘッジファンドの運用では、人間を負かすことにやや時間はかかったものの、かつてコンピューターの能力の範囲外だと考えられてきた非常に多くの事柄でコンピューターは人間より優位に立っている。
チューリングが提唱したチューリング・テストは、コンピューターにとって比較的簡単であったようだ。
コンピューターは、今や、生身の人間と見紛うような、機知に富み、比喩や慣用句を使った言い回しで会話を続けることが出来る。
皮肉な話だが、人間だけの例外として残ると思われる能力は、
「くだらないミスをすること」だけであるようになるのではないか、と、私は、かなり、恐れている。
人工知能の業界は、きわめて深刻な結果をもたらす可能性を考えず、期待と成果を限界まで高め続けている熱狂的な人々で溢れている。
彼ら/彼女らは、政府や企業、億万長者の夢見る愛好家から多額の資金援助を受け、新たな人工生命体を作る力の虜になった現代のフランケンシュタイン博士たちである。
彼ら/彼女らの仕事は、ほとんどの制限されておらず、その危険性に関わる貴重な議論は、ほとんど行われていない。
人工知能は進化が早すぎて、常識や倫理上の配慮を持って適切に制御できないのではないかと、私は、やはり、思ってしまう。
ビル・ゲイツやイーロン・マスク、スティーヴン・ホーキング(2018年3月14日死去)は皆、私たちに従順であるようにコンピューターを作ることが、やがて将来の人間生存に対する脅威になるかもしれないと危惧している。
人間が今後、地球外生命体と接触する確率を計算する理論家は、
人間が接触する地球外生命体が機会であり、生物学的生命体ではないと予測するようになっている。
なぜなら、生物学的生命体の生存期間の方が機械より相対的にずっと短くなっているからだ。
人間に対して最終的にどんな影響があるのか、あらかじめ徹底的に話し合うことなく、
人間ができるありとあらゆること、そしてさらにそれ以上のことをこなせるプログラムを安易に開発すべきではない、と、私は考える。
いかに技術的に素晴らしい取り組みであったとしても、倫理に関する議論や衆人環視の中に縛られていなかったり、手段にのみ重点が置かれ、目的がまったく考慮されていない取り組みは、どうしても、私にはとても恐ろしいものに感じられるのである。
コンピューターに制御された世界で、
「人間は不要な存在である」
とコンピューターが決めるリスクを始めに話し合うことなく、コンピューターが作るユートピアを夢見る者たちは、ディストピアを創造しようとしていることに気づいて欲しい。
その世界に、人間は、いないのだから。
ここまで、読んでくださり、ありがとうございます。
明日から、数日間、また不定期更新になりますが、またよろしくお願いいたします( ^_^)
次の定期更新は、私たちが直面していること(人口爆発、人口知能、地球温暖化、環境破壊、資源の枯渇、世界の分断など)について考えるシリーズの続きにしたいなあ、と思っています。
いつものように調子に乗った長文で、暑苦しい内容が地獄のように続きますが、良かったらまた読んでやって下さいね^_^;
寒い日が続きますが、体調に気をつけたいですね。
今日も、頑張りすぎず、頑張りたいですね( ^_^)
では、また、次回。