みなみなさま 新年への祈り
いよいよ年の瀬は押し詰まり、政治も押し詰まり…良き年をただ祈るのみ…。
☆脱力・脱原発人情爆笑劇場「蛍の光・父と娘の会話」
作:高島与一
◎居間にて
父と娘が、電気コタツでミカンを食べながら
天才桃尻娘「天才インテリの父よ!」
天才バカボンパパ「どうしたのだ、改まって…物知りインテリアの桃尻娘よ!」
桃尻娘「真似すんな! 昨日は夜中に、コソコソ家を抜け出して、どこへ行っていたん だ? 朝帰りやろ!」
バカボンパパ「バレタか…。蛍を採りに、川まで行ってたのだ」
娘「蛍? 今、冬だぞ! 蛍は夏だ、気は確かか!?」
パパ「知ったかブリブリブリッコ娘よ! いつ決まった? 談合か?」
娘「昔からだよ、バカッ!」
パパ「それでは困るのだ…。節電ができない…」
娘「ハッ?」
パパ「パパは考えたのだ。電力会社が節電しろと言うから、蛍を一杯集めて、その灯で夜中に読書することにしたのだ」
娘「アホッ! なんで、そんな面倒くさいこと考えるねん! 夜中は寝たらいいの。寝たら電気はいらん! もともと、本なんか読んでるの、見たことないぞ!」
パパ「お前は天才か!」
娘「お前がアホじゃ! だいたいやな、電力会社の節電キャンペーンに騙されてるんじゃ、ボケッ!!!」
パパ「そいじゃあ、来年の夏に蛍を探しに行くことにする」
娘「違うやろッ!」
パパ「♪蛍の光~窓の雪~書(ふみ)読む月日重ねつ~つ~…そうかッ! 冬は雪明りで読書するのだった!」
娘「夜は寝なさいッ!!!」
パパ「♪いつしか年も~すぎのとを~あけてぞ今朝は 別れゆ~く」
娘「卒業式か!」
パパ「物知り桃尻娘よ! 『あけてぞ今朝は』の『あけ』は夜明けの『明け』なのか、戸を開けるの『開け』なのか?」
娘「たまにはエエこと言うがな…。それはやな、年も『過ぎ』と、木の『杉』が掛け言葉で、『杉の戸』を『開けて』と夜が『明けて』とが掛け言葉や。昔の言葉遊びやな」
パパ「お前は天才か! さすが、オレの娘や!」
娘「お前は、ただのアホ親父や! 遺伝子の連続性に恐怖を感じる今日この頃(ブツブツ)…もらい子であってくれれば(ブツブツ)…」
パパ「そんな冷たいこと言うな! お前はオレの実の娘や! 間違いない! あの日、酔っ払って帰って来んかったら、今日のお前はない…」
娘「ガ~ン!!!」
パパ「♪とま~るも~行く~も 限りと~て~互(かた)みに思う 千万(ちよろず)の~心のはし~を ひと~ことに~幸(さき)くとばか~り 歌うな~り~」
娘「それはやな、こういう意味や…。ふるさとに残る者も、ふるさとから出る者も、今日限りでお別れということで、互いに思う何千、何万という心の端々を、たった一言、『無事で』とばかりに歌うのである…」
パパ「……(ウルウル)」
娘「おっさん! 何を泣いてんねん?」
パパ「(顔がクシャクシャ。鼻水をすすり上げ)それって、福島の人たちのこと歌ってんねんやろ…」
娘「(しんみり)もうエエから、寝なさい…。蛍も雪も心配せんとな…。明日起きたら、きっと一面の銀世界やで、お父ちゃん!(ハンカチを渡す)」
パパ「ウン…(思い切り、鼻をかむ)…。ほんなら寝るわな…」
娘「(優しく)明日、また遊ぼな…親父…蛍の夢でも見ィや…オシッコしてから寝るねんで…」
パパ「(急に元気に)♪ホッ、ホッ、蛍、来い! アッチの水は汚染水、コッチの水は冷却水! ホッ、ホッ、放射能!(踊りながら部屋を出て行く)」
娘「(独白)やっぱ、天才と紙一重や…」
