J専活動記録

J専に入学して2年目!
今年度は学科での雑誌製作に関するさまざまな話を綴っていきます。

現場研究の授業を終えて

2008-11-27 | 業界研究
もうすぐ12月。
現場研究の授業も終わりです。

はじめは自分だけでアポ取りや取材をするなんて
むりだろうと思っていました。
実際にはじめてみると、やはりアポもなかなかとれず、
もうだめだ…!といやになることもありましたが
なんとか乗り切った感じです。

それでも勇気が出ず、忙しさをいいわけに
行ってみたいなと思っていたところには
ほとんど行けず仕舞いになってしまったのが反省点です。

広告の世界への興味はまだあるし
後期の授業をやるうちにデザインのほうにも興味を持ったので
授業が終わっても、ひきつづき
自分の興味のある世界の情報をあつめられたらと思います。



ことばとむきあう【資料】

2008-11-25 | 業界研究
『広辞苑 第六版』
岩波書店/2008年1月11日発売
旧版から10年ぶりに全面改訂をし、新しく1万項目を追加。総項目数は24万。
今回から本文を2分冊にし、使いやすさを向上させた机上版も発売。
発売前後に新聞広告や全国主要駅における駅貼りポスター広告を大々的に展開し、
統一テーマの「ことばには、意味がある。」というメッセージを力強く打ち出した。


今回お話をうかがった発売広告に登場する8名とことば
・太田光さん「笑い」
・黒柳徹子さん「命」
・桑田真澄さん「努力」
・椎名林檎さん「私」
・高見のっぽさん「あそぶ」
・手塚治虫さん「夢」
・美輪明宏さん「自由」
・吉田美和さん「愛」

ことばとむきあう

2008-11-25 | 業界研究

株式会社岩波書店・宮本哲男さんにきく。
『広辞苑 第六版』の広告に関するインタビュー その2

――広告の企画を立てる上で気をつけた点などはありますか。
 広告というのはわたしたちが、これがいいと議論してやったとしてもそれは独りよがりであって、それを目にしたみなさんが止まってくれないとだめなわけですね。やはりクリエイティブの表現として、それなりのインパクトのあるもの。その中で情報をどのように入れるかということがあります。
 今回の広告に関しては、もっと詳しく改訂のポイントについて詳しくという気持ちもあるけれど、できるだけ要素をそぎ落としていき、的確に何がいいたいのか。それは広辞苑が10年ぶりに全項目を見直し、新しい項目が1万加わりましたということを、できるだけシンプルに、かつ堂々と送りだしていきたいと。
 広辞苑はおかげさまで、「広辞苑によれば」などと辞典の代名詞のようにいわれています。しかしそのようなは、何もしなければもしかしたら、時代の流れと共に陳腐なものになってしまうかもわからない。だからこの新発売という機会に、信頼やブランド力を高めることを念頭に置きながら広告を打ち出していくというようなことはありますね。

――以前はテレビCMを使用していたそうですが、なぜ今回は使用しなかったのでしょう。
 前回、前々回と読書カードで認知経路をたずねました。それからすると新聞で知ったという方が多かったんです。実は今回、また同じようなことをやったのですが、やはり新聞広告でという方がひじょうに多いんです。その結果をうけて、メディアとしては新聞を中心に展開しました。
 もうひとつ言うと、新聞を読むということは物事に関心があるみなさん。したがって、新聞を読むみなさんと辞書を持つみなさんというのは、ひじょうに近いというのかな。言葉に関心がある、物事に関心があるというようなことがあるのではと思います。

――第6版を購入した方の年齢層はどのようになっていますか。
 男性も女性も30~40代の方が多かったです。その次が50歳以上の方です。広辞苑を改定するたびに買いかえてくださる方が多いので、当然そのみなさんには買っていただきたいというのはありました。しかしそこにとどまっていたら、売り上げなどの目標は達成されませんよね。そのなかで30~40代の中学生・高校生のお子さんがいる、その世代のみなさんにも求めてもらいたいと考えていました。そういう意味では、この広告がみなさんに届いたのかと思います。
 おそらく広告だけでものが売れるということではないんでしょうね。どこまで行動して話題になったこということもありますし。小学生新聞だとか親子が購読しているようなところにも記事とタイアップ的な広告を作るだとか、そういうことが後押しであったのかと。

