娘が「お父さん、どうして女は腋毛を剃るの?」と聞いてきた。困った。「女は男のようにヒゲが剃れないから、悔しいので腋毛を剃るのさ」と苦し紛れにデタラメを言った。娘は納得しない。それはエチケットだからという答えはあるが、エチケットとは、歴史的・民族的・文化的に作られるもの。外国人女性には、腋毛を剃らない人もいるし、日本でもすべての女性が腋毛を剃るようになったのは、ここ数十年にしかならない。一時の流行と言ってしまってもよい。もしファッションリーダーの人気若手女性タレントが腋毛を伸ばせば、みんな真似をするだろう。エチケットとは、人真似ではなく、もっと主体的なものだろう。娘にそう言うと、「わかった。私、腋毛剃るの止める」と答えた。「さすが、俺の娘だね。腋毛伸ばして三つ編みにしたら。ついでにリボンもつけな」。娘は嬉しそうな顔をした。(フィクションです)。
試写会を出て、俺と麻美はスナックへ行った。俺はチュー
ハイライムを注文した。彼女も、
「同じで……」
と言った。
麻美は、
「あらためて……」
と、名詞を差し出した。肩書きは、フリージャーナリスト。
俺も名詞を出した。肩書きは、ただのライター。
「えっ、ライター? じゃあビデオショップは?」
もう、嘘をついても仕方がないので、正直に告白した。
「売れないライター……使い捨て100円ライターですよ。
バイトしないと食っていけないんでね」
麻美は、俺がバイトをしているアダルトビデオショップに
いきなりやって来て、店内を物色したあと、レジにいる俺の前
に手ぶらで立ち、バッグから映画の試写会のチケットを出して
誘ったのだ。
それから二人は、観て来た映画や、今まで観た映画の話で
盛り上がり、チューハイのピッチも上がった。
俺が今、純文学に挑戦しているという話になった。俺は純
文学について、やたらと喋った。
「純文学って何だろうと考えるとね、<純>とは当然、純粋の
純のことでしょ。ということは、文学には純粋なものと不純な
ものがあるわけですか? 大辞林を引いてみたんですよ。する
とね、大衆文学・通俗文学に対して、読者に媚びず純粋な芸術
をめざした文芸作品、と書いてある。じゃあ純粋な芸術って何
だと言えば、分からないじゃないですか……ついでに<純粋>を
辞書で引いてみたんです」
「辞書を引くのが好きなのね」
「ええ、死ぬまでに読破しようと思ってるんです……すると
ね、混じりけのないこと、また、そのさま、汚れがないこ
と、邪念など私欲のないさま、となってるの……そこから類推
すると、邪念など私欲のない、混じりけのない文学となります
ね。だけど、気持ちとか主観なんて、誰にも客観的に判断などで
きないでしょ。歴史に残る純文学に、ベストセラーになりたい
とか、印税をたくさん稼ぎたいとか、文学史に残る傑作を書き
たいとかの邪念や私欲がなかったと誰に判断できるんですか
ね……物質なら化学的に測定できますけど、文学に混じりけ
があるかどうか、どうやって検証するんですか……」
「随分、純文学に反感を持っているのね」
「そうじゃないんです。純文学という高みから、大衆文学を
一段低く見ようとする文壇の権威主義が、鼻持ちならないだけ
です」
「じゃあどうして純文学を書こうと思うの?」
「だから、邪念と私欲の塊みたいな、混じりけだらけのもの
を書こうと思ってますよ」
「皮肉屋さんなのね」
「ひねくれ者なんです」
店を出て大通りまで二人で歩いた。麻美は、彼女のマンシ
ョンに寄って、コーヒーを飲んで行ったらと囁いた。望むとこ
ろだが、でき過ぎの話だ。
☆
麻美のマンションのソファーでコーヒーを飲んでいる。ス
ナックでは、どうも俺が一方的に喋ってしまった。
「麻美さんは、今どんな仕事をしてるんですか?」
「性的暴力の問題を追及してるの」
「レイプ?」
「レイプやセクハラは直接的な性的暴力。でも間接的な性的
暴力もあるの。ポルノグラフィーなどはそう。フェミニズム
では、そう捉えてるわ」
「ということは、俺がAVショップでポルノを売ってるのは
性的暴力に加担してることになるのかな?」
麻美は、それには答えなかった。
「あなたのこと、経営者だと思ったから、経営者の考えてい
ることを知ろうと思って誘ったの。制裁を加えてやろうか
と……」
麻美は、フフッと笑った。
「怖いな……俺は無罪放免、それとも有罪? 経営者じゃな
いと分かったのに、何故ここへ誘ったの?」
「あなたは信用できる男だと感じたから……映写室の暗がり
の中でも、何もしなかったし……直感よ」
「ブー! ハズレ。俺は、さっきから君に発情している」
麻美は、またフフッと笑った。
「でも飛び掛ったりしないでしょ」
「まいったなァ……俺を聖人君子に祭り上げないでよ。君は
魅力的だ。男なら発情する……もう帰るよ」
俺はふり返らず玄関を出た。
それから遅くまでやっている居酒屋で、しこたま飲んだ。
(何がフェミニズムだ、糞食らえ! 畜生、純文学のポルノ
を書いてやるぞ)
☆
目を覚ましたときは、どこにいるのか分からなかった。ベ
ッドの上だ。昨晩の記憶が途中で途切れている。
ダイニングテーブルに向かい合って、麻美と朝食を食べ
た。
俺は麻美の顔を恐る恐る覗き見た。しかし、彼女の表情から
は何も読み取れなかった。
「もしかして、君に性的暴力を加えた?」
麻美は、またもやフフッと笑った。