おわり
いよいよ年の瀬は押し詰まり、政治も押し詰まり…良き年をただ祈るのみ…。
☆脱力・脱原発人情爆笑劇場「蛍の光・父と娘の会話」
作:高島与一
◎居間にて
父と娘が、電気コタツでミカンを食べながら
天才桃尻娘「天才インテリの父よ!」
天才バカボンパパ「どうしたのだ、改まって…物知りインテリアの桃尻娘よ!」
桃尻娘「真似すんな! 昨日は夜中に、コソコソ家を抜け出して、どこへ行っていたん だ? 朝帰りやろ!」
バカボンパパ「バレタか…。蛍を採りに、川まで行ってたのだ」
娘「蛍? 今、冬だぞ! 蛍は夏だ、気は確かか!?」
パパ「知ったかブリブリブリッコ娘よ! いつ決まった? 談合か?」
娘「昔からだよ、バカッ!」
パパ「それでは困るのだ…。節電ができない…」
娘「ハッ?」
パパ「パパは考えたのだ。電力会社が節電しろと言うから、蛍を一杯集めて、その灯で夜中に読書することにしたのだ」
娘「アホッ! なんで、そんな面倒くさいこと考えるねん! 夜中は寝たらいいの。寝たら電気はいらん! もともと、本なんか読んでるの、見たことないぞ!」
パパ「お前は天才か!」
娘「お前がアホじゃ! だいたいやな、電力会社の節電キャンペーンに騙されてるんじゃ、ボケッ!!!」
パパ「そいじゃあ、来年の夏に蛍を探しに行くことにする」
娘「違うやろッ!」
パパ「♪蛍の光~窓の雪~書(ふみ)読む月日重ねつ~つ~…そうかッ! 冬は雪明りで読書するのだった!」
娘「夜は寝なさいッ!!!」
パパ「♪いつしか年も~すぎのとを~あけてぞ今朝は 別れゆ~く」
娘「卒業式か!」
パパ「物知り桃尻娘よ! 『あけてぞ今朝は』の『あけ』は夜明けの『明け』なのか、戸を開けるの『開け』なのか?」
娘「たまにはエエこと言うがな…。それはやな、年も『過ぎ』と、木の『杉』が掛け言葉で、『杉の戸』を『開けて』と夜が『明けて』とが掛け言葉や。昔の言葉遊びやな」
パパ「お前は天才か! さすが、オレの娘や!」
娘「お前は、ただのアホ親父や! 遺伝子の連続性に恐怖を感じる今日この頃(ブツブツ)…もらい子であってくれれば(ブツブツ)…」
パパ「そんな冷たいこと言うな! お前はオレの実の娘や! 間違いない! あの日、酔っ払って帰って来んかったら、今日のお前はない…」
娘「ガ~ン!!!」
パパ「♪とま~るも~行く~も 限りと~て~互(かた)みに思う 千万(ちよろず)の~心のはし~を ひと~ことに~幸(さき)くとばか~り 歌うな~り~」
娘「それはやな、こういう意味や…。ふるさとに残る者も、ふるさとから出る者も、今日限りでお別れということで、互いに思う何千、何万という心の端々を、たった一言、『無事で』とばかりに歌うのである…」
パパ「……(ウルウル)」
娘「おっさん! 何を泣いてんねん?」
パパ「(顔がクシャクシャ。鼻水をすすり上げ)それって、福島の人たちのこと歌ってんねんやろ…」
娘「(しんみり)もうエエから、寝なさい…。蛍も雪も心配せんとな…。明日起きたら、きっと一面の銀世界やで、お父ちゃん!(ハンカチを渡す)」
パパ「ウン…(思い切り、鼻をかむ)…。ほんなら寝るわな…」
娘「(優しく)明日、また遊ぼな…親父…蛍の夢でも見ィや…オシッコしてから寝るねんで…」
パパ「(急に元気に)♪ホッ、ホッ、蛍、来い! アッチの水は汚染水、コッチの水は冷却水! ホッ、ホッ、放射能!(踊りながら部屋を出て行く)」
娘「(独白)やっぱ、天才と紙一重や…」
おわり