――さきほど出版の売り上げが落ちているとありましたが、そのなかで今後はどのように広告活動をしていくおつもりですか。
 これはすごく難しい質問で、みんなが日々悩んでいることですね。
 情報の入手のしかたがひじょうに多様になっていくなかで、出版物が限りなく下がり続けていずれは無くなっていくとは思いません。ただ、一定にやはり落ちていくだろうと。辞書ということから考えると、電子辞書の方が早いでしょうね。だけども、辞書をちょっとめくること、たどり着くまでにすこし時間がかかること。そのことによって記憶を定着させるというようなことが、活字にあると思うんです。
 最終的にはそれが本当に価値あるものかどうか、そしてみなさんが本当に求めているものなのか。そういうことが問われる、ある意味では進化が問われるのかなと思います。

――ありがとうございました。


ことばとむきあう

2008-11-25 | 業界研究

株式会社岩波書店・宮本哲男(みやもとてつお)さんにきく。
『広辞苑 第六版』の広告に関するインタビュー その1


――『広辞苑 第六版』が
111日発売だったのですが、広告制作の企画はいつごろから進められていたのですか。
 岩波書店にとって広辞苑というのはひじょうに大事な辞典なので、どういうものを売っていくか、あるいはどう宣伝していくのかというような全社的なプロジェクトを作って、会議を積み重ねてきたんです。
 
実際に広告の話になったのは2006年の秋ごろですね。辞典というのは新しい版が出ますと言ったとたんに、古い版がもう売れなくなるんです。なので、広告のコンセプトとして、なにをおさえていくのか。また、広辞苑という辞書を買っていただく市況というのはどうなっているのかをくわしく冷静に見つめる。そういうことはものすごく議論しました。

――今回の広告は電通との共同作業のようなかたちで作り上げていったそうですね。
 
そうです。電通さんとは10年前(1998年)に第5版を改訂した前から一緒にやっているんですが。流通関係、クリエイティブ関係。あとは店頭での販促関係。そういうチームを全部作り、朝から夕方まで会議をしていろいろと練りあげていきました。

――「ことばには、意味がある。」というコピーはどなたが考えたのでしょう。
 
これは電通のコピーライターです。私たちもひじょうにいいと思います。

――この広告を作る背景にはどのようなものがあったのですか。
 
出版全体というのはもう11年連続でどんどん売り上げが落ちています。そういうなかにおいて、紙の辞書の市況というものも10年前とは大きな違いがそこにある。そういうなかであらためて、ある意味じゃ直球かどうかもわからないですね。あえて言葉をもって、著名なみなさんをだいたんにレイアウト的にも大きく。商品の広告よりも人というのかな。そういうことが背景にあって、発売はこれで行こうというふうになったんですね。
 
ちなみにこれは発売広告ですが、このほかにも2007113日の予約開始を伝える新聞広告や、駅のコンコースにB0のポスターを出すなどしました。新宿駅と渋谷駅限定でポスターを出したのですが、これは広辞苑の3010ページをすべて載せたんです。この作業が大変で、アナログで全部スキャニングしたんです。

――この8名のタレントが決定したのはいつごろですか。
 
けっこうぎりぎりでした。
 
実はこの広告は人物よりも先に言葉が決まったんです。夢とか、あるいは努力、あそぶ。他にも候補はありましたが、最終的にこの8つの言葉を選んだんです。どうしてその言葉を選んだのかというと、夢であるとか努力というのは、なにげなく使っている耳慣れた言葉ですよね。それが著名人の方が目を引いて、その言葉に接したときにあらためて言葉のその意味を考えて、あるいは立ち止まってもらう。そういう機会があればいいなと。
 
今世の中では活字離れだとか言葉の力が弱まっていると言われています。そういう社会状況の中で、みなさんにはただ広辞苑の商品の広告としてそこに出ていただくということにとどまらず、ご自身が言葉とともに登場するということで社会的なメッセージを、という趣旨にご賛同いただきました。



その2につづく