「とても紳士的だったわ。ぐでんぐでんに酔っ払って……深
夜にドアの外で叫ぶから、仕方なく鍵を開けたのよ」
俺は、それ以上、質問するのを止めた。
(目覚めたとき、ザムザのように虫になっていればよかった
のに……)
自己嫌悪が末期癌の細胞のように肥大して、俺の息の根を
止めてしまいそうだった。
おわり
証明写真が必要になり、あれ何ちゅ~んか、ボックスの中でコ
イン入れて、写真撮るの、あの中に入って、写真を撮る。
ちょっと待って、受け口から写真が出て来た。
あれ、いつの間に、俺、こんな顔になったのかな…。
イン入れて、写真撮るの、あの中に入って、写真を撮る。
ちょっと待って、受け口から写真が出て来た。
あれ、いつの間に、俺、こんな顔になったのかな…。
知らない町を~歩いてみた~い
どこか遠くへ~行き~た~い~♪
この歌が大好きです。旅情を誘います。
ぶっらと気ままな一人旅が好き。
しばらく旅に出るかも……。
ミクシィもしばらくお休みかな……。まあ気まぐれなんで、起きたら考え変わって
るかも……。
三途の川の川岸でも散歩して来ます。向こう岸へは渡りませんのでご心配なく。
それでは良い夢を見ましょう。
夢で~逢いましょう~♪ では、では……。

どこか遠くへ~行き~た~い~♪
この歌が大好きです。旅情を誘います。
ぶっらと気ままな一人旅が好き。
しばらく旅に出るかも……。
ミクシィもしばらくお休みかな……。まあ気まぐれなんで、起きたら考え変わって
るかも……。
三途の川の川岸でも散歩して来ます。向こう岸へは渡りませんのでご心配なく。
それでは良い夢を見ましょう。
夢で~逢いましょう~♪ では、では……。


パソコンに対するアレルギーが強かった。ワープロ機能だけを使用するようにはなった
が、ネットにまでは進まなかった。今春やっとネットを接続した。しかし、メールの送受信
がほとんどで、たまにホームページを覗くくらい。
それが、9月15日にミクシィ開始以来すっかりネットの面白さにはまってしまった。自分でも驚いている。
9月15日にミクシィに加入してから10月24日で、マイミク42人になり、足
跡は2000人を突破した。今年中にマイミク100達成を目指す。
文字書き仕事のご注文、承ります。何なりとお気軽にお問い合わせを。
シナリオライター・フリーライターとシナリオを教える講師をしています。大阪シナリオ学校と放送芸術学院でドラマ論とシナリオ実作を指導。
子どもの時からミーハー的映画好き。
カラオケ大好き。
キャッチコピーは、「マルチ100円ライター」です。原稿用紙1枚100円から1文字100円まで各種。何でも書きます。ラブレター・日記代筆も。恥もかきます。
歌って踊って芝居のできる「シンガーソングダンシングプレイイングライター」になりたいと思った時もあり。ただ、チーク・ダンスしか踊れなくて断念。ホントはアルゼンチン・タンゴが踊りたい。
役者の方は舞台に2度立ちました。歌も2曲、ソロで歌いました。客席から、おひねりではなく石が飛んで来ました。トホホ……。
「第10回読売テレビゴールデンシナリオ賞」最優秀賞受賞(『時の壁の中に』)
「木曜ゴールデンドラマ」「新部長刑事・アーバンポリス24」「人権啓発映画」、ドタバタ喜劇「浪花の夢」(吉本興業・なんばグランド花月)など執筆。
ドキュメンタリー「本多立太郎の戦争出前噺」構成・演出。
「編集サービス」に「小説ショートショート」連載。
ルポ「震災対策業務の中で」など執筆。
情報バラエティ「やる気タイム10」など構成。
好きな映画 「タクシードライバー」「カッコーの巣の上で」「スパルタカス」「ドクトル・ジバゴ 」など多数。
マルチ100円ライター・高島与一をごひいきに。高い島に与える一、高島与一です。
跡は2000人を突破した。今年中にマイミク100達成を目指す。
文字書き仕事のご注文、承ります。何なりとお気軽にお問い合わせを。
シナリオライター・フリーライターとシナリオを教える講師をしています。大阪シナリオ学校と放送芸術学院でドラマ論とシナリオ実作を指導。
子どもの時からミーハー的映画好き。
カラオケ大好き。
キャッチコピーは、「マルチ100円ライター」です。原稿用紙1枚100円から1文字100円まで各種。何でも書きます。ラブレター・日記代筆も。恥もかきます。
歌って踊って芝居のできる「シンガーソングダンシングプレイイングライター」になりたいと思った時もあり。ただ、チーク・ダンスしか踊れなくて断念。ホントはアルゼンチン・タンゴが踊りたい。
役者の方は舞台に2度立ちました。歌も2曲、ソロで歌いました。客席から、おひねりではなく石が飛んで来ました。トホホ……。
「第10回読売テレビゴールデンシナリオ賞」最優秀賞受賞(『時の壁の中に』)
「木曜ゴールデンドラマ」「新部長刑事・アーバンポリス24」「人権啓発映画」、ドタバタ喜劇「浪花の夢」(吉本興業・なんばグランド花月)など執筆。
ドキュメンタリー「本多立太郎の戦争出前噺」構成・演出。
「編集サービス」に「小説ショートショート」連載。
ルポ「震災対策業務の中で」など執筆。
情報バラエティ「やる気タイム10」など構成。
好きな映画 「タクシードライバー」「カッコーの巣の上で」「スパルタカス」「ドクトル・ジバゴ 」など多数。
マルチ100円ライター・高島与一をごひいきに。高い島に与える一、高島与一です。